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アンパン被っても宇宙には行けないよ

海がキュッと縮んで、波が失せて、あとに残ったのは凍えた指先だけで、私はなんとなくランドセルになって、犬の鼻先で遊んでた。

愛すること、と、報われないこと、は、やじろべえのようです。明らかに海に沈めたい。サンゴ礁につまづきながら、海底散歩をしている。嘘じゃないよ。身体のあちこちにアサリを埋め込んで、口がパクパクと開くたびに、すこしかゆくなるのだ。いつか、言葉を大切にしている、といってくれると、すこし嬉しくなる。それがキングコングとの会話でも、やっぱりすこしあたたかくなるよ。

海にしずくが落ちて、水紋がようようと伝っても、誰にも気づかれやしない。でもマカロニサラダを夕食につくる、母親の微笑みには泣きたくなるくらいの優しさがあって、私も、弟も、その手のしわには気づけなかったけれど、いつのまにかの当たり前を、気付いたら飲み込んでいたのだけれどね。

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