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そのうち、ふっと消えるもの

思いもかけないタイミングで、電球がぱちりと切れた。

仏壇の豆電球である。風情も何もない。
一日にそう長時間点けるものではないから、「そろそろ切れるかも」なんて心の準備はできていなくて、すっかり油断していた。

あっけないものだ。
最後の力を振り絞るように一瞬光って、それっきり。

当然のような存在も、いつかは、ふっと消えてなくなる。
言わずもがな。文章に起こすと陳腐なほど解りきったことだ。

それなのに。“ぱちり”が起こるまで忘れていたのだ。

大事なものが目の前で消えてしまうのを、あんなに何度も見てきたのに。


買い置きの新しい電球は、すぐに当たり前の顔をしてピカリと光り始めた。

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