FM局 J-WAVEによる大学生・専門学生コミュニティ「WACODES」。

WACODESメンバーがシチュエーションに合わせて選曲し、プレイリストを作るこの企画。音楽やカルチャーが好きなWACODESの選んだ音楽が、日常の名もなき瞬間を彩ります。

今回のシチュエーションはきのこ狩り。題して「きのこ狩り中に聴きたい曲【SideA】」。
シチュエーションに合わせたエッセイとWACODESによるコメントを合わせてご紹介します。

＜プレイリスト＞

＜食べ物と縁＞

　我が家はスーパーにサツマイモが並ぶ時期に、スイートポテトを作る習慣がある。そのレシピは母がどこかの料理本からモノクロコピーしたプリント一枚に載っているもので、我が家では「伝説のレシピ」と呼ばれている。言わずもがな、私も幼いころからそのスイートポテトが大好きだった。

　高校一年生の秋、私はふとスイートポテトを焼いて学校の仲の良い友人に配ろうと思い立った。今となっては、なぜそんなことを思いついたのかわからないが、その時はその衝動に駆られるかの如く焼いた。気が付くと想像よりはるかに多いスイートポテトが出来上がっており、翌日紙袋いっぱいに詰めて持っていく羽目になった。

　私が高校一年生だったころ、世間は新型コロナウイルスの影響で落ち着かない様子だった。そんなアブノーマルな時代にうまく適応できなかった私は、クラスでグループが固まってきていた時期にどのグループに所属しない浮遊した存在になっていた。誰かにいじめられていたわけでも、陰口を言われていたわけでもなく、ただ単純にうまく心を開くことができていなかった。

　他クラスにいる中学からの友達に自作のスイートポテトを配り終えてもなお、私の手元には2,3個ほどの余りが残っていた。先ほど渡し終えた友達に二つ目を渡すことも考えたが、せっかくの機会だと思い、クラスメイトに話しかけて渡してみることにした。傍から見れば本当に滑稽だったと思う。ほとんど話したことのない男子に「あの、昨日実はスイートポテトを作ったんだけど、余ってて、よかったら食べてくれない？」と話しかけていたのだから。しかし、その男子は訝しげな表情を浮かべることもなく、ただ純粋な食欲をにじませて「え、いいの？食べたい！」と喜んで受け取ってくれたのだった。そして私の目の前で、美味い美味いと言いながらきれいに平らげ、二つ目をせがんできた。私は可笑しくなりながら二つ目を差し出した。

　それ以降、その男子と会うたびに「スイートポテトをまた作らないのか」と催促されるようになった。次第に他愛のない会話もするようになり、共通点も重なってとても仲良くなった。彼のおかげなのかわからないが、私はそれからクラスにもなじめるようになり、周りに心を開けるようになっていった。

　ありがたいことに今でもその男子とは連絡を取り合い、近況を報告しあっている。秋の味覚が作りだした奇妙な縁だが、これからも大切にしていきたいと思う。

＜選曲理由＞

・マッシュルームマザー/ピノキオピー
泣くな　胞子が飛ぶからね！
by てぃん

・毒きのこの曲/0am, ゆづっこ
毒きのこには注意しよう。
by かっか

・デイジーお味噌汁（Instrumental）/星野源
シンプルな木の音が森っぽいと思いました
by Kaas

・ツチノコ/水曜日のカンパネラ
きのこ狩りのついでにツチノコも見つけちゃったりして❔^_^
by chisato

・I'll Follow the Sun/The Beatles
マッシュと言ったらビートルズ
by k²

・Flying/The Beatles
サイケなキノコな気分・・・？
by けい

・きのこの唄/きのこオールスターズ
きのこといえばこれ
by タナカ
きのこモチベが上がる
by あか

・刀狩りは突然に/レキシ
きのこ狩り→狩り→刀狩り、です…知ってる曲の中でヒットしたのがそれだけだったので…笑
by とらいある


〈#WACODES の #プレイリスト 〉