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リアルを思い出に変えるために〜那須の風呂にて

背中が痛い、今何時だろう。鳥の囀り聞こえているような。0.1もない視力で障子の向こうを伺う。

きっともう朝の部類だ。起きて眼鏡をかけてダイニングへ。朝の5時。睡眠時間約6時間、わたしにしては十分な睡眠時間。

しばらくインスタの無添加食品情報を見てしまった。いけないいけない、洋書を取り読み始める。
黒人社会を描いた作品、書き手も黒人、そのせいか見慣れない表現が多い。教科書の文法とは違う。
途中肌寒くてお風呂のお湯を捻りに行き、40分ほど読んで今日の洋書読みはおしまい、お風呂場へ。

この別荘はとても古いので、浴槽の蛇口を捻ると温泉が出てきます。那須湯泉大明神のご加護もあるのかどうどうと熱々の温泉が出てきます。雨の後は濁ったり、その時の火山活動の具合なのか黄土色の湯の花が出まくる時もあれば、ない時も。

熱くなりすぎたので水を加えて適温にして、お湯に浸かりました。熱めだけど気持ちがいい、そうだ、瞑想というのをやってみよう、目を瞑って何も考えない考えない耳だけ済まそう考えながら(←考えてる)、気がついたら普通に目を開けて瞑想してることすら忘れて考え事をしていました。だめだこりゃ(-。-;

突然、昔見た映画「ガタカ」を思い出しました。イーサン・ホークとユマ・サーマンが演じた近未来の世界が描かれています。遺伝子操作されて生まれてきた「適正者」が組織する社会で、自然であることを求めた両親の愛によって生まれてきた主人公は「不適正者」として劣等感に苛まれながら生きています。宇宙飛行士になりたい、だけど宇宙局ガタカに入るには適正者でなくては入れない、そんな彼はある手を使って適正者になりすましガタカへ。自分が不適正者であることを隠すために、好きな女性と夜を過ごした後、裸のまま外の海岸に出て砂で身体を擦るシーンがあります。自分から出る垢で身元がバレるのを防ごうとしたのか。

25年以上前の映画ですが、近未来なのにどこかレトロな雰囲気があり、当時まだあまり知られていなかったジュード・ロウも出ていてかっこいいし演技もよく、好きな映画の上位でした。のちにDVDを購入したまに観ました。

そういえばあのDVDどこにあるかな、でももうプレイヤーが壊れているから見れないな。と残念に思いながら、物を処分しまくっている今、それでいいのかもと思いました。

良いものを見たり聞いたりすると、それを再現すべくDVDやCDを買う、パンフレットを買う、お金は減るし物が溢れていく。
もう先はそんなに長くない、時間は限られている。身軽になって記憶の中の映像を楽しむのでもいいのかもしれない。日々音読に励み本を読み文を書いていれば、鮮やかに記憶を残す脳もまだまだ鍛えられることでしょう。

那須湯泉大明神さま、稲垣えみ子さま、お導きありがとうございます。

これを書いている途中、仲の良いわたしより大分若い友達の声が聞こえてきました。
「アマゾンプライムで見ればいいじゃん」
ンググ!テクノロジーは時には無粋なものだナア。

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