#闘病レポ03[セカンドオピニオンと術前]。納得感は、不安と向きあう武器になる

膵臓を切る手術が決まって実施まで1ヶ月半ほど。突如不安に駆られて泣いたりしました。人生初手術、難易度も高い。病院や先生選び、手術方法、その後の生活…不安でいっぱいでした。手術後が想像できなくて先が見えなかったのです。ただその期間のなかで、不安との向き合い方に自分なりのコツがみつかりました。

治療への納得度と不安は反比例する。

不安を減らすために、やってよかったことがあります。当時は整理できていたわけではないですが、患者側にできることにフォーカスして、治療に対する納得度を高めることです。※あくまでも個人の経験に基づく考え方であり、正しいということではありません。ご留意ください。

納得度を高めるためにやったこと
1:病院・医師の検討
2:セカンドオピニオンの活用
3:新病院への訪問
4:術前検査

治療方法に正解はないし、この方法がすべてではないです。でも、少なくとも納得解にたどりつけると治療への勇気がわきました。その際には、家族・親しい友人に不安を話し大いにアドバイスをもらいました。自分の状況や判断を客観視する為にも周囲に話すこともおすすめです。

納得解をえるためのステップ。

手術の成功確率を高めるため、結果的に病院を変更しました。その決断をするために、どんなステップを踏んだか、整理してみます。手術予定の方にむけて、ひとつの事例としてお役に立てれば嬉しいです。超初心者的な内容なので、何度か受けた方は参考にならないかもしれません。

ステップ1:病院・医師の検討

ネット上の検索と知人ツテで情報収集しました。そのふたつは、後になって見ると情報の活用先が異なっていたように思います。

闘病体験談ブログの検索
同じ病気の人の体験ブログを読みました。闘病記は「闘病」カテゴリが存在するアメブロが充実。治療の経過や合併症など、患者視点で起こりうることを知ることができました。
他の複数人と担当医に提示された治療方針と照らし合わせたり、症状のつらさの幅を知って会社復帰のタイミングや食事制限などを想定したりしました。治療方針はほぼ同じで安心。
また、同じ状況の人の声は「苦しいのはひとりじゃない」精神的な安定にもつながりました。

医療従事者へ相談
幸い親族に看護師がいたので相談をしました。看護師の彼女は「症例数」や「学会における指導医有無」「評判」を調べてくれました。傷をきれいに縫合してくれるか等、業界内では評判があるようです。
この時に、当時の病院の症例数が少ない(十数例)ことから、病院の変更のアドバイスと医師の紹介をうけました。
後で気づきましたが、ネットで症例数は確認できます。検討のための観点がわからなかったので、ありがたい助言でした。たしかに、過去の事例数が増えると想定外の事態が少なくなる。普通のビジネス現場でも同じだな、と妙に納得。

ステップ2:セカンドオピニオンの活用

担当の先生に病院変更を検討する旨を伝えることに、心が痛みました。とても丁寧な説明をくださる先生だったからです。変更が最善な道かもわかりませんでした。その時に活用したのが「セカンドオピニオン」です。

セカンドオピニオン
医療は日進月歩で新しい治療法が次々に生まれています。その全てを一人の医師が把握しているとは限りません。
また、医師や医療機関によって患者さんに提供すべきだと考える治療は同じとは限りません。医師や病院によって、提供できる医療内容に限界がある場合もあります。また、患者さんそれぞれによって、自分の受けたい治療は様々です。…患者さんにとって最善だと思える治療を患者と主治医との間で判断するために別の医師の意見を聴くこと、それがセカンドオピニオンです。
出展:NPO法人楽患ねっと(http://www.2og.jp/kiso.html)

わたしの場合は、セカンドオピニオンに際して担当医師に依頼しなくとも院内に専用の受付があり、面と向かって依頼をする必要はありませんでした。事務的な電話で完了。心を痛めなくて済みました。病院にとっては頻度高くあることである印象です。
その際に、宛名に「◯◯病院◯◯科◯◯先生」という宛名が必要なので、事前に誰に依頼するかは決めておく必要があるようです。
依頼をすると、セカンドオピニオンのために、過去の診察経緯や血液検査・CT・MRI検査・エコー検査の結果を封筒にまとめてもらえます。有料で5000円程度・封が閉じてあります。

ステップ3:新病院の訪問

新病院を予約し、セカンドオピニオンの資料一式を持って訪問。新しい先生は、数百例の手術を経験されていると病院HPで確認済みでした。
受付で資料一式を預けて外来の受付へ。
新しい先生と話をすると、経験の多さに裏付けられた発言で経験度の違いを感じました。「経験から言うと悪性じゃないと思う〜」「経験から言っても大きいから取るべき」などなど、経験や事例をもとに話があり、安心しました。
その場で即決。セカンドオピニオンの目的を通り越して、経験の多い先生の手術を受けたいとお願いしました。快く受け入れてくださり、手術前検査入院日、手術日をだいたい決めました。

ステップ4:術前の検査

手術前には、どこからどう切るか等の手術の方針を決める為の検査をしました。

目的は、①手術で考慮すべき身体の状態があるか、②具体の手術方法を決めるため腫瘍の質を知るというものです。 丁寧な検査で安心につながりました。

①手術で考慮すべき身体の状態があるか
血液検査、心電図、呼吸器、レントゲンを受けました。血液検査・レントゲンは普段と変わりありません。おそらく全身麻酔の手術は共通な気がします。

心電図では、3分間の階段昇降をして、その時の心拍を調べました。不整脈がないかなどを見ているそうです。3分間は意外と長くて、めちゃくちゃ疲れました。
呼吸器・肺の機能の検査は、小中学校の時のスポーツテストを思い出します。やるのは2種類で、1.限界まで息を吸って思い切りパッと吐く、2.限界まで息を吸ってなるべく長く吐く、というものです。技師の方が目を見開いて全身で吸ったり吐いたりをコーチングしてくれますが、それが大げさでプロフェッショナルすぎてわらけてきます。伝わらなくて悔しい。笑。これは面白がれる検査でした。

②膵臓の腫瘍の質を知る検査
これは、検査入院3日間で実施しました。
特に膵臓は胃の裏側にあり、簡単に観察ができない場所なので、手術方針を決めるための情報取得が難しいようです。具体的には、造影剤CT撮影、内視鏡超音波を行いました。

造影剤CT撮影
全身の血の流れを見るX線検査です。
腫瘍の中に血が通っているか、出血があるか等がわかります。仰向けでバンザイをして円柱状の機械の中に入っていきます。放射線の検査で、はじめての造影剤を使った検査でとても緊張した。
入院患者は外来の人が落ち着いた15時半ごろ呼ばれます。「造影剤を入れると熱くなりますよー」とお話しいただき、どきどき。血が巡るのを感じとれる。首から肩、股のあたりまですごく熱くなった。気持ちわるい。。。撮影時間は約3分。感じたことのない感覚が体にあって、ふらふらしながら病室へ。検査が1日1つだとなめてたけど、身体的な負担は大きいんだな。

内視鏡超音波
胃の壁を通して膵臓を見る検査。口から胃カメラより太い機械を入れて検査をします。内視鏡のお部屋に通されて、上着だけ着替えるように指示。喉に麻酔をした後、鎮静剤で眠ったまま行います。酸素を鼻にさして、点滴が入った10秒後くらいには意識はありませんでした。
検査中に途中で起きてしまって、オエーとなりました。ぼんやりとした視界の中で、先生たちが6人くらい見えて何か話をしている。でもぼやっとしてて、何も聞こえない。そう思った瞬間、また落ちました。終了後はストレッチャーで病室まで運ばれます。ふらふら。その日1日は、ほぼ寝ていました。やっぱり、検査は疲れますね。

番外編
ほかには、胃カメラ、大腸カメラも受けています。転移がないかの観点です。別の記事に書いてるので、気になる方は是非。

検査は内科。手術は外科。なので、情報共有や方針連携がちゃんととれてるとこが、良さそうです。はじめの病院はここが不安でした。

さいごに。

手術を決めたら急に不安になってしまい、最後まで拭えませんでした。一つ一つの初めての検査も同様に不安でした。

例えば、
・お腹の傷は何センチ?
・濃く跡が残ってしまうの?
・死ぬ確率はどのくらい?
・検査は痛いのか?などなど。

なので、個人的には、当日までは予定を埋めることでバタバタと手術することがおすすめ。どんな予定で埋めるのがいいかは、以下にまとめたのでご参考にしてみてくださいね。

正直、不安がゼロになるのは難しかった。しかし、納得できる検討プロセスがあれば不安の量を減らすことはできると思いました。納得解と不安の量は反比例します。

あとは、検査を無心にこなして納得しながら事を前に進めて、心は後から追いつかせる感じです。結局、覚悟ができたのは、当日の朝でした。笑。認知的不協和ってこういうことかな、と思ったのでした。

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