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社会人のための獣医学科(獣医学部)受験講座2

先に書いた社会人のための獣医学科受験講座一般原則なので、もう少し詳しく書いてみようと思います。今回は実践編です。

1 まず資金調達が必要です

勉強と並行してしなければならないことは、まず資金の確保です。働いている方、6年間勉強優先で生活しなければならないのですから、かなりの資金が必要です。
特に最後の2年はアルバイトの時間がないと思ってください。大学生になる、というよりこれは「起業」なんだという考えが必要です。
それはなぜかというと、その資金を自分の学力と技術に投資するからです。リターンは本当にあるのか?また、卒業してからの見通しも考えなければなりません。1年・2年の時は教養科目が主ですので、比較的時間がありますが、研究室に編入されたりすると、ほとんど自由になる時間がありません。

アルバイトで生計を立てながら通学という方法は全く不可能ではありませんが、かなり難しいでしょう。また、私学によっては、かなり辺鄙な場所に大学があるので、そういった制約もあります。大学の場所によっては、下宿から大学まで通うのにどうしても車が必要な場合もあります。その意味で、働きながらというのはかなり難しいといえます。

2 周囲の同意と理解も必要です

すべてのことを自分だけで決めないことです。もう一度勉強したいというのは恥ずかしいことでも何でもありません。
まずご家族に相談なさってください。
この段階で周囲を説得できないようでは、6年間プラス研修期間を過ごすことはできません。特に結婚されている方、配偶者の理解なしには何事もすすみません。数字の裏付けに基づいた相談をすることが大切です。

3 経費についてよく検討する

1年、2年時はともかく、研究室に入ると生活資金をアルバイトだけに頼るのはかなり難しくなりますので、十分な資金と計画性が必要でしょう。大学によっては、教養課程と専門課程が違う場所にある大学もありますので、その際の経費も考慮する必要があります。また、獣医学関係の書籍は一般の医学書より高い、ということも忘れないで下さい。

4 就職先についても早めに考える

卒業後の就職については、卒業時の年齢が採用基準から外れていなければ、試験を受けて公務員になることも可能です。最近は採用の最低年齢も伸びてきました。その意味では社会人にも有利です。
また、最終的に開業を目的にしておられるなら、1、2年の研修先を探す上で、数年の後れはそれほど問題にならないと思います。大切なのは熱意と技術です。一般企業への就職は、その企業がどれだけ獣医師を必要としているかによると思われます。獣医師も就職はやはり景気に左右されるので、現在のお仕事を辞められる場合はよく考えてからにして下さい。

【参考サイト】
この前後に2編書いていますのでご覧ください。
社会人のための獣医学科(獣医学部)受験講座1


社会人のための獣医学科(獣医学部)受験講座3

似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/publish/

オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/



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