季節の引き継ぎ
三寒四温とはよく言ったもので、冬から春へのバトンタッチは、目に見えるような見えないようなスピードで進んでいく。
冬色の空の下で、春の花が咲く日がある。歩道のユキヤナギが、庭の山吹が、花壇のチューリップが、寒さを我慢するように少し震えながら、景色に暖かな色を添える。
春の日差しの中に、冬の風が吹く日もある。日向を歩けば春で、日陰を歩けば冬。並木道に落ちた縞模様の影を踏んでいると、一歩ずつ、冬と春を交互に行ったり来たりしている気分になる。体が冷えるのが嫌だから、春の方を縫うようにして歩く。
温もりに誘われて陸に上がり、落ち葉をぱりぱり踏み歩く鴨のつがい。
油断した隙を突くかのように降る、冷酷で慈悲深い恵みの雨。
ぶかぶかの制服に着られた学生たち。
そうやって様々な移ろいを眺めているうちに、新しい季節がじんわりと馴染んでいく。そして、前の季節は確実に遠ざかっていく。
冬はそんなに好きじゃないけど、別れは少しだけ寂しい。
しばしのさよなら。また来てね。
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