見出し画像

食品と世界史 30(お茶)

起源: お茶は中国で約5000年前に発見され、古代の医療や儀式で使用されるようになりました。伝説では、中国の皇帝・神農氏が2737年BCにお茶を発見したとされています。彼は野草の研究をしていた際に、風で吹き飛ばされた茶の葉が彼の飲み物に落ち、それが飲み物を味わい深くする効果があることを発見したと言われています。

中国のお茶文化: お茶は元々、医療目的で使われていましたが、唐代(618年 - 907年)になると一般的な飲み物として広く受け入れられるようになりました。さらに、宋代(960年 - 1279年)には粉末茶が流行し、お茶の飲み方や儀式が洗練され、日本にも影響を与えました。

日本のお茶文化: お茶は6世紀に初めて日本に伝えられましたが、その後一時期衰退しました。しかし、12世紀に再び中国から伝えられ、禅僧たちによって栽培が行われました。特に抹茶は、日本のお茶文化、特に茶道の中心的存在となりました。

ヨーロッパでのお茶: ヨーロッパでのお茶の歴史は、主に大航海時代の17世紀にポルトガルとオランダの貿易商人によって始まりました。17世紀半ばにはイギリスでもお茶が人気となり、特に18世紀には一般的な飲み物となりました。
お茶と砂糖が一緒に消費されるようになったのは、ヨーロッパでお茶が広まった17世紀から18世紀頃でした。この時期は、新世界での砂糖の生産が増大し、砂糖がより一般的に利用可能になった時期でもあります。紅茶や緑茶などのお茶は、特に砂糖を加えることでその苦味が和らげられ、より広範囲の消費者にとって美味しいものとなりました。
砂糖を加えるという方法は、お茶がより広く受け入れられるのを助け、またお茶と砂糖の消費量を増やすという結果をもたらしました。特にイギリスでは、お茶と砂糖は一緒になくてはならない存在となり、イギリスのアフタヌーンティーという文化を形成する上で重要な役割を果たしました。

インドとセイロン(現スリランカ)のお茶: 19世紀にイギリス人がアッサム地方で茶の木を発見し、インドでの商業的な茶の生産が始まりました。また、セイロン島でもコーヒー農園が病気で壊滅した後、代わりに茶が栽培されるようになりました。

現代: お茶は現在、世界中で最も広く消費されている飲み物の一つであり、数多くの種類、品種、醸造方法が存在します。また、健康への利点が広く認識されるようになり、その消費は更に増え続けています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?