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2018年の振り返り

毎年、大晦日は仕事の振り返りをする日。1年分をまとめて振り返ると、1年でも大きな変化があったと感じられる。

ちなみに、2017年の振り返りはこちら。オフィスを構えたこと、チームでの仕事が増えたことを振り返っていたようだ。

2018年は新しいオフィスに移ったし、チームの人数もさらに増えた。今年も、1年を振り返っておこうと思う。

「個人」から「会社」へ

2018年は、「会社化」に挑戦した1年だった。法人化して今年の10月で4年目に突入したけれど、これまでは個人事業主の延長線にいた。

フリーランスとしては属人性の高い競争優位でよかったけれど、会社にするのであれば属人性を下げて競争優位を生み出さなければならない。

inquireには「質の高いコンテンツを作りたい」という相談をいただくことがしばしばあり、大変ありがたい。今は、質をより高め、より再現性あるものにしていかなければならない。

加えて、チームとしての動きが必要になってきたこともある。2017年に『AMP』の立ち上げ、編集部マネジメントなど運営を手がけたことで、コンテンツスタジオ案件の規模も大きくなった。

AMP自体は2018年の半ばでinquireが関わるのは終わりになったけれど、他の案件を手がける土台になったことは間違いない。

事業に伴走する編集パートナー

2018年、inquireは若手経営人材のビジネスコミュニティ『FastGrow』や体験にフォーカスするメディア『XD』の編集に携わるようになり、運営に伴走した。

専門性の高い記事を月に10本〜20本作成するには、編集部の組成、コンテンツマネジメントなど、これまでよりも対応の幅を広げる必要があった。運営しながら、次から次へと新しい課題が生まれるけれど、編集部を立ち上げ、運営するノウハウが蓄積されてきている。

様々なメディアの運営経験を通じて培われたノウハウを使って、編集部のインハウス化支援にも取り組み始めた。オウンドメディアが増え、コーポレートの情報発信が増える中、その運営を内製化するためだ。

今年は、ツクルバスタジオの「remark」に伴走した。半年かけて徐々にコンテンツづくりのインハウス化を進め、今では運営は内製化されている。

他にも、インハウス化を見据えた相談の声も届いており、「FastGrow」や「XD」のように編集部として伴走する以外に、インハウス化を見据えた伴走にも取り組む予定だ。

情報発信のノウハウを伝える研修の実施も今年からスタートした。インハウス化に通じるものだけれど、よりプログラムをブラッシュアップしていき、来年はさらに多くの企業に対してプログラムを提供していきたい。

自律的で対話的な組織を目指して

コンテンツスタジオとして様々な企業のメディアやコンテンツ作りを支援するだけではなく、inquireとしてのプロジェクトを事業化するという挑戦にも取り組んだ。こちらはなかなか苦戦した。

自社で取り組んできた「sentence」や「UNLEASH」を事業化しようと、春頃から議論することを増やした。当初、目標設定や役割分担が定まっていないから動きにくいとの声から、まずはその設定から始まった。

自社の事業を成長させるには、組織化しなくてはならないということだ。せっかく組織化に取り組むのであれば、自律する組織にしたい、そう考えた。

フリーランスの集合体として動いてきたinquireが、普通の会社になっても面白くない。そこで、注目されていたOKRやホラクラシーなどの組織の仕組みを取り入れようとした。

結論から言えば、これは失敗だった。目標管理やロールの分担の導入が表面的になってしまったのも問題だったが、自律的に動く組織を作るためには、色々と足場が固まっていなかった。

フラットな組織をいきなり目指しすぎず、まずはある程度トップダウンで土台を作ることにフォーカスした。

会議の効率化やチャットコミュニケーションの改善、数値意識など、筋肉質な組織に変えるために、ギャップアプローチな改善を行った。ちょうど、猛暑だった夏の頃だ。


こうした取り組みは一定の効果につながり、会議やチャットコミュニケーションは改善された。だが、次なる課題も生まれた。

リモートワークでも仕事は進むのだが、業務に関するコミュニケーションのみに終始することが増え、働くメンバーの元気がなくなっていた。

「これが目指したかった組織の姿なのか?」

そう自問し、再度組織化に向けた姿勢を改めた。そもそも、ライターや編集者は心身ともに健康でなければ良いアウトプットにつながらない。

だから、チームとしても、ウェルビーイングな状態を実現し、安心して仕事ができる心理的安全性が保たれた状態づくりを目指すことに決めた。

秋からはSlackで毎日予定と自身の状態を投稿するチャンネルを開設したり、週に仕事の振り返りとメンバーへの感謝を語る時間を設けたりと、対話の時間やポジティブ・アプローチを重視。

メンバーのコミュニケーション量も増え、2018年の前半と比べると心身ともに健康に働けるようになってきた。まだまだ課題は多いけれど、今後も対話型の組織づくりに取り組んでいきたい。

対話が増えることで、自律性も高まる。遠回りかもしれないけれど、着実に対話を積み重ねることで、自律的に動ける組織に近づく。対話を組織のカルチャーとしてしっかり根付かせるのが2019年の課題だ。

自社事業のリスタート

もともと、こうした組織づくりへの挑戦は自社プロジェクトの事業化に取り組むために始まった。組織の方向性が見えてきたので、次は事業の方向性を見出さなければならない。

2016年にスタートした「sentence」、2017年にスタートした「UNLEASH」の2つのプロジェクトをしっかり事業として成長させる。

sentenceは、自分たちの編集やライティングの知見の言語化や、他者が学習できるようにするためのプログラムづくり、コミュニティづくりの挑戦。

UNLEASHは、自分たちの関心テーマの発信を行いながら、自分たちなりの思想でのメディアづくりの挑戦となる。人に深く届くコンテンツや、社会に必要なテーマのコンテンツなど、自分たちが信じる情報を届けていきたい。

双方ともに冬にCIとサイトをリニューアルして、新たなスタートを切った。

まだ新しくスタートし直したばかりだから、結果がついてくるのはこの後だが、2019年には大きく成長させていかなければならない。

「制作」と「運用」の思想の両立

事業づくりと組織づくりは両輪だ。2018年は、会社としてどうあるべきかを考え続けた1年だった。

ぐるぐると考えた結果、inquireという会社は自分たちの思想に基づいて事業を行い、できる限りの成長を目指すということにした。

僕たちのメディアでは、個人が自律し、自由に生きられる社会を肯定する発信をしたい。であるながら、その発信者である自分たちがそのように動けているべきだ。

自分たちが発信すべきという情報に説得力を持たせるために、まず自分たちが体現できている存在とならなければならない。そのためにも、自律的で、対話的な組織づくりを重視したい。

それは急成長するのは難しい組織かもしれないけれど、自分たちらしくあるためにはきっと大切なことだ。

2018年は向かうところを定め、足場を固め始めた年だった。2019年はしっかりとした足場を作り、最大限の速さで向かっていく年にしたい。

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