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すごすぎる寄生虫・タイノエ

魚は甲殻類に寄生されることがあります。それは、海の中だからいろいろなものがいるのです。哺乳類は吸虫や原虫が多いのですが、甲殻類寄生があまりありません。こうしたことも、魚病を学習する過程で、寄生虫の動画を延々とみたからです。勉強はするものです。


タイノエとは

その中でも面白いのが、タイノエです。ウオノエとも呼ばれます。タイの口腔内に寄生しているので、魚の餌、鯛の餌と呼ばれるようです。画像検索すると、鯛の口からこの虫が顔を出しています。

ウオノエは分類では

  1. 軟甲綱

  2. 等脚目(ワラジムシ目)

  3. ウオノエ亜目

  4. ウオノエ科

というように、等脚目(ワラジムシ目)の甲殻類です。

腹部えす
背面です。

タイが可哀そう、、、

タイノエは口器で宿主を傷つけ,流出する血液を吸引していると考えられています。タイノエはマダイの1歳から寄生し,宿主の成長と共に大きくなるが宿主が小さい時は,タイノエの寄生によりマダイの口腔が変形し,摂食が困難となり衰弱することがある(そうです。さらに2歳以後になると,マダイはタイノエの影響を強く受けて発育を阻害されるとも。

寄生虫学の映像では、このタイノエが鯛の口に足を全部使ってがしっとくっついています。場合により頭蓋骨が変形するそうです。鯛、気の毒すぎます。でもこれが発見されると、「鯛の福玉」と呼ばれて縁起がよいそうです。
タイにとっては迷惑ですが、英意義者として珍重されるそうです。


ここにここに入学することがなければてにはいらなかったものです


筆者も一度は釣ってみたいと思います。

貴重な標本に感謝

と、ここまで原稿は出来上がっていました。しかしほかの方の画像を借用するのも失礼なので、図鑑とかでいいか、と思っていたところ、標本をいただいたのです。同じ研究室の大学院生も方からでした。
彼の話では、早朝に唐戸市場にいくと、タイノエのついている魚があるそうです。そこまで追い求める余裕がありませんでしたが、結構身近にいるものですね。水産大に行ってよかったです。

似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)

標本をくださった林源基さんに感謝いたします。


似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/edit/
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/


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