早川 純一

ライター、フォトグラファー。IBD(UC)を発症してから、食というものについて考え、発…

早川 純一

ライター、フォトグラファー。IBD(UC)を発症してから、食というものについて考え、発信していくことがライフワークになりました。海外の優れた料理本を紹介するウェブサイト「ククブク」の運営をしています。

マガジン

  • LENTICCHIE PRESS MAGAZINE

    個人レーベル「LENTICCHIE PRESS」からのお知らせ。写真と詩。

  • ククブクの味見

    海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteでちょっとだけお見せしています。https://kukubuku.net/

最近の記事

なんちゃらフリホーレス

なんだかよくわからないけど、おいしいものができたのでメモ。 いちおうメキシコ料理の「フリホーレス」を目指して、いろいろなレシピ(フリホーレス・チャロス、フリホーレス・ボラーチョス、フリホーレス・マネアドスなどなど)を見たのだけど、いまひとつ違いがよくわからなくて、最終的に自己流のものになりました。 材料 花豆 両手にひとすくいくらい ひよこ豆 両手にひとすくいくらい 玉ねぎ 小3個。大だったら1.5個くらい にんにく 中2個 豚肩ロース 600gくらい? チョ

    • 映画『カモン カモン』で引用される書籍などの不完全なリスト

      noteに書くのは久しぶり。 エディタ画面がだいぶ変わりましたね。 あいかわらず映画をよく観ているのだが、先日観たホアキン・フェニックス主演の映画『カモン カモン』が、今年の暫定的ベストと言ってよいほどに素晴らしかった。 『フレンチ・ディスパッチ』も『アネット』も『ザ・バットマン』も良かったですよ。 どれも「あのシーンはどういう意味だったんだろう?」「あの台詞の意図は?」と観劇のあともずっと思索に耽らせる映画だった。 でもそれって、作家性に関わるところの話なのだ。 『

      • Lenticchie Zine 第6号 『前肢とパレード』を刊行しました

        7月25日、Lenticchie Press(レンティッキエ・プレス)によるzineシリーズの最新第6号を刊行します。 タイトルは『前肢(まえあし)とパレード』です。 東京都や神奈川県、千葉県などでは公道での開催が中止された東京オリンピック聖火リレー。 首都圏で唯一、公道での開催をおこなった埼玉県で、2021年7月6日に朝霞市内でおこなわれた聖火リレーのようすが題材になっています。 沿道の人びとの視線を集めながら、聖火を高々と掲げて誇らしげに走るランナーたち。 そん

        有料
        600
        • 分断の象徴だったバベルを再統合の象徴に

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その17 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、カリブ海に近いアメリカ合衆国の南東岸、シーアイランド地方の黒人文化「ガラ・ジーチー」に伝わる料理のcookbook『Bress ’N’ Nyam: Gullah Geechee Recipes from a Sixth-Generation Farmer』をご紹介しました。

        なんちゃらフリホーレス

        マガジン

        • LENTICCHIE PRESS MAGAZINE
          19本
        • ククブクの味見
          626本

        記事

          ぼくらはニャムニャムニャムと食べてきた

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その16 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、ギリシャ・トルコ・キプロスという東地中海地方の料理をテーマにしたcookbook『Ripe Figs: Recipes and Stories from Turkey, Greece, and Cyprus』をご紹介しました。 過去にイラン、パレスチナとアメリカと仲の悪い

          ぼくらはニャムニャムニャムと食べてきた

          分けることと共有することの違い

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その15 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、みんな大好きイギリスの料理家 ナイジェラ・ローソンの新刊『Cook, Eat, Repeat: Ingredients, Recipes, and Stories』をご紹介しました。 料理中心主義で作家性を押し殺した料理本もたくさんあるなか、「声」を全面に押し出すことの功

          分けることと共有することの違い

          シン・ナイジェラローソン米国版 :||

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その14 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは野菜の品種やスパイスの産地にこだわるように、穀物の個性も学んでいこうと提唱するcookbook『Mother Grains: Recipes for the Grain Revolution』をご紹介しました。 この本を見ていて、ぼくたち日本人は蕎麦をよく食べるわりには、穀

          シン・ナイジェラローソン米国版 :||

          穀物の情報、学んで新たなパン作りを構想

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その13 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは中東で随一の美食の国、シリアの家庭料理の味をまとめあげた『Sumac: Recipes and Stories from Syria』をご紹介しました。 地中海に面した土地柄もあるんでしょうけど、食材や調理法がギリシャ料理や東欧料理によく似ていて、アラブっぽいイメージがそん

          穀物の情報、学んで新たなパン作りを構想

          シリア料理知りゃ愚かな行為は止めたくなる

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その12 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、イスラム世界の料理をモザイク模様みたいに並べあげた、造本も美しい『The Arabesque Table: Contemporary Recipes from the Arab World』をご紹介しました。 個人的には、料理に限らず、ものづくりが宗教観によって大きく変

          シリア料理知りゃ愚かな行為は止めたくなる

          イスラム世界を料理本のかたちにしたら……

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その11 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、冷凍庫を活用した料理の下ごしらえをレストラン流のやり方で教えてくれるcookbook『It’s Always Freezer Season: How to Freeze Like a Chef with 100 Make-Ahead Recipes』をご紹介しました。 冷

          イスラム世界を料理本のかたちにしたら……

          はじめてですよ…このわたしをここまで固形にしたおバカさん達は……

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その10 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、欧米のひとたちにアジア料理の何たるかを紹介するcookbook『To Asia, With Love: Everyday Asian Recipes and Stories From the Heart』をご紹介しました。 あえて「アジア」という大きな括りをすることで、欧

          はじめてですよ…このわたしをここまで固形にしたおバカさん達は……

          アジアに対する愛、感じられない現実だから

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その9 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、マウイ島のレストラン「ティン・ルーフ」のオーナーシェフが書いたハワイ料理のcookbook『Cook Real Hawai‘i』をご紹介しました。 天気の悪い日に雨音をBGMにしながら料理をするイメージ、これからの日本の梅雨の季節にもぴったりの家庭料理のcookbookでし

          アジアに対する愛、感じられない現実だから

          令和、ハワイは遠くになりにけり

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その8 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、ノース・ロンドンのサンドウィッチ店「マックス・サンドウィッチショップ」のコンビが書いたピクニックのガイドブック『Max’s Picnic Book』をご紹介しました。 登場人物や場所、架空のピクニック・ストーリーを設定して、そこから生まれたレシピをまとめるという斬新な構成が

          令和、ハワイは遠くになりにけり

          想像のピクニックに草上で身を投じよう

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その7 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーではメキシコのいち地方料理、オアハカ料理のcookbook『 The Food of Oaxaca: Recipes and Stories from Mexico’s Culinary Capital』をご紹介しました。 メキシコ最大の美食都市と言われているオアハカは、中央アメ

          想像のピクニックに草上で身を投じよう

          料理本の自己否定と口伝のレシピ

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その6 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーでは、Netflix『シェフのテーブル:BBQ』にも出演していたバーベキューマスター、ロドニー・スコットの初のcookbook『Rodney Scott’s World of Barbecue: Every Day Is a Good Day』をご紹介しました。 本場のバーベキュ

          料理本の自己否定と口伝のレシピ

          トンネルを抜けるとブタは丸焼きだった

          Eaterが選ぶ2021年春のオススメcookbook その5 3月22日付けのフード情報サイト「Eater」に掲載された、春の新刊cookbookのレビューを読んでいってます。 前回のストーリーではサンフランシスコの新感覚チャイニーズ・レストラン「ミスター・ジウ」のシェフによるcookbook『Mister Jiu’s in Chinatown: Recipes and Stories from the Birthplace of Chinese American Foo

          トンネルを抜けるとブタは丸焼きだった