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一過性脳虚血発作に襲われた話

27にして軽く脳卒中を起こした。
一過性脳虚血発作というらしい。脳梗塞の一歩手前だ、と医者に告げられて背筋が凍った。

今週の日曜のことだ。
いつも通りカフェで仕事をしていると、急に頭痛がした。もともと片頭痛持ちなので、たまにチクチクと痛むのだが、その日の頭痛はものが違った。頭を万力で締められような圧迫感とでも言ったらいいのか。とにかく痛いというか重いというか、そんな頭痛で目の前の景色がシパシパと白く点滅し、指先は痺れ、終いには目の前がほとんど見えなくなった。

同時に急激な嘔吐感に襲われ「やばい、このままじゃタリーズの床をゲロまみれにしちまう」と思って立ち上がる。景色がぐにゃと歪んだと思ったらもう倒れていた。店員が慌てた様子で駆けつけてくれたが、目の前が白くぼやけているので顔も分からない。支えられながらトイレに向かい、座り込んで盛大に吐いた。

そのうち目の前の景色が戻っていき、頭痛も治まり、すっかり楽になったのでお礼を伝えて店を出た。おかしいと思って翌々日にクリニックに行くと「ストレスか、メニエール病だろう」と告げられた。一応とのことで中規模病院を紹介してもらう。その後、MRIで一過性脳虚血発作であることが判明した。

私は生まれつき心臓に穴があいている。心房中核欠損症という病気だ。それは高校生のときに医者から知らされた。当時は突然左眼だけが真っ白になるという妙な疾患にかかり1週間検査入院をした覚えがある。血栓が勢いよく流れ、心臓の穴をくぐり抜けて目の血管に詰まった結果、見えなくなったといわれた。

今回はそれが脳の血管に飛んだらしい。一般的な一過性脳虚血発作とは違い、本格的な脳梗塞にはつながりにくいそうだ。謎の点滴を受けたあとに「タバコを辞めてください」と言われた。これがイチバンきつい。血栓ができやすくなるそうだ。禁煙外来も進められた。思ったよりも負債が早く回ってきたなと、それと血圧を下げるためによく眠れとも言われた。

まぁしかし生きるためである。アラサーにしてここまで死に近づくと思っていなかったが、さまざまなことを見直す時期に来たことを実感した次第だ。

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