見出し画像

the Tiger@下北沢THREE

2月10日(土)

下北沢THREEで、the Tiger。
自主企画ライブ「TORAVEL spot.2 〜俺の話を聞け編〜」

the Tigerのライブはいい。なんというか、晴れやかな気持ちになる。
パワフルで、そして昔ながらの言い方をするなら、“ゴキゲンなロックンロール“。
ダークな側面はなく、メンバーたちの、音楽を愛する気持ち、ライブが楽しくてしょうがないといった気持ちがズドンと届く。明るいのだ。

明るいと言っても、若者たちがギャハギャハはしゃいでるといった感じの明るさではない。そういうのは苦手だ。そうじゃなくて、大好きな音楽をやっているから自然に明るさが滲み出る、メンバー4人が同じ方向・未来を見ていて、そこに希望を見出しているから明るいオーラが放たれる、そういう感じだ。

オープニングアクトには、メンバーのうち3人がサングラスをかけた謎のフォーク(?)・バンド、ザ・ドラゴンズが出演して、笠置シヅ子の「東京ブギウギ」とかストーンズの「スウィート・バージニア」とかザ・タイマーズの「税」といったカヴァーをやった。喋り多め。そのスピリットはザ・タイマーズから引き継いだものとも言えるか。メンバーたちは「これじゃダメだ、今日で解散」などとあまり手応えを感じていない様子だったが、いやいや、コンセプトを明確にして磨けば面白いものになる。楽しかったし、ありだ。と僕は思った。

セットチェンジのあとは、the Tiger。音の鳴りも歌声も、バーン!とでっかく響くのが気持ちいい。とにかく思い切りがいい。大きく開かれている。そして憂歌団「おそうじオバチャン」もアレサ・フランクリン「リスペクト」も、りんが歌えばりんの歌になる。the Tigerの曲になる。そうしたカヴァーもオリジナル曲も同列上にあり、同じようにパワフルで、同じように真心がこもっている。

そんなふうな最高のthe Tigerのライブを客数十人の小さなライブハウスで観ていて、僕は1978~1979年のRCサクセションや、2006~2007年のSuperflyを思い出していた。こんなに最高のロックンロールをやっていながら、まだたくさんの人に見つかっていない。でも単に「見つかっていない」だけのことで、見つかったら一気に動員が増えて、ライブをやるハコも大きくなる。僕にはホールで何百人もの観客を湧かせているthe Tigerの絵が見える。大きなステージを駆けて歌っているりんが見える。そして実際そうなったときに自慢しよう。あの頃のthe Tiger、観てたんだぜ、と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?