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心に残るユングの名言

ライフプランセミナーやキャリア研修などを受けたことのある方は一度は[人生の正午]という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。心理学者のユングが残した有名な言葉のひとつです。

ユングは、人の人生を1日の太陽の動きに例え、日の出から日没までの時間を[少年期][成人前期][中年期][老人期]という4つのステージに分けました。

4つのステージとステージの間には、[転換期]という「危機」があると指摘しました。「少年から成人になるには、あるいは、中年から老人になるには、それまでのものの考え方や行動を大きく変える必要があるが、人は簡単にはそのように変化することはできない」と指摘したのです。

そして、人生の午前と午後の境目である中年への転換期、つまり太陽が真上にくる時期[人生の正午]こそが、人生最大の危機であると考えたのです。人生の正午を迎える時、人は「自分自身について」や「これからの生き方について」考えることになります。

ユングは、その年齢を40歳前後と定めていましたが、それは70年以上前のこと。現在もユングが生きているとしたら、彼は、人生の正午を50歳と定めたことでしょう。人生100年時代を迎えた今、人生の折り返し地点は50歳です。

しかし、人生最大の危機である正午は50歳前後で訪れていますが、それを自覚しながらも、今までの行動やパターン、ものの考え方や仕事のやり方を変えず、どうしたらよいのかと悶々としている方、不安を感じている方、このまま乗り切れるかも…と楽観的に考えている方と様々な方がいらっしゃるのではないでしょうか。

数あるユングの名言の中で、もうひとつ私自身の心に残っている言葉があります。

「私の生涯のうちで最もすばらしく、かつ有意義な会話は、無名の人々との会話であった。」

歳月を重ねるにつれ[人生の正午]に達します。経験値も地位も上がっていくうちにその居場所に慣れてしまい、いつの間にか「無名の人との会話や言葉」に縁遠くなりがちになっていませんか。

「無名の人との会話や言葉」=現場で働いてる人(組合員の皆さん)、お子さんや妻、夫、友人など…、それらの人々との会話の中に知恵や工夫、気づきなど学べる要素がたくさんあるのかもしれません。ユングが無名の人との会話を大切にしたように、私たちもその言葉を尊ぶことで、より豊かな学びの場を創り出すことができるのではないかと思っています。

今がちょうど[人生の正午]頃かなと思う方、先のユングの名言をヒントに、異業種の人や今まで話したことのない組合員さん、キャリアコンサルタントなどと話してみませんか。自身に有意義な会話やヒントが見つかるかもしれません。


大阪オフィス 浜本 典子
国家資格 キャリアコンサルタント

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