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大人になってわかった「良い先生の条件」

大人になってからようやく気づいた事
みたいなのは案外たくさんある。最近特に思う事「子供の頃出会っていた大人、だいたいみんなダメな奴だった」説。子供は何故かずっと大人はちゃんとした人ばかりなので言うことを聞いた方がいい、と思ってたりするもんだ。恐ろしい。。。
 ボールがゴールに入ったので「ゴールだ!」と言ったら「そもそも俺は現代的サッカーをやるとは一言も言っていない」と主張してたあの人は今何をしているだろうか。

と言うわけで、「素晴らしい人間になりたい」シリーズ。今回は、人生のあらゆる場面で出会う「先生」について。この「先生」は「コーチ」でも「上司」でも「サークルの先輩」でも、はたまた「親」でもいい。あなたに何かを教えてくれる、もしくは教えようとしてくる人の事だ。
 僕は去年から一念発起し、多くの習い事を始めた。大人になってから「生徒」になり「先生」と接したからこそわかる、「良い先生とは何ができる人なのか」について、まとめてみた。

今回の良い先生の基準は、人柄等ではなく、「生徒を成長させ、欲しい結果を手に入れさせてくれる」能力の事。勉強ならば理解が深くなる。書道を習えば美しく書けるようになり、スポーツなら他の先生達に習うより上手くなれる。そんな先生の「能力」について。

重要: 悪い先生にはリスクがある。
 「やらないよりやった方がいい」とはよく言うが、ダメな先生に習うくらいなら、習わない方がいい。ダメな先生、もしくはあなたに合わない先生は、あなたを「間違った方向へ」ガイドしてしまう。余計な癖をつけてしまったり、そのことへのストレスを上げ興味を失わせてしまったりする。(子供の習い事の先生選びは、入念に行おう。自分自身が良い先生かどうかも、常に疑おう

先生レベル1 「ただの素人」

実は先生を名乗る人々のほとんどが、ただの素人。残念ながら現実だ。学校に勤めていようが、自分で教室を開いていようが、「◯◯インストラクター」の資格を持っていようが、教える事について、まともな能力を持っている人はほとんどいない。「先生のふりをした人達」だ。以下の特徴がみられたら要注意。

スキル:自分の希望を言う
好きなフレーズ「もっと頑張れ」「ちゃんとしろ」「なんとかしろ」「結果を出せ」

 先生だろうが上司だろうが、このフレーズを使う人々はかなりヤバい。が、かなり多い。「教える」のでも「伝える」でもなく「願望を口に出す」だけの人々である。サッカーのコーチの指示が「点を取られるな」&「たくさん点を取れ」だった時の選手の気持ちが想像つくだろうか?それはわかっている、それを、どうやって実現するかを指示するのが仕事のはずなの、、、に。。。

 他にも、子供を叱る時に親が使っている場面でも多く見る「ちゃんとしろ」などのフレーズ。これ程意味のない言葉はない。「ちゃんとする」とはなんなのか?恐らく本人もよくわかっていないのに、相手がそれを聞いて何かできるわけないのだ。
 「何をどうしたらいいか伝わらなければできるるわけがない」と言う当たり前の事にすら気づいてないので、とにかくこの手の人には1秒たりとも何か教えてもらってはならない。悪い癖がつくだけで一利なしである。
 えてして、教える内容の知識や技術がそもそも無かったりする。良いニュースとしては、それがある人は、レベル1にはなりにくいと言う事。最低でも、次のレベルの事は出来たりする。

先生レベル2「生徒より詳しい人」


スキル:間違いを指摘する
好きなフレーズ「ここが弱い」「もっと上手く」

レベル1で無さそうなら、とりあえず最低限教えてもらう価値のある人に出会えたと言える。レベル2の先生は、知識や技術面において、少なくとも生徒より上である。能力として「あなたの弱点や問題点がわかる」ので、この人の言う事は大きな意味で間違っていないし、聞く価値はある。
 しかし、この人は「部活の先輩」や「会社の同期」なら構わないが、「先生」や「コーチ」としては不十分である。

先生レベル3「教えられる人」


スキル:どうしたらその問題点が改善するかがわかる
好きなフレーズ「◯◯する癖がある」「基礎が足りないから◯◯をして」 

自分の問題点や弱点というのは、人に言われなくてもわかっていたりする事がある。わからないのは「それをどうしたら良いのか」だ。そこまで伝えられて、始めて「教える」になる。「あなたの打球が右にそれがちなのは手首の返しが弱いから」と言える人だ。何を気にしたら悪い癖が治るか。どんな練習をしたら足りない基礎能力が身につけられるか。そういう所まで教えてくれる先生なら、お金を払ったり、真剣に取り組む価値がある。
 レベル2と3の見分け方は簡単。「その指示が具体的か」どうかだ。あなたが、何をすればいいかわかれば、その人はレベル3の先生だ。

先生レベル4「名コーチ」


スキル:弱点や問題の中で、今立ち向かうべきものを抽出でき、あなたにあった努力を提案できる
好きなフレーズ「◯は一旦忘れよう」「今は◯だけに集中」

学校でいうと、学年に1人か2人いる「良い先生」「素敵な先生」たちだ。彼らは教えるのが上手なだけでなく、概ね人気がある。それがまさに3と4の差なのだが、「その生徒の気持ち・立場になって考えられる」能力があるからだ。この能力には概ね人間性が伴っている。「自分より劣っている」人の気持ちになる事は、思っているよりずっと難しい。大人が子供の気持ちを「わかった気でいる」のと同じで、勘違いしやすい事でもある。
 この先生には頭の中に「ロードマップ」が見えている。その生徒が今どこにいて、あと何があればどの程度になり、どういう順番で学んでいけば前へ進めるのか、である。3の先生に陥りがりな罠である「足りないものを全部言うから生徒が混乱する」事もない。人は一度に1つの事しか頭に残らない、と言う忘れがちな事実にも配慮できる。今その生徒が気にするべき、頑張るべき事、その1点だけを伝え導ける人だ。尊い。

先生レベル5「仏」


スキル:自主的に育つ環境だけを用意する
好きなフレーズ「よく頑張ったね」「大丈夫、前に進んでいる」

記憶の海に潜っても、かろうじていたかどうかおぼろげな程の希少価値を持った「先生界のシーラカンス」である。もはやこのレベルになると「何も教えない」。具体的な事は全て生徒自身、もしくは生徒達自身で発見し、切磋琢磨していく、と言う環境を作れる人だ。
 自ら能動的に弱点を克服したり、成長できるような環境を作った後は、要所要所でやる気や希望を与えるのみである。そんな「環境を作る」のは死ぬほど難しい。その環境とは、場所や体制というより「文化」の形成だから。生徒同士で高め合う為の文化ができる為の要素とは、、、
1)お互いの気を削ぐような、ネガティブな関係を作らない。
2)目線を上げ続けさせ向上心を保たせる
3)必要な訓練等を習慣にさせる
4)小さな努力や向上に気づき、褒めてあげられる
5)どんな行動、努力、考え方が常に望ましいかを明確に示す

が必要だ。どれ一つ取ってもめちゃめちゃ難しい。
しかし、どんな分野であろうと「自ら考えて努力する」人が一番成長する。人に全て教えてもらい、従うだけの人には限界がある。結局、一番良い先生とはその情熱を生徒の中で育ててあげられる人の事だ。そうすれば、自分自身が先生になり、チームメイトが先生になる。競争相手も、世の中の出来事も先生にできる。

チームだろうが、会社だろうが個人だろうが、人は環境に影響を受ける。目線の低い環境では育たず、決め事の多い環境では自主性は育たない。注意が多ければ自信を無くし、目標が曖昧では向上心もなくなる。経験上、そんな場所が多かった。逆に言えば「良い環境を作る能力があれば、大抵の事は成し遂げられる」のではないかとも思う。イマイチな環境溢れるこの世界で抜きん出る大きな武器になる。

自分が成長したい時の先生・環境選びに、もしくは自分が環境に影響を与える立場の時に、役立てば幸いです。

サポートされたら、俺はその倍額を寄付する。倍返しだ。