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法師温泉へ親孝行のつもりで

昨年から親戚の葬儀が続き、結婚式には母親代わりになった叔母が寂しそうだった。70歳までママさんバレーでアタッカーをして、若いママさんの中から試合に出られる機会がないという不満の声が出て、体調不良という名目で止めた。運動を止めても、近場の店に買い物に行き元気な姿を見せていた。

妹が昨年亡くなり、買い物にも出なくなったらしい。昨年末の叔母の葬儀で会ったときには、あまり家から出てないようなことを言ってた。60歳前に叔父さんが亡くなり、一人で三人の娘を育て孫の面倒もみてきた。もうそろそろ90歳に近付き、一人で元気でいても・・・する事もないし、などと休憩室で話していた。

僕が弱く生まれしまったので、高校を卒業するまで一緒に暮らしながら面倒をみてくれた。母親とこの姉の二人によって今まで生きられたようなものだ。心臓の手術をしてからここ数年、何処にも出掛けてないと言ってた。

温泉に行こうと誘ったら、行きたいようだった。母が46歳で癌死して以来、親代わりにいつも相談相手になって、心配を掛けてきた。元気なうちに少しでもお礼をしたい。

法師温泉 法隆殿

法隆殿が、外観の風情を残したまま、部屋は大きくリニューアルされたと聞いた。一階の部屋ならあまり階段を使わずに移動も出来る。法師温泉は現在は一軒だけの宿だが、周辺の整備がされている。二泊ならば温泉を楽しみながら、広い敷地内の散策も出来る。

法師温泉 法隆殿

泉質は無色透明のカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(石膏泉)で、足下からの自然湧出の新鮮な泉質だ。湯船が広いので、温度も適温になって長時間は入れる。法師乃湯は混浴だが、平日ならばワニも出ないだろう。出ても90歳近くにもなれば、じろじろ見られることも無いだろうが。

本館

料理も美味しいし、部屋食なら自分のペースでユックリとできる。難点は叔母と二人だけでは話しが続かないだろうな。昨年は仲の良かった妹が亡くなり、年末には直ぐ下の妹が亡くなった。会えば口うるさくおしゃべりの止まらない叔母達だが、亡くなる前に温泉に連れて行きたかった。

初夏の濃い緑に囲まれた宿も良いし、周囲が赤や黄に染まった10月頃も良い。そろそろ温泉にも行きたいので、沢渡温泉に行こうかな。沢渡温泉の「キビ大福」を土産に、叔母さんの様子を見に行ってみよう。



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