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#闘病レポ02[胃・大腸カメラ]。大人になれた気がするから、おすすめしたい。

膵臓にある腫瘍の手術前、消化器の総点検で、検査を受けることになりました。

胃カメラは吐きそうだし、大腸カメラは恥ずかしい…。検査前は憂鬱な気持ちでいっぱいでしたが、想定よりも苦しいことは少なくて、素直にやってよかったと思えました。

新しい世界も見えてきます。

やってよかったと思えた。その理由3つ。

1:検査で痛い苦しいポイントは一部だけ。
2:胃腸の病への根拠なき不安がなくなる。
3:羞恥心や痛みを超えた初体験ができて、単純におもしろい。

要するに、つらさを超えるメリットを感じました。

正直、特に大腸カメラは「こんなに痛いとは聞いてない」と思いましたが、それよりも達成感がこみあげて、新たな世界が開けた気もしたのです。
ダイビングのライセンス取得のため、苦しい練習したあと、青く美しい海の中の世界を初めて見たときの感覚に似ていました。

漠然と嫌だと避けている人も、何が起こるか事前に分かっていれば、心の準備もできます。

以降は、検査で経験したことを詳しく書いていきます。一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。

胃カメラ体験レポ。つらいのは一瞬。

ひとこと感想
つらいのは1分程度。涙やヨダレは誰でも出るが一瞬に感じられた。
検査自体も15分程度なので、鎮静剤が打てるところなら更に楽勝なはず。

検査の流れ
・前日

20時以降は絶食。それ以降、飲水はOKでした。

・受付後に着替え
当日、病院に到着したら内視鏡の受付へ。更衣室で検査着に着替えます。

・検査の説明
看護師さんに案内をしてもらって、待合スペースへ。
検査前に該当項目がないかの確認を受けます。主に検査に影響する既往症があるか、血液サラサラ薬を飲んでないか等。鎮静剤の希望はあるか、ということも聞かれますが、わたしは午後に大腸検査があったため時間の都合上できませんでした。

・のどの麻酔
上を向いて口を開けてと言われ、注射器で麻酔液をたらしてもらいます。
3分間のどの奥に麻酔の薬を溜めて待つことで、麻酔が効くようです。
喉の奥に薬を到達させるべく、口を大きく開ける小さな努力をしていましたが、苦しかった割には、効果は変わらないような気がしました。

・検査室へ入室
医師と技師の2名でした。検査室には無機質なベッドとモニター。
左側を下にして横になり、小さなドーナツみたいなものを口にくわます。
スコープはチンアナゴみたいな見た目で、先端が光っていました。

・スコープで胃・十二指腸を見る
スコープをゆっくり入れていきます。喉の奥から気管に差し掛かったあたりで、オエ〜っと吐き気が込み上げて咳が出て、涙が止まらなくなりました。
おまけにヨダレも出て頰にたれます。技師さんは手慣れた手つきで背中をさすり「大丈夫ですよ〜」と声をかけてくれます。
その後、つらいのは実質30秒ほどで、喉元をすぎれば落ち着きます。違和感がある状態ですが、自分の胃の中がどうなっているかをモニターで確認する余裕もうまれます。簡単な解説をしながら見ていきます。ピロリ菌もいなくて、きれいな胃でした。

・検査終了
胃と十二指腸を十分に見たら、ゆっくり抜いていきます。抜くときはオエとなりませんでした。借りたタオルで口元をふいて完了です。ポリープなど異常がある場合は、このタイミングで先生に言われます。

・検査後
麻酔が残っている状態なので、1時間ほど飲水しないよう言われます。

大腸カメラ体験レポ。痛いけど味わえる達成感はひとしお。

ひとこと感想
こんなに痛いとは聞いてない。前日〜検査まで所要時間が長いので体力も消耗した。
けれど、うんち判定から始まり、自らの羞恥心を乗り越えたことに異様な達成感を味わえる。腸に溜まっていたものが出て、デトックスにもなる。

検査の流れ
・前日〜当日朝

19時以降は絶食。夕飯はごま・海藻・野菜など繊維が残りやすいのはNG。
20時に水に溶かす下剤を飲む。それ以降、飲水はOKでした。
徐々に効くタイプの下剤で、服用後3時間ほどで3回程トイレへ。翌朝も1回くらい出ました。

・受付
当日、病院に到着したら内視鏡の受付へ。
受付では、下剤2リットル・紙コップ、うんちの見本写真を渡されます。
写真でOK/NG例が示されておりました。リアルで驚きましたが、わかりやすい。

・検査前の待合スペースへ
看護師さんの案内で準備スペースへ。下剤を飲んで、便を出し切るためだけの空間です。具体的には、男女別のトイレが10室ほど横に並んでいます。その前に椅子と机があって、そこで下剤を飲みながら便意を待つ感じになっていました。その時は15名程いて、全員私より先輩。調整をしながら試合出場を待つファームみたいな空気で、もくもくと下剤を飲んでいらっしゃいました。不思議な空間すぎます。

・検査前準備の説明

下剤2Lを30分に500mlのペースで飲む。
便がほぼ水になるまで出すことを繰り返す。
ほぼ水の便が出たら、トイレからナースコールを押して看護師に確認してもらう。
看護師が合格を出したら検査へ進める。

大腸カメラは便をきれいに出し切らないと受けられません。よって、その検査可能な状態かは看護師が判定してくれます。ここから、ドキドキし始めました。

・下剤を飲んで便を出し切る
下剤を飲む。トイレにいく。を繰り返す。
味はポカリスエットを少しまずくした感じで、苦痛ではない。
スマホで漫画を読むような余裕はあるが、2リットルの袋に入った下剤が扱いづらくこぼれそうになるので注意です。
1時間半くらい8回目のトイレでナースコール。看護師を呼び、うんちを判定してもらい、合格をもらえました。ここで半分くらいの羞恥心は失う。

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・検査まで待ち時間
合格後、検査開始まで30分程度待ち時間でした。検査前で2時間経過。
下剤が効いているので、うんちというか水は、ずっと出続けます。地味につらい…。

・着替え
検査着は2ピースで下のズボンはお尻部分が割れてて開く仕様。何かすごい。

・検査の説明
胃カメラ同様、検査前に該当項目がないかの確認を受けます。
主に検査に影響する既往症があるか、血液サラサラ薬を飲んでないか等。
鎮静剤の希望をしたのですが、断られました。初めての検査の場合、入念に検査すべきで、コロコロ体勢を変えて腸の中を見ていくので、鎮静剤を打つとそれができないとのことでした。無念。
最後に、お腹の動きをゆるやかにする筋肉注射。これはズキズキ痛い。
看護師に聞いたところ、腸には特に急カーブが1箇所あるらしく、「そこの通過は痛い」とはっきり言われました。

・検査室へ入室
医師と技師の2名。検査室には無機質なベッドとモニター。
仰向けになり、膝を立てて、右足を左足の上に組みます。そのまま左に少し体勢を傾けて準備完了。
最後に医師の指で、お尻の穴にジェルを塗り、ぶすっと刺されます。ここで羞恥心はすべてなくなり、心が無になりました。

・腸に内視鏡を入れる
検査の方法は、スコープをお尻の穴から終点まで入れ切って、抜きながら異常がないかを見ます。
空気をいれて腸をふくらませ、くねくね曲がっているのに合わせて、体の向きをコロコロ変えたりしながら進めました。そして終点の直前、魔の急カーブに到着。案の定、全然スコープが通らず、大きな声で叫んでしまうほど痛かったです。身体の中をつきあげられるような内臓の痛みでした。
何度か体勢を変え、技師さんが出産のように上から力を入れて押さえて腸の形を整えていきます。おそらく5分ほどで通過。
なお、ここからは余裕です。モニターで自分の腸を見ながら話ができるレベルです。
空気で腸のひだをのばして死角が生まれないようにし、水で腸壁を流しながら、ひだに隠れた病気がないか見ていきます。その場でポリープの切除もできます。常におならが出そうな感覚になりますが、出ません。

・検査終了
腸の状態など、解説をくれました。私は他の人より痛がる人だったようで、平気な人もいるようです。
終わったと思うと、妙な脱力感と乗り越えた達成感がわいてきました。

さいごに。

つらさはあるけど、安堵と達成感と感謝でみたされる。

痛いものは痛いです。でも、ずっと痛いわけではありません。
ポリープ、ピロリ菌がいるかなど、病気の有無をモニターで一緒に確認できるので安心できます。胃腸からモノはなくなるし、病気も判明するし、受けると心身ともにすっきりします。

腸はきれいなピンク色で、ツヤツヤして、柔らかそうで愛おしい見た目です。
生まれてから30年以上、見えない場所でがんばってくれていると思うと、なんとも言えない感謝の気持ちにみたされます。

知らない世界を見るワクワクがある。

胃カメラ・大腸カメラの検査は、初めて未知の世界に飛び込む時の、わくわくと不安が入り混じった感覚になれました。大人になってくると、初めての体験も減ってくるもの。

乗り越えるべき羞恥心、下剤まつり、体内を見ること、すべてが初めてづくしで面白い体験でした。大人のイベントとしてみんなで行って、ファミレスで反省会とか、どうでしょう。

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