見出し画像

ライフストーリーがつなぐもの

話し手がいて、聞き手がいて、話し手の人生=これまで生きてきた軌跡、出来事や想いなどを、インタビューを通じて文章にまとめたものが”ライフストーリー”です(定義は色々あるかもしれませんが、私たちの定義です)

自分のこれまでの人生の棚卸のためにライフストーリーを作る。
地域史を作成するために、地域住民のライフストーリーを聞く。
祖父の人生の記録を残すためにライフストーリーを作る。

個人で制作する場合、こういった場面が想定されます。その際、「過去」を「残す」という部分がフォーカスされがちですが、ライフストーリ―には、もっともっと広い価値があると思っています。

「過去」から「未来」をつなぐ

答えは自分の中にある、なんて表現をされることがあります。
ライフストーリ―は、話し手と聞き手のインタビューをもとに制作されます。話し手は、聞き手に質問されることで、忘れていたことを思い出したり、自分の経験を言語化したり意味づけしてみたり、そんなプロセスを経ます。「過去」に囚われすぎてもいけないかもしれませんが、「過去」の自分の言動から浮かび上がる、価値観や大事にしていることを再発見する機会になるかもしれません。自分の人生をたっぷり振り返ったり、言語化する機会はなかなかないと思います。ライフストーリ―は「過去」を見つめることで、「未来」の生きる道標を探す機会にもなります。

「人」と「人」をつなぐ

以前、大学の授業で、地域の方に学生がインタビューをさせていただきました。
農家のご一家で、お父さん(70代)にインタビューをする予定が変わって、急遽息子さん(40代)にインタビューをすることになりました。学生が、息子さんがインタビューを受ける様子を、傍らでお母さんが見守っています。終わった後、お母さんに感想を聞くと「はじめて息子がしゃべっているのを聞いた」というのです。少し驚きました。と同時に、そうだよな、という気持ちも。
小さいころの両親との思い出、自分を変えた過去の体験、農業に対する思いや将来のビジョン。子育ての考え。
親子で改めて話すことって(家庭にもよると思いますが)、そんなにみんなやってないよな、というのが周りの話を聞いていると思う感覚です。息子さんの農業に対する想いを聞いたお母さんの目はちょっと滲んでいたように思います。

学生(第三者)が聞き手となって、息子さんが話し手として話し、お母さんが傍らでそれを聞いている。この三者が、つながり、またそれぞれに変容が生まれのが、聞き書きを使ったライフストーリ―づくりなのですが、その話は長くなるのでまた。


ライフストーリー制作にご興味がある方は、以下よりご連絡ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?