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杏沙子@渋谷wwwx

2021年9月23日(木・祝)

渋谷wwwxで、杏沙子2MAN LIVE「mix juice 〜1st order〜」。

彼女にとって実に1年10ヶ月ぶりとなる有観客ライブであり、それは珍しく2MAN形式。ゲストとして招かれたのはcinnamonsというポップトリオ(ヴォーカル、ギター、ドラム。サポートでベース入り)だった。

前半はcinnamons。1曲杏沙子が加わって、両者ともに影響を受けたというYUIの曲「HELLO」を一緒に。

セットチェンジ挿んで後半は杏沙子。バンドが一新され、ギター、ベース、鍵盤、ドラムと、全員女性。ベースはなかむらしょーこちゃんで「おおっ!」となる。鍵盤がejiさん、ギターがひぐちけいさん、ドラムが山本まきさん。よって、これまでのライブとはサウンドの印象が大きく変わり、ロックバンドっぽい出音と感じられる部分も。絵的にもよく、これはこれでとてもいいじゃないか!と思えた。特に「Look At Me!!」などは、しょーこちゃんのぶっといベース音がブンブン鳴って、ロック味の増した印象。杏沙子もここぞとばかりに弾けていた。

一昨日配信されたばかりの新曲「負けたんだ」がオーケストラルサイケデリックポップとも言えそうな斬新なアレンジで「これは新しい!」と聴いたときにかなり驚いたんだが、この曲、ライブにおいてもその強度は失われることなく、やはり新章を感じさせた。そこから続けて「見る目ないなぁ」。「負けたんだ」といい、こういう自虐的な歌詞に彼女の個性が濃く表れる。最後は「花火の魔法」で、夏が終わった実感が高まった。

杏沙子は、こうしてお客さんの前で歌えるということの喜びがダダ漏れていた。無観客配信ライブやインスタライブは何度かあったが、有観客は何しろ1年10ヶ月ぶりなのだ。「もちろん配信のライブも楽しかったけど、私はこうしてみんなの前で歌いたいから歌手になった」「やっと息ができてる。”水を得た魚”って言葉、今使うのが一番いいタイミングだと思う」と、そんなニュアンスのことを自分でも言ってた通り、まさしく水を得た魚のように歌って動いていたし、表現力もまた増してるようにも感じられた。そして「今日は泣かないって決めてるから」と言っていたのに、後半ではやはり感極まる場面も。どれだけこの日を待ち望んでいたかが痛いほど伝わってきて、観ている自分もちょっともらいそうになった。

11月には関取花さんを迎えての2回目の2マンライブも決定しているとのことで、それはアコースティック表現になるそうだ。とにかくいろんな意味で新章がスタートしたのだなと、そう感じたライブだった。ここからだ!

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