見出し画像

高齢者の風邪はキツい

先週の金曜日から風邪気味に成り、土日は食欲もなく、何もせず風呂には入らず、ただひたすらに寝ていた。熱は土曜日夜に37度になったが、連日36.4度よりも少し高い36.6度ていどだった。月曜に掛かり付け医に行き、インフルでもない、ただの風邪ということで処方箋を出してもらった。

今日、木曜日まで回復したという実感がない。喉の痛みと咳は薬が効いたのか昨日までには良くなっが、咳が少し残り怠さは無くならず一日中横になっていた。


年寄りにとって、風邪は最も気を付けなければならない、という事が実感させられた。去年までは風邪を引いても3日間もあれば治っていた。医者に行かなくても、症状に合わせて葛根湯や小柴胡湯などを飲んで、ヒドくても数日で治していた。何よりも熱がハッキリ出て、それと直ぐに分かった。

義母はパチンコ依存症だが、風邪の時だけは静かだった。家の中が臭くて、体臭が臭い、口臭もヒドイもので、いくら金をやってもパチンコに使ってしまう。妻の要望で外食に連れて行くのだが、恥ずかしいほど身なりにもこだわらず、こういう年寄りには成りたくないものだと思っていた。あかの他人なのに、借金と病気の時には利用されると、ゾッとしたものだった。

今回の風邪で、初めて4日間も風呂に入らなかった。2日間風呂に入らなかったことがあったが、気持ち悪くて参ったものだ。今回4日間も入らないと、風呂が面倒になってくる。義母姉妹はそれぞれ一人暮らしで、週に1回しか入らないと聞いたことがあった。見るのも不潔で、帰った後は掃除機を掛けないと座れないくらい気持ち悪かった。いざ自分がその年齢になると、体調が悪いと風呂が面倒になる。着替えもしなくなり、この一週間、人が来たら臭いと感じたろう。

咳と痰と微熱は普通の症状だが、それが酷い状況にならず、ジンワリと効いてくる。怠くて動けなくなり食欲が無くなり、こうして枯れていくのだろう。

明日はパルシステムの食材の宅配が来る。まだかなりの量が残っている。食事も朝しか食べてない日が多かった。台所に立ってると、何となくふらついて怠くなって、途中で止めてしまう。何よりも水の冷たさが骨にまで届くようだ。それでも熱は出ない。歩かない日が続くと、布団から出るのも億劫になる。


友人達の数人は、風邪が原因で死んだと聞いた。俗に言う、風邪をこじらせてと言っていたが、風邪というよりもそれが引き金になって持病の悪化が原因だろう。そういえば、友人や親戚の者達、風邪にしろ持病にしろ、入院は当然として家へ見舞いに行っても臭くはなかった。壮健なときに比べ、その姿が悲しくて記憶に残らなかったのだろうか。

妻の最期の10ヶ月間、四六時中側で看護してたが、着替えの時にもオムツ換えの時にも臭わなかったような気がする。風呂で身体を洗ってても、肉付きの良かった背中が老人のように衰えてた。着替えで抱きかかえると、手のひらに背中の骨の一本一本がハッキリと感じられた。日に何度か寝返りをさせて、寝間着の上から軽くマッサージをすると、骨や関節が良く解るようになっていた。

ここ数日寝ていて、着替えの時に匂いを嗅いだら、老人臭も臭くも無かった。何となくこのまま死んでいくのかなと思っていたが、それも楽で良いかなと思っていたのに、何とかまた持ち直したようだ。こんな事は誰にも言えない。言えば同居や施設入居の話になってしまう。必要以上の治療を続けて、完全な健康体になれないなら、ただ横になって痛みで苦しむのは嫌だ。ジイや、優しかった母や祖父や叔母達のように、静かに終わりたい。

高齢になってからの病気は実にやっかいなものだ。どの辺りで手を打つべきか、何処で諦めるのかが判りにくい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?