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100%モネの味  モネ連作の情景

2023年10月20日〜2024年1月28日
東京 上野の森美術館にて開催中

2024年2月10日〜5月6日
大阪 中之島美術館

2023年12月25日には来場者が30万人を突破したため、2024年1月12日より開館時間が延長されました。これから展覧会へ行かれる方は事前予約をおすすめします。

モネ展について備忘のため記します。

睡蓮の演出でお出迎え
オーディオガイドが役立つ

足元の葉を踏むと音が鳴る♪

入場してすぐ、モネのインスタレーションスポットがあります。壁には「睡蓮の池」を思わせる映像が広がり足元には水面のシートが敷かれていて、蓮の葉を踏むと音が鳴ります。

ギューー...
ポコポコポコポコ...

実際に湿地へ足を踏みこんだような効果音が出ます

オーディオガイド   650円

芳根京子&下野紘による解説

今回はオーディオガイドを頼みました。頼んで正解♪モネの絵のように優しい語り口で制作の背景を語ってくれます。今回の展覧会は「連作」について解説をしています。世界中から集められたモネの作品群が対になり、整列しています。

絵画の連作
同じテーマやモチーフに基づいて一つの作品を描くこと

連作とは

印象派の旗手であるモネは、同じ場所で同じ作品を時間や季節を変えて制作しています。元来、月暦画(西洋美術において1年、12ヶ月を人物像、動物、自然の風景など各時期で象徴的なモチーフを表したもの)からの着想を得たのち、1868年パリ万博により日本の浮世絵が伝わり、その他、写真家エドワード・マイブリッジの「連続写真」から影響を受けるなど複合的な観点からモネの連作が誕生します。

連作の一つが以下(写真は売店で購入したハガキ)

積みわら 1885年
ジヴェルニーの積みわら1884年

同じ主題を時間や季節、天候等の異なる条件で描き、ひと続きの作品として楽しめます。「積みわら」に人物が描かれていますが、初期の作品のように人物が主役ではありません。傍らに溶けこみ風景の一部として馴染んでいます。

その他、撮影許可がある連作は以下

睡蓮(1897年〜98年)
睡蓮の池の片隅(1918年)



ウォータールー橋 ロンドン 日没(1904年)
ウォータールー橋 夕暮れ(1904年)
ウォータールー橋 曇り(1900年)


モネがどんな人生を歩んだかを学べる

日本初公開「昼食」

モネに関して造詣を深めていない私は、「モネの人生を時系列で語る」ことができません。印象派の画家であること、沢山の風景画を描いていることくらいを理解している程度です。今回の展示は「モネ100%」の内容だったため、モネの歩んだ人生についてじっくり解説されており貴重な学びの機会となりました。若い頃は絵が認められず生活が困窮、愛する妻カミーユをモデルにサロンへの出品を重ねていたそうです。1865年、初出品で初入選、1867年サロンで落選、翌年入選を経たのちに1870年に出品した渾身の作品「昼食」が落選します。今回、この作品が日本初公開でした。この作品の落選はモネに大きなショックを与えます。カミーユとの生活の安定が得られないからです。当時のサロンは画家にとって権威のある存在、入選をしたから直ぐに生活が安定するわけではありませんが、大きな足掛かりを失ったきっかけとなります。この落選を機にモネはサロンから手を引き、ピサロ、ドガ、ルノワールらと共にサロンとは別の展覧会を立ち上げる構想へ身を振り直します。

それから、愛する妻カミーユが32歳の若さで亡くなりモネは失意の底へ。カミーユの死以降、モネの人物画は減り、風景画が多くの比重を占めていました。

数々の困難を乗り越え、モネは再婚をします。相手はかねてよりパトロンとしてモネ一家を支えたオシュデ家の妻アリス。パトロンの妻と結婚…ちょっと複雑な感情が入り混じりますが、モネという大きい画家を支えるには2人の妻カミーユとアリスが必要だったようです。モネは画家人生の後半、71歳で白内障と診断され82歳で右眼の白内障手術を受けています。上記の連作の中でも「睡蓮の池の片隅」「ウォータールー橋」は霞がかったタッチの作品でモネが眼の病気と闘いながら作品と向き合っていたのだなとしみじみしながら鑑賞しました。

今展覧会において、みだれ髪さんが実際の展覧会の様子をチャプター毎に解説してくださっていて分かりやすいです。

ちょうど同じく上野で「印象派」の展覧会があり、上野駅を出てからちょっと迷いました。上野の森美術館はJR上野駅の公園口を出てすぐに左折すると数分で到着します。
気になっている方は是非♪

Junko Summer

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