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2022年10月9日(日)読響創立60周年記念公演@石巻公演

読響創立60周年記念公演@石巻公演に行ってきました!


10月9日(日)、0泊3日という強行かつ弾丸のスケジュールで、読響創立60周年の東北ツアー@石巻公演に行ってまいりました。
「角野さんが東北でコバケン&読響とラフ2を弾く!」と知ったのは今年の1月。
このニュースに心が躍り、「これは行きたい!」と思ったものの、ちょうど日程が息子の野球の試合と重なるから難しいかも…と、その時から葛藤の日々でしたが、紆余曲折しながら、なんとか行くことができた…どんな思いで深い公演となりました。
その公演の感想メモのまとめ+αになります!
どうぞお付き合いくださいませ!

前半:ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番の感想メモ

・会場がとにかくきれい!名称には?となったけど、調べたら「石巻(まき)と芸術(アート)」というのがわかり納得!とにかく「白色」が美しく眩しい現代風の建物にワクワク。

マルホンまきあーとテラス。ロゴがかわいい!

・今回、私は2階席の左サイドから拝聴した。
とても見晴らしもよく、オケ全体の音を浴びることができるお席だった。

木の感じがとても温かみのある舞台であった。


・15時を3分ほど過ぎて開演。オケ団員さんを拍手でお迎えする。

・チューニングのあと、角野さんとコバケンさんが登場。

・お辞儀→ゲストコンミスさんと肘タッチ→お辞儀→椅子へ。大きな拍手が贈られる。

・ラフ2はピアノソロからなので、短い瞑想の後、鐘の和音を奏で…角野隼斗2022年「今」のラフ2のスタートである。 角野さんは今年6月にブタペストでラフ2を演奏している。日本では2022 年3月ぶりである。
(その時の感想メモツイートはこちら

・鐘→オケが加わる部分。その冒頭1小節目、読響の演奏にゾワワと鳥肌!なんだ!?この音色は! 今回は2階席からの観覧だったので、コバケンさんと読響が作り出す音色とホールの音響が相まってとにかく音のハーモニーの美しさに感動した。…まだ冒頭でこの感動で最後まで心の臓は持つのだろうか!?

・印象深かったことをいくつか。まず、角野さんの繊細なppの具合が好きだ。オケパートから引き継いで入り、間髪入れない具合が好きだ。と思ったら間(ま)をしっかりとってくるところ、繊細のppと裏腹の雷のようなffも好きだ!!
読響さんの波を打つような演奏、<>(クレッシェンド→ディミニエンド。p→f→p)の強弱のかけ具合が最高!いいねぇ!となりニヤニヤしちゃった。特に短いフレーズの中での<>は、こだわりというかプロの仕事を感じて鳥肌モノだった。

・音楽の曲調が変わる部分の入りがバッチリで心の中でガッツポーズする。

・1楽章終わりに拍手がおこる。(過去に3回、角野さんのラフ2を聴いているが、この場所での拍手は初だった)
その拍手に応えるよう、ぺこりと会釈する角野さん。私も小さくパチパチ(無音)しちゃう。

・2楽章、祈りの楽章。ピアノとフルート→オーボエのハーモニーが心に語りかけてきて「ああ、これが聴きたかったんだ」となる。
・ピアノとオケの対話、なんとも美しいラフマニノフのメロディと作り出される音色に涙が出る。

・2楽章の終盤、鐘のように高音で連打する打鍵の具合が印象深い。
音の粒の美しさや絶妙な加減、最後の消えるような音に、金子先生のお顔が頭に浮かぶ。金子先生の指セットでトレーニングしてたからこそ出せる「音の粒」なのだろうと思う

・2楽章終わり→3楽章は、最後のピアノの音が消えるのを待って始まる。いよいよ最終楽章だ。終わらないで~となる。(何度聞いてもきっと3楽章が来るたびに「終わらないで~」と思うのだろうな)

・3楽章、冒頭の1小節の中で行われる<>がプロの演奏ってこうなんだな!と、コバケンさん、オケ隊の皆さまに目も耳も心も釘付けになる。読響さん…演奏が超一流。 ・そして受け継く形で入る波打つピアノの音色に鳥肌。細かい音の粒、打鍵、さまざまな音色の使い分けに注目してしまう。 ・ピアノの前の間は2回とも短め。その間の具合、好き…♡となる(あ、でもこの間の部分は、好き嫌いの好みが分かれるのでは?と思う箇所でもある。奏者によってさまざまなので聴き比べをすると楽しい部分)

・ソロの後のオケ隊のなんとも美しいメロディライン→ピアノが引き継ぐ部分に涙腺&鼻腺結界。2回目登場した時もさらにとなる。

・涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔でうんうんと頷きながら「私がこうして諦められずに0泊3日で石巻にまで来てラフ2を観たかった理由」の答え合わせができた。「ピアニスト角野隼斗(Level27)のラフ2を聴きたかったんだ」

・最後のクライマックス。「うおおお(感動&終わらないでくれぇぇぇの感情の渋滞)」であった。

・拍手のシャワーが舞台に向けられる本当にブラボーな演奏であった。

・カーテンコールのあと、コバケンさんに背中をポンとされ、ソリストアンコールへ。少し考えて演奏をしたのは「キラキラ星変奏曲」だった。

・読響さんもニコニコな表情で聴き入る姿に心の中でドヤ顔する私。笑

・本当に最高のラフ2だったし、これからもどんどん進化していくのであろうなぁとも感じる。 今回のこの演奏、音源公開やCD化してほしい。と心から思った。

・とにかく…いろんな面でちょっと無理した今回の遠征だったが、諦めなかった私を褒めたいと思う。遠征に行かせてくれた夫と息子に感謝である。(お礼に二人の好きな萩の月を買った…私も食べる)

・15分休憩。2階席は建物の3階、トイレは1階にしかないためすぐ行かなきゃ!なのは承知していたのだが、しばらく感動で立てなかったのはいうまでもない。 まさに、腰砕けとはこのことだ、と思った。

後半:チャイコフスキー 交響曲第5番についての感想メモ

・前半のラフマニノフで、コバケンさんと読響の演奏にすっかり心を奪われてしまっていたので、ワクワク感マックスで聴く。

・コバケンさん、譜面なし。小柄なお身体でダイナミックな指揮、そして82歳とは思えないエネルギー溢れる指揮! 楽章始まりに、冒頭の音を出す楽器の方を向きおじぎ→楽章終わりにオケ全体に向きおじぎのスタイルにはとても胸に打たれた。

・コバケンさんの指揮は、「ここはこんな感じ」という指示が観ていて伝わってきて感動がさらに増した。

・音楽って感動するというのを全身で感じでまさに魂が震える、心があたたまる、そんな演奏だった。

・特に3楽章が大好きな私は、冒頭から号泣。笑
本当に美しくて、指揮にも演奏にも愛があふれていて、「ああ、今日ここに来られて本当に幸せだ!」という気持ちでいっぱいになった。
特に、コバケンさんがタクトを振らず、胸に手を当ててる指揮スタイルのところには、ぐっときてしまった。
(違う楽章だが、イナバウアーのように上体をそらして全身で指揮をするスタイルにも、本当に感動した!)

・4楽章のクライマックス。1楽章から3楽章をしっかりまとめてくるチャイコフスキーさんは天才!とも思う。
まるで1800年代の映画を観ているかのような、60分だった。本当に素晴らしかった…!

余談「チャイコフスキーは心に残るメロディラインを作る天才」

かつて、角野さんも仰っていたが、チャイコフスキーの作り出すフレーズは本当に印象深く残るので「天才だなぁ」と思う。
私自身、チャイコフスキーは「チャイ様」とリスペクト込めて呼んでしまうほど好きな作曲家ベスト5に入るのだが、大好きな曲が本当にたくさんある。
たとえば、弦楽セレナード、バレエ音楽(くるみ割り人形、眠れる森の美女、白鳥の湖)、ヴァイオリン協奏曲にピアノ協奏曲、そして今回の交響曲(やっぱり三大交響曲と呼ばれる、4番・5番・6番が好き!あと、大序曲「1812」も!)、あと小品も…と上げ始めたらきりがないのだが、本当にチャイ様の作る音楽というのは、本当にダイナミックかつドラマティックで、映画を見ているような気持ちになるものが数多くある。
それが、今回のコバケン×読響の公演で、「チャイ5」の音を全身で浴びて、心の底から感動して、改めてチャイ様にも「素敵な音楽を残してくれて本当にありがとう!」と感謝したのだった!笑
(余談終わり)

アンコール:「ダニーボーイ」と「赤とんぼ」感想メモ

・鳴りやまない拍手。
コバケンマエストロは、その大喝采の中、本当に丁寧にオケの皆様に拍手を贈り、私たち観客に素晴らしい演奏をしてくださったメンバーを紹介をしてくださった。
私は、顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら(マスクしてて本当によかった案件)、2階席から精一杯の拍手を贈る。

・コバケンさん、一度袖に下がりマイクをもってご登場。まだ盛大な拍手!

・ご挨拶のあと、ファゴット奏者 井上 俊次さんをご紹介。(井上さんは石巻ご出身とのことでした)
・そして、コバケンさんが、
「今日はアンコールにダニーボーイを演奏したいと思います。今、僕の大好きな国のすぐ隣で戦争が起こり、悲しいことが世界中で起きていて、一日も早く平和が訪れるように、そう祈りながら演奏したいと思います。それで、今日は、角野くんにもちょっと手伝ってもらって…ピアノ出るかな?」
というと、上手のドアが開き、なんとグランドピアノと角野さんが待機していた!!!
ゴロゴロと搬入されるピアノ。そして、その隣に微笑みながら立つ角野さん!

・コバケンさんに、
「角野くん、ちょっとさ、ダニーボーイの最初のところ、弾いてくれない?」
というような感じに促され、ダニーボーイのメロディをニコニコしながら奏でる角野さん。「すてきだねぇ」と、コバケンさん。観客はもちろん大拍手!

・じゃあ、はじめよう。
というような感じに、アンコール本番スタート!
冒頭はピアノソロから入り、角野さんがコバケンさんにうなずき合図をすると、オケの皆様の演奏が始まる。

・それはそれは、心がぎゅっとする、本当に素晴らしい感動的なアンコールだった。コバケンさんの指揮、読響の素晴らしいオーケストレーションに、角野さんの極上のピアノ!こんな最高なことってありますか・・・。
嗚咽を抑えながら号泣していると、周囲からも鼻をすする音も聞こえた。

・止まない拍手に、コバケンさん、またマイクを取る。
「角野くん、あれ、赤とんぼ弾いてくれない?」
に、一同笑いながら拍手!笑
角野さんも、もちろん笑っている!

・ピアノに角野さんが座ろうとしたタイミングで、語りだすコバケンさん。
ちょっと席が遠かったからか、あまり聞き取れなかったのだけど、お若い頃読響と共演した時のお話で、その公演の期間にお父様がお亡くなりになった時のお話だったような…。
そして、今こんな立派なオーケストラになって・・・。
と、客席大盛り上がり!で、読響団員さんも一同起立!

・「おお!この雰囲気は、角野さんに赤とんぼを振ったけど、もう終わりになっちゃうかな?」と思ったら、しっかりコバケンさん。
「あ、角野くん、ごめん。赤とんぼ弾いてね。ぼく、ここで聴いてるから」
と、チェロの椅子にハンケツ状態で座るチャーミングさ!笑

・そして、角野さんは、リクエストに応えて、なんども転調を繰り返すおしゃれな「赤とんぼ」を石巻のホール全体に演奏してくれた。
本当に素敵な演奏だった。

化粧は落ち、腰もくだける…極上の石巻公演

以上が公演すべてのレポートです。
「とにかく素晴らしい演奏会」で、しばらく立ち上がれそうになかったので、座席でゆっくりアンケートを書き、マスクを交換し、5分後にようやく立ち上がれました。笑
そのままお手洗いに直行し、鏡で自分の顔を見ると…アイメイクもチークも全部落ちのっぺらぼう状態に。
幸い、まつ毛はマツエク効果で、なんとか無事だったので、こういうとき、マツエクしていてよかったと思います。笑
(マツエク=まつ毛エクステ。まつ毛の付け毛です。)

とにかく、「コバケン×読売日本交響楽団×角野隼斗」の東北公演は、本当に私の心に一生残るであろう、そんな演奏会になりました。
この東北公演は、発表の当初から「公演に行きたいけど、息子の野球の公式戦の日程とかぶりそうだからい行けない…でも行きたい!」と、何度もあきらめようとしたけれどあきらめきれず。笑
息子の試合がない日程の公演ならば!!!と思い、やっと手にできた「いわき公演」のチケット。
しかし、このチケットも、天候の関係での試合日程変更により手放すことになったときは号泣したけれど、奇跡的に「石巻公演」のチケットを手にすることができました。
「試合の前日だけど、行ってきていいよ!」と送り出してくれた息子、家族や友人のサポートがあって、この公演に立ち会えてたことを、心から感謝しています。
そして、「このような素敵な演奏会を観られたのは角野さんのおかげ!」と、今回もまた、角野さんに感謝の気持ちでいっぱいになったのでした!

角野さんに出会ってから、音楽のすばらしさを改めて知ることができて、本当に幸せいっぱいです!
角野さんに出会えてよかったな~~~!!!
(ちなみに、石巻公演から東京に戻った日の午後行われた息子の公式戦は、10ー1で無事勝利し、準決勝にコマを進めました!ホッとしました!)

(おしまい)

おまけ:高速バス遠征日記

今回、0泊3日の「往復高速バスプラン」での仙台・石巻遠征でした!
なかなかハードな高速バス遠征ですが、個人的には「朝からアクティブに楽しめる」ので(いまのところ)大好きです。笑
仙台遠征の参考になればと思い、「遠征レポツイート」をシェアさせていただきます!
今回、たまたま立ち寄った、パン屋さん「Velvet」が最高だったので、仙台近郊にお住まいの方、また仙台遠征の時のモーニングスポットに超おすすめしたいです!



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