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SmartHRを退職しました。


9月の最終日となる本日をもって、株式会社SmartHRを退職しました。

在籍した時期でいうと、2016年8月半ばから約3年です。SmartHRでの時間は毎日が目まぐるしく楽しく、時に広報という看板を重く感じながら過ぎていきました。

狭く濃い空気が流れるスタートアップの世界で、何者でもない私が、かなり早いスピードで、たくさんの眩い景色を見ながら仕事ができたことは、これからの人生でも大きく作用するであろう、かけがえのない経験です。
忘れたくないことをここに残しておきます。


入社のとき

SmartHR(当時の社名はKUFU)に初めて訪れたときは、広めの1LDKのマンションで、壁にはボルダリングやサービスカラーが施された一室でした。
「ここは会社なのか?」と思いながらも、物怖じしない性格が幸いし「私がSmartHRを一番広められるはずで、どうしてもやらせてほしい」と言って、2016年の夏から働きはじめました。それから約3年、SmartHRで広報をしてきました。

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様々な変化〜退職

3年の出来事を飛ばしますが、今回なぜ退職するかというと、会社の成長期・変遷期にあることと、私の気持ちの変化にあります。
長らく “SmartHRを広めるのは私の使命” とまで感じていたのが、半年前くらいから「私じゃなくても良いかもしれない」。そこから「私じゃないほうが良いもしれない」と変わっていきました。

初期から手放したくないものや変化できない部分を持ってしまった私は、もう1人では無理だなと感じて、一緒に働きたい尊敬する3人に声をかけました。

誰なのか忘れたくないので書き留めておくと、1人目は「これから海外で挑戦したいことがある」、2人目は「自社で成し遂げてないことがある」、3人目は「荷が重い......」という理由で、フラレてしまいました。

ここから採用となるとまた時間がかかります。
モヤモヤしたまま続けるのも情けなく、気持ち悪くなってきました。私は環境をリセットし、会社には新しい空気を生み出すチームを作ったほうが良いんじゃないかと思うようになりました。

当然サービスが好きなのは変わりませんし、もう少しこの景色を見ていたい気持ちもありましたが、私も徐々に息切れ状態になっていました。


評価される場所

SmartHRでの経験のおかげで、「ウチにきてくれないか」と声をかけていただけることがたまにありました。その中から、私が広報をしたいと思う “社会的に意義のある・市場の大きい・革新性のある”サービスを提供している何社かに話を聞きにいきました。
逆に「この会社の話を聞いてみたい」と思った時には、DMを送って会ってもらうこともできました。
こういった機会を経て、評価してもらえる場所を見つけられたことも退職する理由のひとつにあります。


思いがけない仕事

忘れられない出来事は数え切れないほどありますが、なかでも感慨深い仕事をひとつ残しておきます。

働き方改革やHRテクノロジーが世の中ごとになった時、経済産業省もまた、その領域に力を注いでいました。社内の動きを見ながら、経済産業省とSmartHRが同じ目線でメッセージを発信できないかという想いを持って、私の手はすぐ動いていました。
「経産省OGの渡邊と申します。伊藤参事官いらっしゃいますか。」

当時、国として働き方改革の舵取りを担っていた伊藤参事官に、私の入省〜これまでの経歴・SmartHRについて・行政手続きのオンライン化を本気で普及させたい、そんなことを3分くらい電話で話したと思います。

「君がそんなことをやっているなんて嬉しいですよ。いらっしゃい。」
こういう人たちがいる役所だったことを思い出して胸が熱くなりました。伊藤さんは快く提案を受け入れてくださって、代表・宮田さんとの対談が実現しました。


3年で与えてもらったこと。

広報において、インパクトをもつ結果を残すことは難しく、その結果も測定できないもどかしさを感じたり、時には、いま未来を作っている感覚に緊張感を持ちながら、日々SmartHRに向き合ってきました。

SmartHRが一気に成長し、小手先の手法では太刀打ちできず、打てども打てども響いた実感のない期間が長かったこともありました。それでも続けられたのは、SmartHRの可能性を信じてやまないことと、自律駆動の組織において裁量を持たせてもらえる環境のおかげでした。

自分のやるべきことを考え抜いて決めることができ、言葉が自然と力をもち、伝えたい層に「伝わる」という広報のおもしろさ。もしかすると、社会に一石を投じられるかもしれない。
そんなことを思わせ、経験できたSmartHRには今、とても感謝しています。


最後に、0どころかマイナスからのスタートだった私に、“広報ってこういうこと” を教えてくれ、色々な景色を見せていただいた宮田さんには、尊敬と感謝の気持ちで溢れています。

SmartHRのメンバーには、たくさんの無茶なお願いをきいてもらい、いつも真剣に相談にのってもらえました。みんなの力なしに広報のミッションは果たせず、このメンバーでなければSmartHRの文化はつくれなかった。今いるメンバーとこのフェーズを経験できたことにも、とても感謝しています。
本当にありがとうございました!

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