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本当は教えたくない、中国越境EC・インバウンドに取り組む企業がおさえるべき「価格」

みなさん、こんにちは。
中国越境EC・インバウンド専門 JUTOU株式会社の辻です。

今回は非常に重要なお話をします。
セミナーとかで偉そうに話そうかなと思ってたのですが、まあいいです。(笑)

これまでは空前の日本製品ブームだったので、波にさえ乗ってしまえば「価格」を気にせずに買ってもらえたのですが、2018年下半期くらいからある程度このブームも落ち着いてきて、これまで調子よかったメーカー、ブランドも頭打ちになったり、下降気味になってきたりしています。今後ますます勝ち負けがはっきりするでしょう。

プロモーションの精度が悪すぎる、投資が足りない、中国電商法の影響だ、といった要因も上げられますが、「商品の価格」というのは非常に重要だと考えています。

日本でも中国でも、どの国にも、商品ごとに「お買い得価格」があります。マスが手を出せるボリュームゾーンの価格帯ですね。
日本企業、特に化粧品、日用品などの人気カテゴリのメーカーに言えることですが、日本から商品を入れているので、価格的にお買い得でない商品が圧倒的に多いのが現状です。
それでももちろん買ってくれる層はいるのですが、全体から見たら一部で、その割に競争も激しく、ブランド認知度をもろに見られるので、マーケティング・プロモーションが大変です。

今後のプロモーションやマーケティングをする上で、「商品の価格」についてはめちゃくちゃ気を使っていただきたいのです。

そこで私がいつも意識している数字をご紹介します。

「30元・50元・100元・1.3倍」

です。家電など、一部例外はあるものの、化粧品、日用品、アパレル、食品とかは結構これに当てはまります。以下、超簡単に解説しておきます。

①~30元:~30元がマスの「お買い得価格」になることが多い。この商品価格で勝負できるとマスを狙える。競争も激しく、利益が取りにくいが、オフライン店舗でも売れやすいため、現地でずぶずぶにやっていくならこのラインの商品は持っておくとよい。

②50元~:マス、2級、3級都市以下のエリアの層でも手が出るギリギリライン。

③100元:日系ブランドが本来切りたいライン。100元を超えると動きが鈍くなるため、ブランド認知度を高めるプロモーションなどに投資をしないといけなくなる。商材名キーワードでのCVも取りにくくなる。

④1.3倍:日本国内での販売価格に対して1.3倍くらいで中国で売るのが理想。実際、越境ECの販売価格は1.2倍くらいが相場になっている。
また、ローカルの「お買い得価格」商品の1.3倍以内の価格で商品を投下できると中国人ユーザーは同じ棚に並んだときに日本製品に手を出しやすい。

私の場合は、中国事業に取り組もうとされる企業さまからご相談をいただくときには、この数字を考えながらどうやっていこうか決めます。
特に気を付けたいのが③で、100元を超えてくると「ブランド」「クチコミ」をめちゃくちゃみられて全然商品動かないので、結構しんどいです。

是非、マーケティングをするときにはご参考いただければと思います。


現状、日本企業の多くが「日本国内の既存商品ありき」なのは、仕方なのないことですが、今後は間違いなく中国市場も見据えた商品開発も必要になりますし(価格、成分含めた)、もっというと「現地生産・現地販売」で売れる体制を確立できないと中国市場で永続的に成長はできないと考えています。

資生堂さんがアリババと戦略提携して現地での商品開発に力を入れているのも上記を考えてのことだと思います。

その体制を1つでも多く作れるように私もがんばります。

ありがとうございました。

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