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剣道 一本の条件

はじめに

剣道は審判による判定競技であり、一本の条件(勝利条件)が他のスポーツと比べてやや不明確な面がある。

剣道の一本の判定を難しくしている要素として、精神面や剣道の文化的側面がある。

以下、剣道の一本の条件について記載している内容については主観的な意見で書いていること、一方で七段の資格をもつ先生との話しの中で理解したこと、全日本剣道連盟のコロナルールに関して記載された内容をもとに主観的な理解で書いていることを踏まえて読んでいただきたい。

全日本剣道連盟によると

有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し残心あるものとする
となっている。

https://www.kendo.or.jp/wp/wp-content/themes/kendo/assets/library/pdf/kendo-shiai_regulations.pdf


要素ごとに簡単に整理すると、
充実した気勢、適正な姿勢をもって
とは、相手を打突する時は気合の入った大きな声で面や小手と発し、崩れていない綺麗な姿勢で打たなければならないですよと言う意味となる。
・打突部
打突部位を刃筋正しく打突し
とは、竹刀の先端からおおよそ1/3あたりでかつ竹刀の弦の反対側で相手の面布団、小手布団、胴の側面を打つ必要がありますよと言う意味となる。
・残心あるものとする
とは、相手を正しく打突した後も相手の次の攻撃に対応できるように、緊張の糸を切らさずに構えなどの姿勢を取る必要がありますよという意味となる。

竹刀は本物の刀であるという考え

剣道では竹刀は本物の刀であるという前提で試合を行なっている。その考えのもと、一本になる基準は以下のようにも考えることができる。
※以下の考えは私の主観的な考えが入っております。

今の打突は、相手に致命傷を与えたかどうか。
もっと簡単に言うと、相手の身体を刀で深く切ることができたかどうか

引き技は2倍の速さと強さで打つ

七段の資格をもつ先生に引き技は前に踏み込んで打つ技よりも、2倍の速さと強さで打つ必要があると習った。

竹刀は本物の刀であるという考えと七段の資格をもつ先生の言葉から、引き技の一本については以下のように考えることができる。

引き技は、後ろに下がりながら打つ技で、前に踏み込んで打つ技と違って、自身の体重を竹刀に乗せることができない。もし、引き技の際に本物の刀で相手に致命傷を与えようと思ったら、ものすごい速さと力強さで打突する必要がある。
このように考えると引き技は、前に踏み込んで打つ技よりも2倍の力強さと速さが求められることに納得できる。

精神面の考慮

※以下の内容については、コロナルールの文言の一部を主観で汲み取り記載しています。

上記のコロナルールの内容から、剣道の精神面の特徴として、姑息な戦い方ではなく、正々堂々と前に向かって勝負しましょう。という考えを汲み取ることができる。

剣道は、受け身ではなく積極的に前に出て自ら技を出す戦い方が推奨され好まれていると解釈できる。

当たってはいるけど一本になりきれない場面では、このような精神性が足りないと判断されている可能性が考えられる。

まとめ

基本的な一本の条件は、
充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。
で問題はないと考える。

それに加えて、本物の刀だったら今の打突は相手に致命傷を与えることができたか、という視点と、正々堂々と前に向かって勝負できているかという視点を考慮すれば、より一本に近づくことができると考える。

おわりに

剣道の一本の条件は、他のスポーツよりも考慮事項が多く難しい。しかし、それが剣道の奥深さで面白さでもある。
以下の動画も、1本の条件について考察されているものなので見てみてください。

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