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一級建築士・奥村さんは実はすごい人だったその1(公団住宅内ロフト)

ユニークな建築設計士としての奥村さん


さて、この奥村さん、前2編の飼い犬話でご紹介をした方です。本来の職業は一級建築士です。そして大変ユニークな設計をされる方でした。単なる犬の家来ではないのです。

奥村氏2000年ころの様子

一級建築士というと図面だけ引いて現場に行って指図する印象が大変強いのですが、奥村さんは違っていました。現場で大工さんがわりにものを作るのです。注文する人は皆、彼を大工さんと思ったりするのですが、本人は「これはあくまでも建築のサンプルを作るのであって、私は、大工さんや工務店の人ではありません」という説明をされていました。

奥村さんに依頼したもの

愛犬のにざえもんが死んでしばらくとても元気がなかった奥村さんですが、そのうちいろいろな場所で仕事をするようになりました。中で寝られる設備のある軽乗用車で日本全国を移動されるようになりました。

そのうちに。私どもがは豊橋市の公団住宅に住むようになりました。階段がすり減った築30年以上経っている公団住宅の三階が私たちの住まいでした。

ここに息子たちと夫と私が住んでいました。部屋も狭いのでここでも縄張り争いのようなものが生じ始めました。そこで奥村さんに依頼をしたことがあります。それは押入れを利用したベッドを作ってほしいということでした。ベッドの写真があまりのこっていないのが残念なのですが。見つかったらまたアップしようと思います。
このベッドは本人が気に入った上に大変好評でした。利用したのは古いタンスの引き出し、そしてベニヤ板、それだけでした同じ公団住宅に住む同年代の子供が入れ代わり立ち代わり見に来て、中でもそのベッドに泊まる子供まで現れました、お母さんたちも見学にやって来ました。

次に作ってもらったもの

その代わりにご紹介するのが私が依頼した。ロフトというか、公団住宅内の中二階のようなものです。そもそもこの時私はお琴とを習っていました。

これがそのロフトです

琴を弾くときに広げる必要があります。公団住宅内にその場所がありませんでした。「お琴を弾く場所が欲しい」と言うの私の願いに応えて奥村さんが作ってくださったのが写真のような中二階です。

すべてツーバイフォー木材で出来ていて、音の先端は押入れの中に入るようになっています。奥村さんはこうした利用が得意だったようです。公団住宅なので改造は禁止です。釘を打ったり、板を切ったりもできません。
押し入れの扉を外しただけですぐに原状復帰できるようになっています。この時もうちで寝泊まりはせず、車で寝泊りされました。食事だけは一緒に撮っていただきました。

場所をとられたような感じです
こうしたところが子供に受けるんです

こうして数日で出来上がったお琴演奏用ロフト。私は大変気に入りましたので、転勤の際も分解して自宅に持ち帰りました。
このロフトのすごいのは、私の居場所だけでなく、子供の居場所まで作ってしまったことです。なぜかこの一回の板を敷いたところで寝る子供が続出しました。

階段もしまえるようになっています。これだけのものをあっという間に作れる本当にすごい人、それが奥村さんです。

ほかの作品も紹介しています。
一級建築士・奥村さんは実はすごい人だった・その2タンス利用のベッド|似内 惠子 (note.com)

奥村さんと飼い犬の話はこちらです。
にざえもんという犬の話|似内 惠子 (note.com)

似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)

似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/edit/
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/

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