『シン・ゴジラ』ネタバレ感想(2)

『シン・ゴジラ』のネタバレが数多く含まれています。まだ映画を見ていない方、これから見る予定の方、みる予定の無い方、見る気が無い方、いずれも絶対に読まないでください。

ネタバレ注意。

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登場人物は政治家が中心なので、個人的な感情の表出は抑制されています。ですが、役者さんの芝居により登場人物の内に秘めた職業的な欲望がさりげなく表現されているのがとても面白い。

 たとえば防衛大臣。この人、総理に兵器の使用の承認をさせた直後、ほんの僅かに、一瞬口元がニヤリとするんです。僕はこのシーンが大好き。きっと自衛隊を動かせるのが嬉しいんだろうな。ヤシオリ作戦決行直前の自衛隊幹部の表情も誇らしげ。

 次に、ヤシオリ作戦遂行チームの一人、原子力規制庁監視情報課長。この人ゴジラのサンプルの解析データを見て、ニヤニヤしまくってます。研究者の性なのか新発見が嬉しくてしょうがないんですね。もっともすぐに不謹慎なことに気がついて、気まずそうに顔を元にもどします。つねに険しい表情の官僚[誰だったのか思い出せません]との対比が面白い場面です。

 このような内に秘めた職業的欲望の表現は『風立ちぬ』の主人公が、自分の設計した飛行機が戦争に使われようとも、それによって日本が壊滅しても、恋人が死にそうになっていても、飛行機を作るのが楽しくてしかたないということに通じるように感じます。