2024年3月30日(土)

日比谷野外音楽堂で、AJICO。

新作収録曲のタイトルじゃないが、まさしく「あったかいね」と言いたくなる、よく晴れた土曜日。この日は昼間からずっとベンジーのその言葉が頭のなかで反復されていた。

野音、満杯。立ち見の人もたくさん。そんななかで始まったAJICOの初の野音公演。ツアーの途中なので曲名は書かないでおくが、1曲目で「うわっ、いきなりそれやっちゃうの?! 」となり、2曲目で「うわっ、もうそれやっちゃうの?!」となった。出し惜しみなし。今回のライブは初めっからやばい。

ミラーボールが回って、今回はかなり踊れるライブ。インタビューした際にベンジーが「みんなで踊りたいね」と言っていたが、まさにそういう開かれたノリがある。

スーパーヴォーカリストとスーパーギタリストとスーパーベーシストとスーパードラマーとスーパーな鍵盤弾きがひとつになったスーパーバンドだ。そのアンサンブルは超絶素晴らしい。いま自分はものすごく贅沢なライブを体験しているんだという気になる。

雨雲を連れてくる女と言われていたUA(雷と豪雨でえらいことになった伝説の野音公演というのがかつてあった)は晴れ女へと変わり、音楽に合わせて常に自由にカラダを動かしていた。晴れの野音と彼女との相性は抜群だと感じた。ベンジーは自然体で、ギターと歌はもちろん、MCの一言一言がみんなを楽しませた。リズム隊のどっしり感はこれぞAJICOで、とりわけTOKIEさんのベース音の凄さにビリビリしびれた。

オーセンティックなロック、だけど、時代と合った2024年のロック表現、2024年のライブ表現が成されている。20数年前の曲であってもやはりそう感じる。会場には昔からのベンジーやUAのファンと思しき40代や50代の方がかなり多く集まっていたようだが、20代とかの人にももっとこのロックを体感してほしいと思ったりもした。

インタビュー記事で出ていることなのでこれは書いていいことと受け止めて書くが、ブランキージェットシティの曲もやった。その爆発力が凄かった。2024年に野音でブランキーの曲が爆発力を伴ってリアルに響く。凄いことだと思う。

アンサンブルは素晴らしく、終盤の爆発力は凄まじく。そして UAとベンジーのMCのやりとりは楽しくもあたたかく。2024年のAJICOはあらゆる意味で過去最強だ。

↓『ラヴの元型』について、UAとベンジーにインタビューしました。ぜひ。