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【"未来"マネジメント会議0期Day3】生きてる会社 死んでいる会社

revii(リービー)という1on1サポートAIを開発・運営するZENKIGENというベンチャー企業にて、カスタマーサクセスチームのマネージャーをしている坂本珠里と申します。

本日も私たちが運営する"未来"マネジメント会議というマネジメントコミュニティでの活動の記録を残していきます。

10月よりスタートした0期生のプログラム。

前回のDay2では、マネジメントとリーダーシップの違いをそれぞれの役割・行動プロセス・態度などの観点から捉え、マネジメントとは何か?マネージャーとは何か?という問いに対して理解を深めました。
Day2の活動の記録はこちら

Day3輪読会の課題図書は「生きている会社、死んでいる会社―ー「創造的新陳代謝」を生み出す10の基本原則

本書は、30年という長きに渡り経営コンサルタントとして100社以上の経営課題に関わり、さらに何社もの社外取締役を勤めてきた遠藤 功氏が、「日本にはあまりにも死んでいる会社が多い」という課題感のもと、生きている会社に必要な条件や、生きている会社になるための基本原則を解き明かすという内容になっています。

言うまでもなく、マネージャーとは一つの役割であり、複数名で構成される組織があるからこそその役割が必要になります。そして「組織は戦略に従う」という言葉でも表現される通り、組織とは会社が目標や目的を達成するための戦略に沿って最適に構成されるものであります。

何が言いたいかというと、マネージャーとして成長したいと考えるのであれば、そもそも良い会社とは何か?そこに向かうためには何をすべきなのか?という理解を深めた上で進むべきだと考えてます。

今回はそのような趣旨のもと、本書をマネジメントに活かすなら?という視点で読み、得た気付きや学びをつらつらと書いていけたらと思っております。

結論

先に自分なりの気付きや学びの結論を伝えておきます。

1. リーダーは常に「ありたい姿」をPTAでぶち上げろ。そして誰よりもそこに向かって汗をかけ。

2. その上で、周囲とのコミュニケーションをサボるな。合意や共感を得るための近道は存在しない。

3. 戦略・実行ともに理詰めで考え抜き、メンバーの無駄な努力や一生懸命を生むな。確実に成果を上げさせやりがいに繋げろ。

それぞれ説明します。


1. リーダーは常に「ありたい姿」をPTAでぶち上げろ。そして誰よりもそこに向かって汗をかけ。

本書では、生きている会社とそれを構成する要素は以下のように定義されています。

生きている会社とは
絶え間なくし挑戦し、絶え間なく実践し、絶え間なく創造し、絶え間なく代謝する会社

生きている会社を作るためには
「熱(ほとばしる情熱)」「理(徹底した理詰め)」「情(社員たちの心の充足)」の全てが必要であり、その結果「利(利益)」が生まれる


「熱」「理」「情」それぞれの詳細に関してはここでは割愛しますが、著者によれば、最終的にこの三つの要素全てが揃っている必要があり、その起点は常に「熱」であるとのことです。

極めて主観的で崇高な理由なんて特段存在しない、人間の内面から湧きあがるような熱、モチベーション、衝動。

物事の起点は常にここであり、熱がなければそもそも向かいたいビジョンや成し遂げたい成果も存在しないわけですから、そこに向かうためのプロセスを理詰め(=「理」)で考える必要もなく、さらにそれを成し遂げるための人や組織も当然必要ないわけですから、社員たちの心の充足(=「情」も必要ありません。

そして本書では、そんな最も重要な要素である「熱」を会社が帯びる方法はたった一つしかない、と力強く言い切っています。

それは、経営トップやリーダーが自ら信じる「会社の目的」や「思い」「信念」を自らの言葉で語り、自ら汗をかき、行動すること。

私も日々マネージャーという役割のもと仕事や組織に向き合う上で、ここに関しての重要性は身をもって実感しているところであり、特に「自ら汗をかき、行動すること」に関して、これなくしてメンバーから信頼を得て組織を束ねることは不可能であると感じます。

会社の方針や戦略を声高々に現場に伝え、やるべきことを明確にすることは、ある意味とても簡単です。
そしてある程度のところまでは、それだけでも組織は一定機能するのだと思います。

ただし、メンバー全員がイキイキし常にコトに向かっている組織、本書の言葉を借りるとすれば、生きている組織というのは、大抵リーダーが誰よりもその目的や目標に対して、行動し、挑戦し、汗をかいている組織であると、確信を持って言えます。

さらに本書では、会社のありたい姿を語るにあたって、その経営者やリーダーのPTAの姿勢が非常に重要であると、書かれています。
PTAとは「Positive Thinking Attitude」の略で、物事を常に前向きに捉え考えようとする姿勢のことを指します。

誰しもが達成できないと思うような高い目標であったとしても、経営者やリーダーだけは「我々であれば絶対に達成できるのである」と信念を持って言い続ける。そして誰よりも行動し、汗をかく。
そうすれば、その背中を見たメンバーが「もしかすると、達成できるかもしれない」「その達成の先に広がる景色とはどんなものだろう」と後に続き、組織全体が熱を帯び始める。

リーダーはその一番初めの「種火」になり、火だるまのごとく、周囲にその熱を伝播して行く必要があるのです。

2. その上で、周囲とのコミュニケーションをサボるな。合意や共感を得るための近道は存在しない。

上記で、リーダーは常に「熱」を生むための種火となり、周囲にそれを伝え続ける必要があるとお伝えしましたが、単に「伝える」だけでは組織が熱を帯びることはありません。

そこには「必死のコミュニケーション」が必要であると、書かれています。

要は伝達することが目的であれば、社員総会なり中期経営計画資料などで示すだけでも十分事足りるわけです。
しかしそれらがメンバーの心に届き、響かなければ全く意味がありません。

目的や目標それ自体に価値があるのではなく、メンバーの共感や合意を生み出し目的や目標に向かうエネルギーを生んでこそ価値があるのです。

では、共感や合意される目的や目標はどのようにして生まれるか?

シンプルかつ当たり前すぎる結論ではありますが、何度も何度も時間をかけコミュニケーションをとる、こと以外に方法はありません。

そもそも前提として、人に何かを伝え動かすということはそんなに簡単なことではないので、あの手この手で挑戦し働きかけ、語りかけ続けるしかないのです。

リーダーやマネージャーはその前提を踏まえた上で、メンバーに向き合うべきであり、安易で手抜きな情報伝達だけを行なってマネジメントした気になっているようでは、いつか必ず致命的なズレや歪みを生むということを、肝に銘じておかなくてはなりません。

3. 戦略・実行ともに理詰めで考え抜き、メンバーの無駄な努力や一生懸命を生むな。確実に成果を上げさせやりがいに繋げろ。

生きている会社は「熱」を起点に、つくられるという話をしてきましたが、「熱」を帯びた後にくるのが、「理」であり、その熱を達成するべく戦略や実行を理詰めで考え抜きなさい、という話がなされています。

その上でマネージャーとして重要なのが、実行レベルでも「理」を担保するということ。

多くの会社において、戦略レベルでの「理」を担保することは比較的容易であり、戦略眼に優れた人材を登用し、集めた情報やデータをもとに分析を行い、ある程度のレベルでは「理詰め」でシナリオを作ることができます。

一方で、それがこと現場における業務や戦術という実行レベルの話になった途端、数多くの会社が理を失い、全く合理的でない判断や業務が溢れかえっている現状があります。

以下、本書でも引用されている、本田宗一郎氏の言葉です。

こと会社の業務に関する限り理論を尊び合理的に処理する。(中略)単なる一生懸命は何ら価値がない。否、誤った一生懸命は怠惰よりもかえって悪い。一生懸命には「正しい理論に基づく」ことが欠くことを得ない前提条件である。

上記の引用でもある通り、マネージャーが戦術の方向性や判断を誤れば、メンバーが一生懸命に向き合った業務が全て成果に繋がらない無駄な努力になるということであり、当然ながらそのメンバーの評価や給与も上がらない結果となるでしょう。

人的資本という考え方が世界基準になりつつあり、かつ企業の寿命が人材のキャリア寿命よりも短いと言われるこの現代において、マネージャーはメンバーが自社や自組織において市場価値を高められるよう支援し、生涯のキャリアを通して活躍できるよう可能性を引き出す責任があると思っています。

そんな前提を踏まえると、一生懸命やっても誰にも喜ばれず何の成果にも繋がらない仕事を、マネージャーがメンバーに対して渡してしまうということは、絶対的に回避すべきことなのではないでしょうか。

マネージャーは、戦略と同様に、実行においても頭がちぎれるくらいに理詰めで思考し、メンバーの一生懸命の方向性は正しいか?今やっていることは本人のキャリアの糧になるか?という視点でモニタリングすることが重要です。

以上。

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