「ビジョン」~大いなる挑戦が社会を変える

~ソーシャルセクターの成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

前回は「ミッション」について触れました。今回は、その双璧をなす「ビジョン」について見ていこうと思います。

1.「ビジョン」(想像したい未来の姿)の効果

効果として2つあげてみました。

効果1 多くの人を魅惑し、惹きつけ、組織の成長を加速させる

人も組織も1人(1社)では事を成すことは難しく、多くの人の力を借り、ときに協働し、事業を進めていくことでしょう。ビジョンは、そうしたときに、多くの人々の心に訴え、共感を集めて、大きな力に換えていってくれます。ビジョンが明確であればあるほど、ワクワクする未来を想像させられればさせるほど、その力は大きくなっていきます。

効果2 未来を照らし、社会を明るくし、人々を気持ち良い感情にさせる

ビジョンに共感した人は、その未来を夢見て、ときに心を躍らせることでしょう。未来の形は、今ある課題を解決した姿、新たな価値が創造された姿、と様々です。そうした多彩な姿が垣間見れる社会は、課題がたくさんある社会と見れますが、一方で「将来はこうした社会にしたい」という希望に溢れた社会とも見ることもできます。そして、たくさんの未来像があることは、人ぞれぞれが異なる関心を持つように、期待する未来像も異なることから、それがマッチし、心躍らせるする人が多くなるかもしれません。

このように、事業や組織自体が成長し、その周りにいる人が気持ちよくなることで、社会が少しずつ良くなっていけるのではないかと思ったりします。

2.よい「ビジョン」の要素

「ムーンショット」という言葉があります。これは、『未来から逆算して立てられた、斬新な、困難だが実現すれば大きなインパクトをもたらす「壮大な課題、挑戦」を意味する言葉』と言われています。

ムーンショットとは
50年以上前、アメリカ大統領のジョン・F・ケネディは次のように述べて、世界の夢をふくらませた。「我が国は目標の達成に全力を傾ける。1960年代が終わる前に、月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させるという目標である」。こうして、ムーンショット(月ロケットの打ち上げ)という言葉は、「困難な、あるいは莫大な費用のかかる取り組みで、実現すれば大きなインパクトが期待できるもの」を意味する用語となった。
参考:https://www.dhbr.net/articles/-/2260

ビジョンにも、こうした要素が当てはまるのではないでしょうか。どんなに耳心地が良い言葉でも、実現可能性がゼロであったり、実現までに途方もない時間を要するようでは、物語の話になってしまいます。一方で、「○○年までに、人口を△△%増加させる」といった言葉では、味気ない印象も受けます(あくまでもビジョンとしてはそうであって、具体的な数値に落とし込むことは重要です)。つまり、人々の気持ちを魅了するようなメッセージ性がありながらも、実現可能性が十分に吟味されていることが大切だと思います。

・わかりやすく、かつ、人を奮い立たせるようなメッセージ性がある
・大胆、かつ、実現可能性が期待できる

なお、ケネディ大統領の演説当時の技術からは、技術トレンドを見極めた上で、ある一定の技術的なハードルを越えればアポロ計画は実現できることがわかっていたようです。

3.「ミッション」との違い

ミッションとの違いは、検索してみると、わかりやすいサイトが多いので、ここではポイントだけ触れられたらと思います。

ミッションは組織の全員が腹落ちすることが極めて重要であり、そのための機会を定期的にとる必要があるかと思います。そして、組織の事業や社会のトレンド、関わる人の想いなどの変化に応じて、例えば2年ぐらいの頻度で評価し、修正を行っていっても良いかと思います。

一方のビジョンは、原則はその達成までは不変であることが望ましいと考えます。とはいえ、今日は技術進歩も激しく、それによる社会の変化も早いことから、チューンナップを行うこともありえるかと思います。

~ソーシャルセクターの成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

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