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Dumyy Lou(ダミールー)1st.ミニアルバム『The Dumyy Lou』の感想を語り尽くす

懐かしい…そしてちょっとクサい…
ライブハウスに通いつめていた頃を思い出すような…
何より最高に気持ちいいな……
今どきロックンロール、「ベイベー」とか「ツイステンシャウ」とか、コーラスで「フーフー!」なんて、こんなにストレートな音と言葉で聴いたのは久しぶり。重厚なロックやパンクの要素もあって全く飽きない。
なんなんだろう、何ひとつ余計なものがないこのクリアで痛快な感じ。
このミニアルバムを何か物体に例えるなら、それは色鮮やかで輪郭のハッキリしたもの。
あまりにも真っ直ぐに私の身体を貫いていった。

“ROCK HOMIES” Dumyy Lou

ヴォーカル/ギターのモウリケイタが率いるDumyy Louは、“ROCK HOMIES”という、メンバーにとらわれない「ロック好きはみんな家族」というスタンスの集団。
(HOMIESは造語で仲間や家族を意味する)

1st.ミニアルバム『The Dumyy Lou』
2023年3月29日 配信リリース
3月30日にはレコ発ライブでCDも発売された

見て…この“無難でみんなが大好きなもの”を喰らい尽くしてやるみたいな顔… (個人の解釈)

ヴォーカルの魅力

私個人はクセが強いヴォーカルは聴く時に気になってしまって、うーん となってしまう時がある。た行の“た”が、“つぁ”になっている具合のあのクセ。
モウリケイタのヴォーカルにも随所にそれが見られるが、……どうしたものか、全く気にならない。後から気づいたレベルの馴染み方だ。ロックンロールだからか?彼のハイトーンと歌詞と楽曲に自然とマッチしている印象。
怒鳴るように歌ったかと思えば、時にスイートだったり、泣き崩れそうだったり、表情が豊かなところも魅力的。声を張り上げるゆえ、たまにひっくり返るところもむしろ味になっていると感じた。

若く真っ直ぐな歌詞

青い……。とても青くてエモくなる…。
十代から大人になる、なりきれない、なりたくない、なれるかな、変わってやる…、そんな感情を放っているような歌詞は、ワードがシンプルでわかりやすい。それでいて、聴くほうに少し想像させる余地を感じたりもする。
クソ生意気で止められない衝動、淡い恋、葛藤、憧れと夢が、表情の違う6曲に散らばっている。とてもカラフルで、聴く人によってお気に入りの曲が分かれそうだ。

痛快で分厚いサウンド

まるで、すぐそこでライブ演奏しているかのようなシンプルでダイナミックなバンドサウンド、そこにピアノやタンバリン、クラップやコーラスなどのスパイスがこぎみ良く混ざってとても気持ち良い。各楽器のアプローチも、聴けば聴くほどクセになるポイントが山ほどある。この曲にはコレしか無い というような、楽曲を何倍にも輝かせるアレンジがハマりにハマっている印象。
全6曲で18分という走り去るような短さは、すぐさまリピートしたくなる。

個人的好きポイント

①空前絶後のジェネレーション
2番の押韻が楽しい。語りの最後「それでお前は手にしたのか自由を!!」は毎回一緒に叫ぶ!「Ah〜〜〜」とか「Woohoo!!」とかいうコーラス、ゴキゲン極まりない。

②Dancing.19
アルバムを初めて聴いた時に一番どハマリした曲。鬼気迫るようなラップ調セクションのシメ「Ready steady go “Ooh!!”」、、…は?!何今の声、“Ooh!!”?!気持ち悪さすら感じるこのヴォイスの部分だけを、恥ずかしながら何度も繰り返し聴いてクセになった。ギターもかなり狂ってる、これはヤバい、もう踊るしかない…。

③My Life is Rock'n' Roll
はい、イントロおしゃれ、優勝。ものすごく広さを感じるリバーブ感が爽やかでたまらない。呼応するコーラス、ギターの王道感、これこれ!珍しくフェードアウトで終わるこの曲、夢と願望とちょっとの切なさが余韻となって続いていく感じで愛おしい。

④アイボリー、
歌詞、大好きだ。特に「ねぇもっと見えない内側を〜」からの部分。一人称が“僕”でスイート&キュート…。すごくかわいい歌だ。コーラスがとても良くて、いつもそっちを歌ってしまう。

⑤葛走とライター
「教えてよ 何が悪かったの?」もうここで胸がギュッとなってしまう。“葛走”という単語を造ってしまったことがまず凄いし、歌の焦燥感のイメージに合いすぎている。偉い人、“葛走”を広辞苑に載せてください…。
1番の、静けさに入ってくるドラム(特にスネア)が好き。

⑥TEEN AGE
ヴォーカルのパフォーマンスがとにかく最高。エネルギー爆発!絶叫!ろろろろろろろろワァ!!! (聴いたほうが早い) ライブでぶちあがりMAX!!!


Dumyy Louのヴォーカル/ギター、現在若干20歳のモウリケイタを初めて見たのは、2022年12月に行われたOIKOS MUSIC主催のライブだった。
すでに活動している所属アーティスト達のステージが終わり、新人アーティストのお披露目という形で登場した彼が、真剣な眼差しで放った印象的な言葉がこちら。

「今日5組のアーティスト出たと思うけど、俺はこんなもんじゃねーぞ……俺はこんなもんじゃねーからな!今日の中で一番最高のライブして帰りますよろしくどーぞーー!!」

このライブの時は、まだ“サポート”という位置であったバックのバンドメンバーからも、サポートと呼ぶには余りある熱量を感じた。
モウリケイタというソロアーティストというよりは、完全にロックンロールバンドのステージという印象。
今思えばこの時すでに、ROCK HOMIESという小さな炎が生まれていたように感じる。
そしてその炎を起こしたのは、モウリケイタの「ロックンロールで世界変えてやる」という熱い思いなのではないかな と。

『The Dumyy Lou』
私の中ではもう、1st.ミニアルバムにして名盤になった。

Dumyy Lou

『TEEN AGE』MUSIC VIDEO

ここまでお読み頂き有難うございました。

(この記事は個人の感想文です。筆者の個人的な感覚から生まれる感想であり、決して作品を決定づけるものではありませんことをご理解頂きたく思います)


Junko
Twitter:@junkomusic_ily

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