資金調達ラウンド

1. スタートアップラウンド
a. 「ただ働き」ラウンド
 創業者自身が無給で働くラウンド。数ヶ月続く場合もあるし これは正式な「資金調達」では無い。キャッシュは動かず起業家の汗が資本となる 故に「汗による企業価値」と言われる。外部からの投資なしに創業者がどれだけ企業価値を形成できたか、が重要になる。
よりよりスタートアップは十分な期間に渡り 創業者自身でビジョンを追求する。外部資金を入れれば、必然的に投資家からの圧力にさらされる事になる故である。
  また、「ただ働き」を厭わない創業者であればスタートアップが資金を使い果たした時、自らの給与を割いてでも会社を救おうとする。そのマインド含めて重要な要素である。ハスラーにしてビルダーこそが優れた起業家となり得る。

b.「ブートストラップ」ラウンド
「ただ働き」に近いスタートアップ創業の方法である。「ただ働き」の創業者が作ったプロダクトを買収する方法でる。この場合、既に顧客が付いて売りが上がっている場合があるのでその場合は「タダ働き」に比べて有望であると言える。

c.「友人 家族 親類縁者」ラウンド

プロのエンジェル投資家に接触する前に創業者は個人的な関係からの資金調達をする場合がよくある。これは上記a.bと「プロの投資家からの支援がなければ消え去ってしまう多数の会社」の中間に位置すると見なされる。

d. 「自己資金調達ラウンド」

創業者として理想的な人は往往にして既に自分自身に投資している。
仮に創業者が「今のところ運転資金は私が出しています」と言うとしよう。
その場合エンジェル投資家が尋ねるのは以下の2点。
1. どのように?
2. なぜ?
スタートアップの運転資金を自身で出しているならば、その金はどうやって作ったのか?またこれまでにトータルでいくら投資しているのか?親の口座にリーチ出来るのか?前回スタートアップをイグジットした際の資金なのか?それともどこかから借金しているのか?
なぜ投資家から資金調達しなかったのか?
MVP(minimum viable product)を100%信奉しているのか?
ただし自己資金の場合、借金以外の方法で資金調達が出来ていないのであればそれは危ういと言っても良いポイントとなる。
→ 他の資金提供者が既に見放している可能性がある と言う事。

e. 「インキュベーター」ラウンド

インキュベーター(アクセラレーター = 起業の支援を行う事業体)に加わり、そこで少額の資金を受ける道もある。多くのインキュベーターは2万5,000ドルから15万ドル程度のシード資金の投資と引き換えにスタートアップの10%程度の持分を要求する。
インキュベーターはヘルスケア、ハードウェア、エンタープライズ向けソフトウェア、モバイルアプリケーション 等 特定の分野に特化したものも多い。
例えばAirBnBはインキュベーター出身で100億ドルを超えたスタートアップである. 100億ドル未満でも例えばドロップボックスはインキュベーター出身のユニコーンである.

2. 「シード/エンジェル投資ラウンド」

ほとんど多くのスタートアップ創業者はa~e 5つのうちの2~3個を使ってアーリーステージの資金調達を行う。例えば ブートストラップでスタートアップを立ち上げた後、インキュベーターに参加し、ソフトウェアが完成する前に2社に販売契約を巻いて、同時にそのタイミングでエンジェル投資家から資金調達をする と言ったケースである。

3. ブリッジ・ラウンド

シードラウンドからVC等にシリーズAを要請する前に資金が枯渇しそうな場合、そのつなぎを行うのが「ブリッジ(つなぎ)ラウンド」となる。

ブリッジラウンドへの参加は「損な投資」になる場合が多い。投資家目線では創業者への義理や 悪い場合は投資家自身のエゴ に寄って行われる場合もある。

会社評価額と投資条件
a. シードラウンドの段階で会社評価額が400万ドルであり、チームは大いに経験を積み、現実に顧客も得ている状態だった場合
 - ブリッジ・ラウンドでも評価額が変わらないなら シードラウンドで出した以上の資金を投じるべき
   → 事実上シードの時よりもこのチームは価値が上がっている(Valueは上がっている)のだから 今回の方が投資条件は有利だ ということになる。
b. シードの評価が400万ドルに対し ブリッジの評価が800万ドルの場合
  → 創業者に評価額の根拠を尋ねるべき。その答えを聴きながら、本当に価値が(Valuationが)2倍になっているのかの決断をする。
納得がいかなければ「そのValuationでは今回はパスだ」と伝える。
c. 800万ドルの評価額でシードを終えた後、スタートアップが順調に成長しているものの、そのValuationではブリッジに誰も参加してこない場合もある。
  → その場合は「ダウンラウンドしてはどうか?」と提案する。
    ダウンラウンド  = 会社のValuationを下げる ということ。

・ブリッジラウンド実現の別の方法
  → Valuationを下げずに投資家に一種のボーナスを出すことがある。これは一つは「残余財産分配優先権(Liquidaton prefference)」であり、もう一つは「新株引き受け権(warants' ワラント)」である。
   → いずれの場合も投資家は2倍から3倍の価値の株式を受け取る。

4. シリーズAラウンド


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