冬の東北。
普段東京に住んでいる者にとっては、いささかハードルの高さを感じる響きです。

今の時期に青森、中でも弘前に行くことにしたのは、弘前れんが倉庫美術館で開催中の「松山智一展」を見たかったから。

本当は3月下旬から4月あたり、少し暖かくなったくらいの時期に行きたかったのですが、なにしろ会期が3月17日までということで、悠長なことは言ってられず。
他の予定との兼ね合いもあったので、先日の三連休を使い、一泊二日で弘前一人旅を決行してきました。

2月24日。
新青森駅で降りた瞬間、東京とは全く違う空気の冷たさに「冬の東北にきたわぁ〜」と胸が高鳴ります。
奥羽本線、特急つがるに乗り換えて弘前へ。

弘前駅は思ったよりも大きく、いきなりストリートピアノの演奏が出迎えてくれるような、文化の香りがする駅でした。（次の日も小さな女の子がのびのび演奏していた。）

まずは、夜ご飯の調達に向かいます。
皆さんは、地元の名物を食べたいけど、外食するにはハードルが高い！と思うこと、ありませんか？
「地酒と肴のうまい店」みたいなのに行くのってすごく憧れるのですが、私、一人で居酒屋に入れないのです…。それで何度、一人旅の夜ご飯がコンビニ飯になったことか。

そんな悲しい思いをしないために、事前にリサーチをして見つけたのがこちら、虹のマート！！

市民の台所として、生鮮だけでなくお惣菜やパンなども販売している市場です。
弘前駅から徒歩5分なので、観光客でもアクセスしやすいのがありがたい◎

今回はこちらで、弘前名物いがめんちと、青森県産ヒラメのお刺身、お酒のおつまみに菜の花とイカのアンチョビ炒めを購入。無事、夜ご飯ミッション達成です！

一旦駅に戻ってタクシーに乗車。次は「津軽藩ねぷた村」へ向かいます。

道中、タクシーの運転手さんと平和なお喋り。

文面では伝わらないですが、青森訛り、可愛い…。
たった数分のお喋りでしたが、ほっこりした気分になりました。

ねぷた村では、ねぷたの展示を見るだけでなく、津軽三味線の生演奏を聴いたり、実際に太鼓を叩いたりもできます。

ちなみに、「ねぶた」と「ねぷた」の違い…ご存知ですか？
いわゆる「ねぶた祭り」は睡魔を追い払う「眠り流し」という行事が起源になっているようなのですが、「眠り」が訛って「ねぶた」「ねぷた」になっているんですね。
青森市をはじめとした沿岸部では「ねぶた」、弘前市のような内陸部は「ねぷた」が使われるとのことで、意味はどちらも同じなのでした！

弘前市のねぷたは扇型。
立体的な人型になっているものではなく、扇の平面に人が描かれています。

それにしても、ねぷた、でかい！
2、3台でもかなりの迫力があるというのに、祭りの際には大小合わせて80ものねぷたが練り歩くというのですから、それはそれは壮観でしょう。
絶対ねぷた祭の時期にも、青森に来たい。

ねぷた村でお土産も買い込み、歩いてすぐの所にある弘前城へ。

早速天守閣へ…向かいたいところですが、小腹が空いたのでこの辺りでティータイム。
城内の喫茶で、アップルパイ食べ比べセットをいただきます。

市内にある「タムラファーム」さんと「菓子司みしま」さんのアップルパイだそうです。
一方は甘酸っぱいジャムが入ったパイで、もう一方はゴロゴロとしたコンポートが入ったパイ。
中のリンゴに合わせて外のパイ生地もそれぞれ異なる食感＆風味で作られているのが面白い。違いを楽しめる食べ比べセット、お得です。

エナジーチャージができたところで、改めて天守閣へ。
雪の降る中、しーんと静まった城内をサクサクと歩いていくのが心地良い。

弘前城の天守閣は、私の地元、香川県の丸亀城くらいミニマムで、親近感が湧きました。

その後、旧弘前図書館や山車展示館に立ち寄り、お宿に到着。
本日泊まるのは、天然温泉 岩木桜の湯 ドーミーイン弘前！！

いや〜、大浴場露天風呂付き、さらに天然温泉ってところが最高ですよね〜。
宿に着いてすぐ温泉に入り、風呂上がりのアイス（サービス）を食べながらお部屋でのんびりタイム。

夜ご飯は買ってあるし、一旦お昼寝なんか挟んじゃったりして！
誰にも気兼ねしない、一人旅ならではの時間の使い方ですね〜。

そして、虹のマートで調達した美味しそうなお惣菜たち…。
弘前名物「いがめんち」は、刻んだイカと野菜を小麦粉と混ぜて揚げた料理。前からずっと食べてみたいと思っていたので、本場で出会えて嬉しいです。

中に入れる野菜はお店や家庭によって色々とのことですが、こちらのお店のものはキャベツがたっぷりでした。醤油とかソースをかけても美味しいかも！
青森エールとの組み合わせが最高だったな〜。

美味しいご飯を食べて一息ついたら、寝る前にもう一回お風呂！！
夕方よりも雪が強くなっていましたが、露天風呂に入ったらこっちのもんですよ。
雪を見ながらちょっと熱めのお湯に浸かる至福のとき。

本当は夜泣きそば（サービス）も食べたかったけど、お腹いっぱいだったので今回は見送り。
その代わりに、冷蔵庫にあったりんごゼリー（サービス）をいただきました。

いっぱい歩いていっぱい食べて、身も心も満たされた一日になりました。
二日目は、美術展レポとして投稿予定です！

おしまい。