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ある弁護士のキャリア形成〔3〕-「弁護士の7・5・3」との出会い

弁護士登録をしたのが2008年12月で、TMI総合法律事務所に入所したのが2009年1月。

弁護士登録は二回試験の合格発表直後で事務所への入所は年明けからというのが一般的なスケジュールだったように思うが、私が入所した年は、リーマンショック直後の年だった。

その年、いくつかの外資系法律事務所は日本から「撤退」したという話を聞いたし、ファイナンスに関する仕事は激減していた時期だったと思う。

不景気のなかでも駆け出しの弁護士1年目は仕事で(というよりも慣れない仕事に四苦八苦して無駄な作業をしていたと言った方が正しいかもしれないが・・・)毎日、深夜まで残っていた。

そんな毎日のなか、事務所の帰りに「赤のれん」に寄ってラーメンを食べるのが数少ない平日の楽しみの一つであった。

事務所のある六本木ヒルズが面している六本木通りを西麻布の交差点方面に向かうと「赤のれん」という朝方までやっているラーメン屋がある。

その「赤のれん」にはヒルズに勤務する外資系金融マンが深夜に数多く来ていて、横や後ろで〆のラーメンをビールとともに流し込みながら暗い将来の話をしていたのをよく覚えている。


世界中が暗いどん底に落ちている年に弁護士としての1年目が始まったのである。

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