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小説「KISSは拳に」

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マリアの刺青を背中に背負った総合格闘家、三沢真也は、その陽気な性格とリング上での「華」。 そして格闘技への真摯な姿勢と才能で連勝街道を突き進む。  小さな団体からテレビ放映もされ… もっと読む
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記事一覧

KISSは拳に 第1話 三沢真也

 ゴングが鳴ると同時に助走からの飛び膝が炸裂した。  三沢はキッチリと脇を締めたアームガ…

SONE
5年前
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KISSは拳に 第2話 砂のリング

 三沢が格闘技の世界に入ったのは18歳の時だ。  高校時代はレスリング部に所属をしていた…

SONE
5年前
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KISSは拳に 第3話 背中のマリア

 吉原のソープランド「雅」に入ると、ボーイが三沢に笑いかけた。 「三沢さん。最高の試合で…

SONE
5年前

KISSは拳に 第4話 敗者

 パンドラスウエルター級。三沢の後輩の郷野の試合は第三試合に組まれていた。三沢は実況席に…

SONE
5年前

KISSは拳に 第5話 初恋と探究心

 肌がマットを擦る音が聞こえる。男達の耳は長年の床との摩擦によって潰れている。 「そうだ…

SONE
5年前

KISSは拳に 第6話 三沢真也 対 ボドリゴ・サンチェス

「長いな」  控室で三沢は時計を気にしながらアップを続けていた。地上波で放映されるイベン…

SONE
5年前

KISSは拳に 第7話 燃えてきた

「三沢さん。リベンジを果たしましたね」 「いや。完全にリベンジしたと思っていない。危ない試合だった」 「そうじゃ。しょっぱい試合だった」  会見場でも渋川は機嫌が悪かった。綺麗にグランドで勝つ練習をしていたのに、それを発揮できなかった事が納得いかないのだ。 しかもその怒りは、三沢に向けたものではなかった。トレーナーとして、柔術家への対策の不備と試合前の時間の使い方をしっかりと計画できなかった自分への怒りだった。 「これで、次の試合が見えましたね」  記者の一人が言った。 「次

KISSは拳に 第8話 強くなるために

「ちわーす!」  いつものようにジムで汗を流していると懐かしい声が響いた。 「おい郷野じゃ…

SONE
5年前
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KISSは拳に 第9話 三沢真也 対 エメリア・メルコフ

 メルコフとの試合の日。三沢陣営はゆっくりと会場入りした。 「ちょうど今、お前の試合の三…

SONE
5年前

KISSは拳に 第10話 勝利の女神

 イベントが終了し、誰もいなくなった武道館を後にしようとすると鶴田が待っていた。三沢は吸…

SONE
5年前
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KISSは拳に 最終話 KISSは拳に

 12月31日。その日、三沢と真理亜はリングサイドにいた。フラオ・グレイシーと青木悟の試…

SONE
5年前
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小説「KISSは拳に」の投稿を終えました

小説「KISSは拳に」の投稿を終えました。主人公の三沢真也の名前はすでにこの世を去ってしまっ…

SONE
5年前