どんなに頑張っても掴めない恋もあれば、頑張り続けて掴んだ恋もある

友人のお話です。彼は五年前からある女性に恋をしていました。彼女とは一度付き合った事もありましたが結局フラれ、そこから彼の片思いが始まりました。毎週のように彼女に連絡をしてはスマホの着信を待つ日々。時折会ってはくれますが、いつも何もなく帰られてしまったり、旅行に行こうと言ったのにドタキャンされたり。途中で彼氏までできた時期もあったそうです。要するに弄ばれてたわけです。それでも、彼は彼女を諦められず誕生日には花を贈り、クリスマスにもプレゼントを贈り、呼ばれれば平日のどんなに遅い時間でも会いに行きました。

彼と僕はとあるバーで知り合いました。なぜか初対面で恋の話を聞かされ仲良くなったのですが、彼はいつもお酒を飲みながらスマホを見つめて切ない横顔で彼女からの連絡を待っていました。

しかし、ある時から彼はお店にこなくなりました。バーのスタッフに聞くと、実はその彼女とまた付き合うことになったと聞きました。僕はなんだか嬉しくなってマスター伝いに彼を誘って、昨夜忘年会を兼ねて乾杯してきました。なんと今週のクリスマスにはプロポーズをするそうです。彼の横顔にはもう切なさはなく、喜びに溢れていました。

5年間、彼は他の女性には見向きもせずたった一人を想い、ともすれば気持ち悪いと言われるくらいのアプローチをして、弄ばれていると笑われても諦めず、頑張り続けていました。そうやって掴める恋あるんです。恋は頑張りようのないものではないかもしれない。そんん風に思わせてくれた東京の夜でした。

僕は37歳のサラリーマンです。こらからnoteで小説を投稿していこうと考えています。 小説のテーマは音楽やスポーツや恋愛など様々ですが、自分が育った東京の城南地区(主に東横線や田園都市線沿い) を舞台に、2000年代に青春を過ごした同世代の人達に向けたものを書いていくつもりです。