Mars89、あらかじめ決められた恋人たちへ、いとうせいこう is the poet@下北沢Flowers Loft。

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2020年2月2日(日)

下北沢駅前のビル地下にできた新しいライブハウス、Flowers Loftのこけら落としで、出演はMars89、あらかじめ決められた恋人たちへ、いとうせいこう is the poet。

会場の入り口には「YOU ARE FLOWERS ON THE ROAD」という文字と矢印のネオンがあり、イベントタイトルは「路上に花を咲かせよう」というもの。いとうせいこうさんのツイートによれば、これは「デモ隊の諸君、君たちは路上の花だ」という詩から取ったものだそうな。せいこうさんは2011年に新宿の路上で「君たちは路上の花だ」と群衆に呼びかけ、次の7インチ『怒りを吠えるけもの』にもこの言葉を引用されている。

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オープン日ということもあってか会場に入るとたくさんの花が飾られ、いい匂いがした。ミュートビートの『Flower』がながれていて、そのジャケが壁にかかっていた。オープンして初めにかけるのはこれしかないと運営スタッフの方が決めておられたのだろう。また、壁には「NO WAR」のプラカードがあり、そしてステージの左右にも大きな花が飾られてあった。Flowerの意味は、ここに書くまでもない。

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入ってすぐのところにバーカウンターがあり、ドリンクは紙コップではなくガラスのコップで提供された。これも意思あってのことだろう。フロアはというと奥行きはなく、横に広がった感じ。キャパはスタンディングで250名だそうだ(そんなに入るのかな? という印象)。

まず、Mars89のDJ。自分がやっているのはレベルミュージックだと言い、じゃがたらの音楽・歌詞・スタイルが好きで影響を受け、トム・ヨークが彼の音楽を見つけてプレイリストにセレクトし、UNDERCOVERのパリコレでのショーへの楽曲提供なんかも行なったDJ/コンポーザー。気になっていたものの観るのは初めてだったんだが、低音とノイズの混ざり具合が暴力的ながらも美しく、抽象的ななかにも伝えんとするものがはっきりあるのがわかり、絵を見ているようでもあって痺れた。

↓Mars89のインタビュー。じゃがたらのことも話している。

Mars89が終わっての転換時には、じゃがたらの『南蛮渡来』がかかっていた。そして、続いてはあら恋。久しぶりに観たんだが、やっぱり凄かった。あれだけ長く活動を続けていても初期衝動が少しも薄まらず演奏のあり方にそのまま出ているのがスバラシイ。

あら恋が終わってからの転換時には再びミュートビートが流れ、そして最後はいとうせいこう is the poet。痺れるダブにのせて放たれる言葉の威力。昨年も何度か観たけどさらに進化しているよう。

じゃがたらが好きなMars89と、ミュートの何かを受け継いでいるあら恋と、その両バンドが出ていた80年代の「Tokyo Soy Source」の場にいて先週のJagatara2020公演にも出演されたいとうせいこうさんがステージにいて、ライブの合間にミュートとじゃがたらのレコードがかかり、南流石さんや吹越満さんが観に来られてもいた、そんなこの夜。それはだから、先週月曜のクアトロのJagatara2020「虹色のファンファーレ」から続いている…そう、まさに「つながった世界」だった。


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