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絵と声のコラボレーション~図書ボランティア

息子が小学校を卒業しましたが、図書ボランティァの読み語り部で引き続き活動しています。

風邪騒動の間、子どもたちに直接読み語りをするのは取りやめとなり、書画カメラに絵本を写して傍らで読んで撮った映像を学級で使ってもらうスタイルでした。
今年度からようやくクラスに入っての読み語りができるようになり、月一回の割合で朝8時に学校に行き、授業が始まる前の15分間で子どもたちに絵本を読んでいます。

昨日はわたしは特別支援学級での読み語りをする予定でした。
「特別支援学級」、通常の学級だと何かしらの事情でやりにくさがある子たちのクラス。その学校によって受入れの幅があるようです。詳しくありませんが、知的なこと情緒のこと、身体的なことかなと思います。

複数の学年でひとクラスになっているし、理解の程度は人それぞれ。どんな本を選べばよいだろう。過去にそのクラスを担当した人の記録を見ると、集中力が続かない子もいるので、長い本を1冊より、短い本を複数読んだ方が良いようです。
感覚が鋭い子が多いだろう、と思い、字が少なくて絵が印象的な本を2冊選んで行きました。

スズキコージさんと荒井良二さんの絵

「ブラッキンダ―」スズキコージ:作・絵
「空の絵本」長田弘:作、荒井良二:絵

「ブラッキンダ―」は途中から何度も、文の後に「ブラッキンダ―」という言葉が入ります。子どもたちにその部分を言ってもらうようにお願いしました。

「わたしの声に負けないくらい大きな声でお願いします!」

子ども用の椅子に座ったわたしを取り巻くように床に座った子どもたち、1回練習したら大きな声で言ってくれました。

絵が印象的なスズキコージさん、ページをめくると子どもたちの反応があるのがわかります。息をのむ音、「わあ!」という声。
ブラッキンダ―多発ポイントに来ました。

わたし「すてきなふねでしゅっぱつしゅっぱつ!のりくみいんは ふたりあわせて」

みんな「ブラッキンダー」

ジェスチャーしたらばらばらと言ってくれました。

わたし「よるのそらを とんでとんで⤴」 
続けて、と言わんばかりに語尾を上げます。

みんな「ブラッキンダ―!」
こつがわかってきたようです。

わたし「よるの みずうみに ポチャンとおちましたね⤴」

みんな「ブラッキンダ―!!!!」

大音響となり、他のクラスで読み語りをしている仲間に後で謝らなきゃと思うほど。たった10数人、教室を揺るがさんばかりの声に震えを感じました。

読み終わったら「超面白い」「楽しい」という声が聞こえてきて、次の本も聞く態勢です。

「空の絵本」は荒井良二さんの絵がとても美しい絵本です。
文字はすくなく、「だんだん」という表現が多用され、天候の移ろいによって読み方に変化をつける練習をして臨みました。

こちらも絵に反応してくれています。字を追うのでチラッとしか見れませんが、肌で子どもたちの集中を感じます。

とても純粋で繊細な子どもたち。ブラッキンダ―のときの賑わいはなりを潜め、絵と声を楽しんでくれました。

「ありがとうございました」と毎回子どもたちに挨拶されますが、今回はどの回よりも自分が深く深くお礼を言いたい読み語りでした。

選書に悩み、保育士の友達に相談したり、息子にも何冊か読んで感想を聞いたりした、いつもより準備に時間がかかった読み語り。
結果、美しい絵と声の響きに助けられました。

図書館で借りてきた複数の絵本を息子に読んでいたら、中学生なのに「ブラッキンダ―!」とひとりで応じ、「これも読んで」とほかの本を指さしました。赤ちゃん時代と一緒。ひたすら読み聞かせた思い出に浸りました。可愛かったなあ。
まだ絵本を読んでもらって楽しい様子。そっぽを向かれるまで絵本を読んでみよう。



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