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アメリカの大学寄付市場~寄付額と寄付率で比べると見えること


~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

前回は、ハーバード大学のファンドレイジングキャンペーンについて、見てみました。今回は、アメリカの大学の寄付市場を俯瞰し、寄付額の大小だけでなく、寄付率の高低についても見ていこうと思います。

1.全体

アメリカにある大学の寄付市場は、2018年度は467.3億ドル(CASE-教育向上支援協議会発表資料より)とされており、その寄付者の内訳は以下のようです。

・アラムナイ(同窓生) : 26.0 % (121.5億ドル)
・非アラムナイ     : 18.3 % (85.7億ドル)
・財団         : 30.0 % (140.1億ドル)
・企業         : 14.4 % (67.3億ドル)
・その他の組織     : 11.3 % (52.7億ドル)

なお、「財団」のなかには卒業生が設立した「個人財団」も一定数含まれているため、アラムナイの実割合は、もう少し高くなりそうです。

2.寄付額の多い大学

2018年度で寄付額の多い大学のトップ5は、以下の大学になります。

1)ハーバード大学            : 14.1 億ドル
2)スタンフォード大学          : 10.9 億ドル
3)コロンビア大学            : 10.0 億ドル
4)カリフォルニア大学ロサンジェルス校  :   7.8 
億ドル
5)カリフォルニア大学サンフランシスコ校 :   7.3 
億ドル

ちなみに、調査対象の3,700のうち上位20校(約0.5%)が、すべての寄付の約28%を占めているようです。

3.寄付率の高い大学

一方で、Forbesが前述のCASEのデータを基に算出したアラムナイの寄付率ランキング(2018年度)では、以下の順位となっています。

1)ダートマス大学   :24,039ドル 41.3%
2)ウィリアムズ大学  :23,434ドル 47.8%
3)プリンストン大学  :23,536ドル 40.5%

14)スタンフォード大学:49,756ドル 25.5%
20)ハーバード大学  :28,974ドル 18.2%
75)コロンビア大学  :12,613ドル 12.4%


金額は、学生1人当たり過去7年間の中央寄付額 
パーセントは、過去3年間の卒業生に占める寄付者の割合

平均値としては、全体の卒業生に絞める寄付者の割合は11.1%となっており、卒業生のうち10人に1人が寄付している計算のようです。

ファンドレイジングキャンペーンとして、ハーバードやスタンフォードから学べることもありますが、一方で、こうした寄付率の高い大学もまた、その仕掛けやコミュニケーションなど参考になる部分がたくさんあるかもしれません。

例えば、プリンストン大学では、入学時にすべての新入生に対して学長が、「これからあなたが利用する施設は、寄付をした結果です。また、多くの人が奨学金を得て、ここに来ました。いつの日か、今度はあなたが、寄付をして支える番になるでしょう」といったように、寄付の大切さを伝えています。在校生に対して、将来寄付するような工夫が随所に施されているようです。

~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

参考


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Junya Aizawa

コンサルタント/クライアントはソーシャルを大切にしたい営利・非営利組織/専門は経営戦略及びファンドレイジング戦略の策定とその実行支援など/最近広めたいワードは「カッコいい社会貢献」/長野県好き
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