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入店9ヶ月でNo.1になりました。

セラピストを始めて9ヶ月。全国で総勢150人近く所属している某大手女性用風俗で売上No.1になれました。

僕のセラピストとしての第一章が終わった気がしたので、今日は長くなりますが、この9ヶ月間での気付きと学び、そして今まで語ってこなかった僕が女性用風俗で働き始めた本当の理由を書こうと思います。



まずは前置きですが……9ヶ月前、3月1日、「女性用風俗のセラピスト」というまったく違う業界へのチャレンジをしました。

僕のデビュー月の全国ランキングは16位というなんとも言えない微妙なところからスタートし、11位くらいで何ヵ月もくすぶっていた時期もあり、完全にエリート街道から外れていましたが、それでもしがみついて諦めずにしぶとく試行錯誤し続けて、なんとか一つの結果を出すことができました。

今まで培ってきたものもありましたので、恥ずかしながら正直入店前はもっとやれると思ってました。これが本音ですね。


「ランキングを気にするセラピストはダサい」「ランキングとかどうでもいい」と言われたりするのをよくお客様のXでの投稿で見かけます。

"売上"という言葉を使うと、「私のことお金だと思われてそう」と不快に思う方もいらっしゃると思いますので、この言葉を使う最初で最後をどうかお許しください。

ただ僕は自分の頑張りと、何より「お客様が笑顔になった数」として、ランキングや売上を気にしてしまっていました。
(やっと解き放たれたので、好きなことをしながら楽しくお仕事できそうです!)


ここからが本題です。

まったくの異業種への転職でしたが、突き詰めるとどのお仕事もやることは同じなんだなぁと気付きました。


それは

「お客様が求めているものを見極めて、それを食べやすい形にして、提供する」

です。



女風が男性風俗と大きく違うところは、ユーザーさんによって、それぞれ利用目的が微妙に違うところです。


例えば、

1.ドキドキ(色恋、擬似恋愛、もう一度女性として扱われたい&女性に戻れる時間がほしい、非日常)

2.温もり(愚痴を聞いてほしい、寂しい、慰めてほしい、優しく抱き締めてほしい、大切にされたい、男友達、ママとしての頑張りを肯定してほしい、安心感、伴走、コーチング、メンタルケア、癒し)

3.性欲(中イキ・性開発、マッサージ技術)

4.性を純粋に楽しむ人(イケメンとイチャイチャしたい、してみたいプレイがある、快感)

5.性のお悩み(セックスレス、不感症、性交痛、セックスの気持ち良さがわからない、男性経験が無い)

6.興味本位、好奇心、復讐


など、様々です。

言い換えると、それぞれ抱えている悩みが違うということです。

目の前のお客様の悩みが何なのかを、なるべく早く察して、お客様に寄り添い、解決できるよう努めるのです。

「あのセラピストは、あの企業は、あの商品は、あのサービスは、誰のどんな悩みをどうやって解決しているのか」という本質を考えることがとても大切であるということをあらためて再確認できました。



もっと言うと、お客様が自分でわかっている悩みだけではなく、自分で気づいていない潜在的な悩みも見つけて、他者がやっていない方法で解決できれば、唯一無二のセラピスト(商品)になることができます。


というのも明確に自分が何を求めて来店されたのかわかっていない方もいらっしゃるからです。

性欲を満たしてほしいと思いきや、実は愚痴を聞いたりして心を満たしてほしかった、ということもよくあります。

なので、お客様の言葉からわかった要望だけではなく、その言葉の裏にある"本当に求めているもの"を捉える必要があるのです。

お客様の「○○がしたい」と言っているとき、そこで言語化されているのはあくまでも顕在化されたニーズ。

大切なのは、その言葉の裏にある「ニーズが発生した理由や原因、その背景」を明らかにすることです。

広告業界でよく言う「ドリルを売るには穴を売れ」というやつですね。


そして、この真のニーズを満たせたとき、初めて「感動」が生まれるのです。この感動こそがそのセラピストの付加価値となり、それに価値を感じ、お客様はお金を払います。

替えのきかない唯一無二のセラピストになるためには、このお客様が本当に求めているものを、自分色で、満たす必要があります。

自分の好きなことでお客様に還元できるよう全力で向き合い、尽くすのです。




身も蓋もないことを言いますが……

女風のセラピストは「顔」です。顔が命です。

顔がいい人から指名されていきます。

これは紛れもない事実です。

この業界では「顔だけだとリピートされない」なんてよく言われますが、イケメンじゃないとそもそも指名されません。



旧ジャニーズも、僕の世代だと一番人気はぶっちぎりで山下智久さんでした。

彼がどのアイドルよりも歌やダンスが上手く、話が面白く、演技も上手だったから、一番人気だったでしょうか?

そうではなく「圧倒的なビジュアル」が山Pたらしめていたと思います。




しかし、「セラピストは顔だけじゃない」というのも事実です。


大事なことは、足りていないことを嘆くのではなく、自分には何があって、どう活かしどう伸ばすかです。

そして、どこまで伸びるかはその人の「志」で決まります。



だからこそ僕は、一緒にするのは大変おこがましい話ですが、

山下智久さん
錦戸亮さん
手越祐也さん

等といった圧倒的なビジュアルを兼ね備えたスターを目の前に、他のメンバーとは違い、自分には何ができるのかを模索し続けた結果、小説を書き始め、二作続けて直木賞にノミネートされた唯一無二のアイドル・NEWSの加藤シゲアキさんに感情移入せざるを得ないのです。




入店してすぐにバンバン指名されるようなキラキラ輝いているスターとは違い、僕は思うような結果が出なくてもがき苦しみましたが(今もかなりもがいている最中ですが)、

今まで培ってきた土台となる思考力とマーケット感覚と行動力があれば、よほど向いていないことをしない限り、まったく違う職種でもちゃんと結果は出せる、苦しんでいる人に手を差しのべ「ありがとう」という感謝の言葉をもらうことができるんだなぁと一つの自信になりました。


また、ここまで諦めずに継続して良かったことは、「初めてなことへ挑戦するハードルが下がったこと」です。


僕、ここ数年くらい人生やり直せるなら「デザイナー」になってみたかったなぁと思っていたんです。

性格的にもなんとなくですがやれば向いている気はしていたのですが、まったくやったこともなかったので今更無理かぁと思っていました。

しかし、今なら、まったくのゼロからの状態でも、本気で1年もやれば、最低限ですがやっていけるだろうなと思っています。

セラピストを引退した後、しばらくしたらデザイナーになっている気がしますね。


何より人生いくつからでもやり直しがきくんだなぁと強く思いました。

自分の人生への、未来への楽しみが増えて今ではとてもワクワクしています。

遅いと思ったときが一番早いスタートだったのです。



女風のセラピストになる前、前職では賞を獲ったこともあったのですが、自分が望む大きな結果は得られなくて、でもやりきった感じもあってこれ以上伸ばすためにはどうしたもんかなぁとここ数年ずっと思い悩んでいました。


何よりかつてほど自分のいる業界にワクワクしなくなっていた自分がいました。

かつてはあんなにワクワクしていたのに……


(今は離れてみて、またあらためて好きだなぁと気付かされましたし、自分が培ってきた技術はこんなにも汎用性のあるスキルだったのかと驚き嬉しかったです。

と同時に女風業界のように、これから伸びていく業界に身を置くこともとても楽しいなぁと思いました。)



同級生は、もう情熱大陸に出たり、踊る!さんま御殿!!に出たり、インフルエンサーになったり、セミリタイアして優雅に暮らしている人もいるのに、自分だけなんでこんなにだめなんだろう?




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そんなことを考えていたタイミングで、僕は去年、自分にとって大きな失恋をしました。

今まで仕事にしか興味がなく、今思うとまともに恋愛に向き合ってこなかったので、なんで振られたのかわからなくて、本当に困惑しました。そしてすぐに悲しみが襲ってきました。


仕事と恋愛、初めて両方うまくいかないことを経験して、少し体調を崩してしまった。

仕事と恋愛は両輪だったのです。


そこで、自分の何がいけなかったのか、どこがだめだったのか、自分と向き合わざるを得なくなりました。


恋愛や女性の心理、性について書かれた本を数十冊読み漁り、ネットやYouTubeで恋愛について調べる毎日。

そこでたまたま今在籍しているお店の先輩セラピストさんが出ていらっしゃったYouTubeの動画を見て、初めて知ったのが、「女性用風俗のセラピスト」というお仕事でした。


恋愛や女性の心理について一から勉強し直したこの過程で、次、誰かとお付き合いした時、どう行動すべきなのかは僕の中で納得はできたのですが、一つだけまだ向上できていないことがありました。


それが女性の身体、性に関する技術や経験でした。


最初に見たYouTubeから関連動画を見漁り、本当に驚きました。

「脳イキ」や「腹イキ」という初めて聞く言葉に出合い、さらに調べていくと、子宮を揺らすだけで女性が絶頂に達する動画を見つけたりと、

調べれば調べるほどこんなにも女性の身体は奥深いものだったんだなぁと恥ずかしながらやっとそこで思い知ったのです。

これは「もっと知りたい!もっと学んでみたい!!」と思いました。


そして、自分自身、かつて体調を大きく崩したことがあったりと人生の酸いも甘いもいろいろと経験してきて、"俺が俺が"や"モテたい"みたいなものが無くなってきて、苦しんでいる人に手を差しのべてあげたい、あの頃苦しんでいた自分(のような人)を救ってあげたいと思うようになっていました。

僕は女風を〝心のエステ〟と定義付けているのですが、苦しんでいる人に寄り添ってあげたいと、そういう意味でもセラピストというお仕事は向いていそうだなぁと直感しました。


直接的な仕事のスキルに直結することではなく、初めてなことにチャレンジして人としての幅を広げてみよう、人としての魅力を上げたいと思い、転職を考えるようになっていきました。異業種に転職し、再び、前職に戻ろうと。

そしてその時、たまたま最大の関心事が「恋愛・結婚」だったため、女性用風俗のセラピストに転職することにしました。


仕事と恋愛、この二つの大きな転機がきっかけで、女性用風俗で働くことになったのです。



(余談ですが、失恋した直後、"今の自分"がだめで振られているわけなので、何か変えないといけないと思い、「嫌だったところ教えて」と元恋人に言ったら、一言目でまさかの「電車移動」と言われ、今まで30年間、頑なにとってこなかった免許を、その3ヶ月後にはすでに免許をとり終えていたのは我ながら行動力でした(笑)でもそういうことじゃなかったんですけどね)




最近、「セラピストいつまで続けるの?」と聞かれることが増えたのですが、

それに対しての回答としましては、僕自身が「このお仕事をやりきったなぁと思えたら」です。

ただ始めたばかりですし、どのくらいでやりきったと思えるのかもわからないので、「3年」とタイムリミットを決めて活動しています。あと2年3ヶ月ですね。

あと2年3ヶ月でやりきらないといけないので大変です。


来年から僕のセラピストとしての第二章が始まります。

これまでとは違ったやり方でお仕事をしていけたらなと思っています。

今までは目の前のことで必死で、これからセラピストとしてどうしていきたいかなんて考える余裕もなかったのですが、今月はのんびりすることにしたのでいろいろと考える時間がとれました。

まだ言えませんが、今のところ第三章の構想まで考えています。人生、面白くなるといいな。

「自分の考えた通りに生きなければならない。そうしないと、自分が生きた通りに考えてしまう。」

19世紀フランスの小説家ポール・ブールジェのこの言葉が僕の生き方にはぴったりきます。



女性用風俗のお仕事を通して、一回りも二回りも成長して人間としての幅を広げられたらいいなぁと思います。

そのために、今日も目の前のお客様を大切にし、満足していただけるよう励みます。


このnoteでは長年やってきた営業職・接客におけるコミュニケーションでの気付きや、僕が七転八倒している姿を赤裸々に見せていけたらなと思います。



遠くまでいけるといいな。


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