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PayPay 100億円キャンペーン第二弾で、運営側が狙うべきターゲットは誰か?

こんにちは、カワナミです。
既にニュースなどで話題に上がっていますが、paypayによる100億円あげちゃうキャンペーンの第二弾がスタートしました。
セキュリティ問題が解決されはじめ、いよいよ第二弾か!と思いきや初回のキャンペーンと比べ、上限額の低さが話題になっています。
心の中での第一声はみんな同じはず。

確かに、第一弾を知っている&乗り遅れた人々についてはガッカリ感があるものの、キャンペーンの最終目的が「習慣的利用者を獲得する」という意味では低単価の日常消費にフォーカスしたというのはまっとうだなと思うわけです。このあたりは第一弾のときに田端大学のお題として書いた下記の記事でも予測してきました。(だいたい当たってた)

ただ、個人的に今回のキャンペーンは「低額利用に絞ったのでさあ日常で使うが良い」というとりあえず広げただけで、「なぜ日常で使おうと思うのか?」「使うならばどのターゲットに絞っているのか?」がパッと見でしっくりこずにいます。そこで「もし自分がpaypayの中の人ならば誰のどんな利用を狙いに行きたいか?」を考えてみました。

◯得たいものの再確認

PayPayが得たいものは、将来の決済手数料総額(今は手数料無料)なので、

利用者数×利用頻度×利用単価×手数料=売上

利用者・利用頻度・利用単価、この3つを上げたい。なお、利用者が一定量存在しない限り利用頻度や利用単価が高くてもスケールしないのでまず初回利用者を取りに行ったのが第一弾。今回は利用者+利用頻度を取りに行って「キャンペーンが終わっても習慣的に利用する」カスタマーを作ることがPayPay側の得るべきものだと思うわけです。

◯PayPayが抱える3つの課題点
前出のnoteでも書いているのですが、PayPayが習慣的利用に行くまでには大きな課題があります。それは端的にいうと「めんどくさい」です。

残念な3つのめんどくさい
1.Suicaなどに比べてアプリ開いたりアクション数が多くめんどくさい2.店員も読み取るという工数が増えてめんどくさい
3.使える店が限られているので探すのがめんどくさい

このめんどくささが回避され、「支払いの際にまず手段として第一想起される」を作らない限り勝ち目がありません。ちなみにこのあたりの「めんどくささの正体」は、田端大学最年少MVPの清原さんのnoteにて詳しく考察されています。

ちなみに、清原さんのnoteの中では、”残念な3つのめんどくさい”のうち、1・2番のめんどくささを感じにくい消費接点(タクシー・ファミレス)の開拓について書かれていて「なるほど!」と納得したのですが、今回、得たきことは「利用者&利用頻度」なのであるという点を考えて別アプローチにて課題解決方針を考えて行こうと思います。

◯まず決済までの行動のどこに割り込むのか?

「支払い手段として第一想起する」と書くと、浮かんでくる絵はレジで支払っている姿だったりするのですが、実は想起タイミングはもっと前倒しできるのではないか?と考えました。

◯消費が完了するまでの行動プロセス ①お店を探す→②お店を決める→③商品を注文する→④受け取る→⑤離脱

タクシーなんかは支払い手段を決めるタイミングが④と⑤の間、食券制の飲食店なんかは③と④の間、結構川下かつ判断に時間が少ないことが多いなぁと思う一方、もし①の行動を起こす前に支払い手段を想起させられたら強いんじゃないかと思うわけです。「さぁ~今日はPayPay使っちゃうぞ!」と。そしてそれが毎日のように起こると、「バーコード利用への慣れ」と「ポイントでの囲い込み」両方に成功するのではないかと。
もちろんそんなうまい話は簡単にはないのですが身の回りに似たようなことが転がっていないかな?と思い、「向いているサービス」を考えてみることにしました。

◯第二弾のキャンペーンがより嬉しく感じるサービスはなに?

さて「さぁ~今日はPayPay使っちゃうぞ!」と喜んで考えるサービスを探す訳ですが、まずは改めて第二弾キャンペーン内容を確認したいと思います。

PayPayキャンペーンの内容(ざっくり)
・最大20%が戻ってくる(カード利用の有無とカード会社によって変動)
・上限は1回1,000円、累積上限50,000円
・10回に1回、1000円相当戻ってくる(Yahoo!プレミアム会員は5回)

改めてみると結構渋い。20%の戻りで最大1000円ということは5000円までの支払いが20%丸々享受できるリミット・・・2名以上で飲みに行ったらその時点で超えそうなのであんまりお得感がない。

そんな中あれやこれや考えた結果、私が「良さそう!」と思ったのは会社員のランチ利用です。
仮に1回のランチを1000円(ちょっと高いかな)として、毎回800円になる。この時点でちょっとお得感がある。(いつもよりいいもの食べちゃおうかなとか)そして10回に1回(yahoo!プレミアム会員なら5回に1回)実質タダ。2週間に1回、または1週間に1回はランチがタダって嬉しく感じませんか? 特定店舗のランチのスタンプサービス(20回スタンプためたら1食サービス)などよりも「店も選べて、おトク度も上」なのです。
※お小遣い制度の私はすでにワクワクしています。

平日20日と仮において、1回200円×18日+1000円×2=5600円。原資がなくならなければ・・・累積上限の50,000円に達するまで最大9ヶ月はこのお得を享受できる。
そして、もしこのストーリはPayPayにとっても良いことがあります。それはランチ利用のストーリーが根付けば消費行動プロセスのうち最も上流の

消費が完了するまでの行動プロセス 
①お店を探す→②お店を決める→③商品を注文する→④受け取る→⑤離脱

「①お店を探す」の前に支払い手段の想起を割り込ませるができるのです。いわゆる「さぁ~今日はPayPay使っちゃうぞ!」「使えるお店はどこだ?」からスタートできると。外に出てお店を探すめんどくささが緩和、最初から使うつもりなので決済手続きのめんどくささ緩和、残念なめんどくさい課題が徐々に解決されていくイメージが湧いてきませんか?

◯ランチ利用での習慣化に向けて今PayPayに足りないもの

ここまで来ると、もう私は共感を得られなくとも勝手に使うわけですが、ランチ利用での習慣化に向けてまだ課題があります。それは利用可能店舗。
下記は一部抜粋ですが

とにかくランチで使えそうなお店が少ない。もちろん居酒屋業態でもランチをやっているところはありますが、牛丼チェーンとか天丼チェーンとか、バーガーとか麺類とかやっぱり欲しい。
あとは業態ずらしですがオフィスにくる出張のお弁当屋さんやUBER EATSも狙い目ではないでしょうか。移動販売業態はレジを持ち歩けないからモバイルのキャッシュレス決済と相性もいいと思うんです。

第一弾のときから大きく営業リソースを投下しているという話は有りましたが、自分が中の人ならば「ランチ業態かつ法人」or「大規模オフィス外近隣の飲食店」にリソースを集約して一気に開拓するなと考えました。
あくまで妄想ですが、オフィスで

A「今ランチいったら(買ったら)PayPayでタダになっちゃったよ!」
B「え、まじでじゃあ俺もPayPay使えるところでランチにしようかな」

なんて会話がされたら、より利用者加速するなぁと。
そして、キャンペーンが終わってもその時ポイント残高がまだあれば惰性的にPayPayを使える店から選び、利用し、「ランチはPayPayにまとめよう」という習慣的利用が生みにいくのではないか?というのが個人的な考えです。

◯最後に(まとめ)

長々書いてきましたがまとめるとPayPayが狙うべきターゲットと背景は

・残念な3つのめんどくささにより支払い手段想起でビハインドあり
・想起タイミングを前倒して勝ちに行くべし
・習慣利用目的×キャンペーン内容的に狙うべきはランチ利用。
・ランチ業態のある法人or大規模ビルの近隣飲食店に営業を集中

が改めて私の意見となります。特定の領域だとしても習慣的利用がある利用者の獲得に成功すれば、そこから他領域に広げる施策は打ちやすいはずで次の施策も楽しみになりますよね(中の人もわれわれ消費者も)
何にせよ、お小遣いの制約に苦しむサラリーマンとしてランチ利用可能店舗の拡大に期待しております。(PayPayさん本当にお願いします・・・)

以上、長々とした文章になりましたが、「PayPay 100億円キャンペーン第二弾で、狙うべきターゲットはどこか?」でした。
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川波 佑吉(twitter @ykch_

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