「クラシックは廃れない。ここを学ばずして、スタイルはありません」「デザイナーの名前や値段にとらわれるのではなく、自分の気持ちに触れるものをぜひ手にとって欲しい。」とは、老舗洋品店「信濃屋」顧問の、故・白井俊夫さんのお言葉。
白井さんを偲ぶ会へ。
横浜・馬車道の老舗洋品店「信濃屋」顧問の白井俊夫さんが今年1月、85歳で亡くなった。英国やイタリアなど欧米の有名ブランドを数多く紹介し、日本の紳士服業界を牽引してきた。長年の友人で服飾文化研究家の赤峰幸生さんは「紳士服業界の開拓者だった」と悼んだ。
上の文章は こちらの記事から抜粋しましたが
先日、 文中にある赤峰さんをはじめ、生前 白井さんを慕っていた方々が、信濃屋さんに集まり、白井さんを偲ぶ会が開催されました。
「白井は自分のスタイルがはっきりしていた。流行にとらわれず、長く着られるものをめざしていた。その流れは今の信濃屋でもかわらない」
とは、84年に信濃屋に入社した仕入部長の八木美樹さんの言葉。
白井さんから仕事を学び、イタリア出張にも同行されたそう。(朝日新聞デジタル本文より抜粋)
店内には、白井さんを偲ぶ思い出のお写真や、愛用されていた物が並ぶ。
他に例を見ない、日本で唯一無二のクリスマスパーティー
信濃屋さん主催のクリスマスパーティーは、クラシック&エレガントでありながら とても「自由」な大人の会だった。
上のギター展示からの流れからお話しすると、毎年、信濃屋さん主催で開かれていたクリスマスパーティーでは、白井さん&お仲間の皆様のカントリーミュージックと共にあり、それが実に軽やかで楽しく、余裕を感じさせて貰える時間だった、ということ。
こんなこともあった。
鹿鳴館ドレスを纏った記憶
鹿鳴館バッスルドレス・赤いドレスは 政近さんに着て貰うのがいいんじゃない?
と、仰ってくださり
創業150周年・横浜信濃屋さん、クリスマスパーティーにて信濃屋さんが再現された鹿鳴館時代のレトロ服を、着用させて頂くという絶好の機会に恵まれました。
白井さんにオファーを頂けるなんて、光栄すぎて、この日の思い出は一生
忘れることはないでしょう。
なので、偲ぶ会では、参加者の皆様がそれぞれに白井さんとの思い出を語って、動画に収められたのだが、私はこの日のことを主にお伝えさせて頂いた。
クリスマスパーティーの様子色々。
その存在だけでファッションの歴史を感じられる大先輩方が一同にお集まりになる唯一無二の社交場だった。
信濃屋さんのクリスマス会は、私自身の思い入れが強すぎて(どんな仕事や用事があっても、最優先にしてきた分)
写真を並べているだけで じーんとしてしまう、、。きりがなく画像や思い出があるので、今回はここまでとして、またこのような大人のパーティーが再開されることを祈るばかり。
白井さんあってのパーティーだったことは百も承知とはいえ、歴史と文化を感じる社交場には、心から潤いがありました。
再現していくような「場」を遺された大人たちで創っていけたらいいですね、という会話もあった 偲ぶ会。
生前沢山可愛がってもらったという今野さんの思いは、本当にピュアで
白井さん愛に溢れている。偲ぶ会でも白井さんから引き継がれたというお品が鞄の中いっぱいに収められていました。
河合正人さんは、FROWRES・ジャパニーズダンディーを手がけられた方。河合さんが、きっかけとなった白井さんとのご縁&思い出を、本日のラストとしましょう。
そして、「ジャパニーズダンディー」。
出版記念パーティーでご一緒して頂いたショットは宝物。
このときの様子を、綿谷 画伯がイラストに。ジャパニーズサプールと書かれていますが(汗)嬉しいことに白井さんのお隣に描いて頂いている。
粋な女性たちのご参加が華を添え、とても艶やかなパーティーだった。
こうした紳士服業界での社交を数多く経験させて頂けたことは、
その中心にいつも白井さんのお姿があり、関係する多くの方々が白井さんのファンであり、敬意を示していたからこそ叶ったことだったのだと、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
女性である私が、紳士服の本を出版してきたことも、こうした学びがあったからであり、初のメンズ本を出すときには、世の中から冷ややかな目もある中(女性が紳士服を語るには、厳しさがある時代でした)
本当に喜んでくださったこと
信濃屋さんに本を数十冊も置いてくださったこと
このご恩は一生涯、忘れません。
いつも、いつだって「頑張っていますね、横浜にお越しくださいね、お話しましょう。」と励ましてくださった大きな器と優しいお人柄、誰がどう真似ても、決して白井さんにはなれない、その洗練されたスタイルを思い出しながら、やっと、noteに記すことができました。
心からのご冥福をお祈りすると共に、亡き今も、大切な方々とのご縁をつないで頂いていることに、感謝しかありません。
偲ぶ会の帰り際、白井さんのお気に入り、というお菓子を持たせて頂き、今、コーヒーを飲みながら、味わっています。
白井さんの思い出と、共に。
どうぞ安らかに。
八木さんをはじめ、温かいお出迎えをして下った信濃屋さんの皆々様方
本当に、ありがとうございました。
悲報の記録・および信濃屋さんについてなど。
白井さんインタビュー 信濃屋HPから
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