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商品開発ーヒット商品を生み出すときに大切なたった1つの事

商品開発に「これさえやれば売れる」というホームランはありません。あの偉大なイチロー選手でも生涯成績は打率3割。コツコツとヒットを積み重ねることで、大きな記録をいくつも打ち立ててきました。

かのスティーブ・ジョブズも、「こんなことをして何になるんだろうと思える小さな点も、あとで振り返ったときにそのつながりに気付く。点と点が将来必ずつながることを信じよう」と話をしています。

ヒット商品を生み出す手法も同じです。小さな改善を積み重ねることが、唯一の道だと考えます。では、その小さな改善の手法を上げていこうと思います。

1粒1000円ライチを生んだデータ分析

私が代表を務めるこゆ財団では、1粒1,000円ライチをブランド開発しました。新富町は農業の町なので、ほかにも牛肉や野菜など、質の高い農産物があり、選択肢はありました。

ではなぜライチに絞ったのか。それは、徹底的にデータを分析した結論だったのです。

地域のビジネスは、特に経験と勘に頼りすぎています。私たちは、ネット上で調べられる可能な限りのライチのデータを調べ尽くしました

その結果、他の地域にも質の高いものがある牛肉や野菜とは異なり、ライチは鹿児島と宮崎でしかほとんど生産されていないことがわかりました。また、鹿児島にはオリジナルのブランドがなく、やりかた次第でシェアが取れることがわかりました。

そして何より、新富町のライチ生産者・森哲也さんが手がけるライチが圧倒的においしかったこと。こうした条件が揃っていたことから、私たちはライチを選択したのです。食のビジネスにおいて「美味しい」はすべてを凌駕するのです。

ペルソナは、母親?

では、圧倒的な美味しさとはなんでしょうか。味覚や食べ物に対する価値観はひとそれぞれであり、絶対的な基準はありません。

私がいつも心がけているのは、その商品を自分の母親に贈りたいと思えるほど「美味しい」どうかです。

自分が本気で美味しいと思えるものには、覚悟と情熱が入ります。それはチームを加速させ、マーケティング力を高め、イノベーションを起こす要因になります

2019年3月に開発し、販売をはじめた新富町のお菓子「宮崎そばフロランタン」も同じです。数ある贈答品の中から好んで選び、喜んでくれる姿を想像しながら、贈りたいと思えるものをつくる。

それぐらいの情熱を持ってやれるか、おいしいものを出せるかどうかが大事です。

「物は良いけど売れない」のウソ

「物は良いけれど売れない」という声を、全国の地域でよく耳にします。果たして、本当にそうでしょうか。

いいものを作れば売れる、というのは幻想です。

ものを売るには、売る人の存在が不可欠ですが、どんな人でもいいかというと、そうではありません。

大事なのは情熱。

この商品を何が何でも売り切るんだという情熱を持った人がいなければ、ものは売れません。

では、なぜ情熱が大事なのでしょうか。

イノベーションは、たった一人の熱狂から生まれる

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こゆ財団では、生産者の森さんと一緒に、新富町で20年近くも前から作られていた国産ライチを、1粒1,000円ライチとしてブランド化しました。

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