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自由と民主主義を謳歌する日本は自由と民主主義を守ろうとする闘いを支援しなくて良いのか

日中共同声明によれば、日本国政府は、中華人民共和国政府が『中国』の唯一の合法政府であると承認しているものの、もしも中華民国政府自身が自分たちはもはや『中華』を呼称せず、従って『中国』ではない、むしろ『台湾』であると宣言し、「中国であることを放棄」して『台湾』という名の新国家を樹立すれば、果たしてどうなのだろう。日本国政府が、中華人民共和国政府を『中国』の唯一の合法政府であると認めながら、同時に『台湾』という名の新国家を承認することも可能なのではなかろうか。

日本国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるとの中華人民共和国政府の立場を、十分理解し尊重すると表明しているに過ぎず、「台湾自身」が新たに新国家樹立を宣言した場合については言及がない。

中華民国は、国民投票などを経ることによって、自ら中華の呼称を捨て、台湾民国として生まれ変わる。その新国家を、日本が直ちに承認する。これにアメリカも加わり、日米台の三国安全保障同盟を確立する。

あり得ない戦略だろうか?

本来、あり得なくはない。
現行憲法(第9条)によって、国家の主権の一部が削除されているために、いちいちアメリカ合衆国政府のご都合をお伺いしなければならない日本国政府には、手間が掛かり過ぎて、途方もない話に感じられてしまうだけのことである。

中国と戦争になるのではないかとの危惧は当然自然に発生するが、果たして、中華人民共和国政府には日米と本格的な戦争を始める度胸があるだろうか。
ロシアが中国の応援にまわるだろうと、いろいろな想定が可能だが、そもそも中露両国とも、全面戦争を仕掛けてくる余裕など、まったくない筈だ。
国の内部崩壊をもたらす恐れのある賭けに、躊躇なく臨むことなど、できない筈である。

換言するなら、中国は、できもしないのに戦争の可能性をチラつかせて脅し、その恐怖感を以って身勝手な言い分を押し通そうとしている。
何のことはない。
それなら北朝鮮とも同類の、要は単なる暴力団、反国際社会的国家である。

中国の反国際社会的な振る舞いを看過することと、台湾の自由と民主主義を守ろうとする闘いを支援することの、どちらを、私たち日本は選択すべきなのか。

答えは、言うまでもない。