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女教皇を想う

女教皇のカードは実に興味深い。
女帝と隣り合わせで常に比較をされている気がしてならない。
完全なる個人的意見だが「女帝が華やかすぎる」

まぁ、このタロットヲタクの心配も当の「本人たち」は気にしてはいないだろうがw

女教皇の色香


女教皇には「何か隠された女性の匂い」が漂ってくる。
処女性と言おうか?
女であることを頑なに隠している感じがしてならない。
しかし、女性としての色香は感じ取れる。
そうだ!
女帝よりももっと、もっと深い「女」を持っているんじゃないか?
きっと裏側に何かあると思う(これも完全な個人的意見)
私がここまで、惹かれる女教皇にはどんな物語りがあるのだろう。

歴史から消された⁈女教皇


女教皇とは誠に不思議だ。

カトリック組織で最高権威の「教皇」は女性が選ばれることはない。
なぜなら司祭はすべて男性なのだから。

女教皇ジョアン(ヨハンナ)の伝説がある。
※聖女ジャンヌ説という表記もあり。
13世紀のポーランドの年代記作家、マルチヌスの記述によると、ヨハン・アングリクス(ヨハネス8世)は女性であったと言われている。
(記述から在位は855〜858年の2年7ヶ月とされる)

修道士に恋をしたヨハンは男装をして修道院へ入ります。
修道士とヨハンは共に諸国を巡礼し、学問に研鑽。修道士(恋人の関係になっていた)の死後は多くの弟子を抱えて講義を行なった。
ヨハンの学芸能力は大変優れていて「ヨハンを教皇に」と望まれるようになった。
そして遂にヨハネス8世として教皇の地位に上り詰める。



しかし、悲劇が起きる。
在位中にヨハンはスペインから来たベネディクト会(カトリック教会最古の修道会)の修道士と恋に落ち、彼の子を身籠もってしまう。
そして教皇行列の最中に産気付き、出産したことから女性であることが白日の元に曝け出されてしまう。

これは歴史上事実ではなく、あくまで「伝説」とされているが、マルチネスをはじめ13世紀の年代記作家の何人かが詳しく記述を残しており、一時期、ヨハンの実在が信じられるのだが、16世紀以降は単に伝説とされている。

歴史に女性教皇が在位した記録はないが、民衆の間では人気が高く、ずっと語り継がれていくことになる。

女性教皇ヨハンを想う


まさか行列で出産するとはヨハンも思わなかったろう。
ひっそり産み落とし養子に出す計画もしていただろう。
相当な覚悟だったと思う。
正確に出産予定日がわかる時代ではなかったのだが、まさか行列で出産するとはヨハンも思わなかったろう。
想定外が起こったと言ってしまえばそれまでだが。

このことで女性であることが曝け出された訳だが、ある意味、ヨハンにとっては耐え難い重荷と性別を隠す罪悪感から解放されたのではないか。
「伝説」ではあるが、少しでも良い方向へ考えたいものだ。


男装の麗人の恋は厳しくも悲しい。
そして、とても激しく深いものだと痛感する。

ヨハンが女性であったこと、教皇行列で出産など「聖職者としてダーティーなイメージで歴史上から消されたかもしれない」とヲタクは今日も妄想してタロットを楽しむのである。


《参考文献》

タロット大全


鏡リュウジの実践タロット・リーディング もっと深く占うための78枚 

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