クリエイターとロジカルビジネスパーソンを隔てる「再現性」という壁
片やフォトグラファーとして生き
片やビジネスコンサルタントとして生きているものですから、クリエイティブとロジカルシンキングそれぞれの世界に足を突っ込みながら仕事をしております。
そんなバックグラウンドの立場で見ておりますと、クリエイティブ人材とロジカルビジネス人材がビジネスの世界でどんどん混じりあって来ているのものの、さまざまな歪みも生じており、まだ産みの苦しみと向き合っているような印象を受けます。
クリエイターとロジカルビジネスパーソンとのシナジーを生み出す上で、その大きな課題の一つに、「再現性」に対する捉え方があるかと私は考えております。
ロジカルビジネスでは、「再現可能」な世界を作ることを志向します。
計測して定量化し、
構造化して標準化することで、
課題認識や解決方法、効果測定など一連の取り組みを再現可能な形で綺麗にまとめあげていきます。
一旦フレームワークやアセット、ソリューションとして組み上げた後は、その横展開、再利用と改善を行い、効率化を図っていきます。
「要するに課題ってこうだよね、要するにToBeはこうあるべきだよね、このアセットが活用できるよね」という仕事の回し方を行います。
俺が考えたフレームワークやソリューション、ベストプラクティスをみんな使おうぜ、と。
一方、クリエイティブな人たちは、「クライアントも課題もひとつひとつ別もの」と捉え、「先人とは違うアウトプットを出す」ことを目指します。
企業ひとつひとつの独自性を重視し、
そのときどきの時勢や課題の特性をユニークなものとして捉え、
自身もまたオリジナルなアウトプットを生み出すことを目指します。
誰かや過去の自分が作り上げたものを規則的に再現することを好みません。
「今回、こういうシーンを捉え、こういうテーマを設定し、こういう工夫や趣向を凝らしたアウトプットを作りました」といった、ひとつとして同じでない仕事を目指します。
まぁとにかく、俺の今回の作品を見てくれ、と。
なので、あるクライアントの、あるビジネス課題と向き合った時に、
片やロジカルビジネスパーソンは、これまでのアセットを出来る限り使い回し、効率的にアウトカムを出すように取り組みますし、
片やクリエイターは、細かなユニークネスさを抽出し、「自分らしさ」を乗せるオリジナリティあふれるアウトカムを出すように取り組みます。
この両者の志向の違いをリスペクトしたコミュニケーションを取り、適切な役割分担をし、ガバナンスとオリジナリティのバランスを取りながら、プロジェクトを進めていくことが、うまくシナジーを出すコツなのかなぁ…と最近考えております。
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