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場末のディサービス(ピック病)

なーさんがトイレに行きたいと言って車いすを自走してます、と
スタッフから連絡がくる。男性スタッフは送迎にでて誰もいない

なーさん 自分で歩いてトイレに行けると思っている。
トイレに行きたいという時は便の方で 間違っても 「歩けないから
トイレは行けない」 な~~んていおうものなら 大暴れ
挙句の果ては 「帰る タクシーを呼べ」そう言いだしたら 
何をしてもダメで 送迎車に乗せるしかない
奥さんに電話する
送迎車に乗って 自宅に着くころには 落ち着かれ 迷惑をかけた
すまないと言われる。

なーさんはピック病と診断され 場末のディサービス利用となる。
ピック病 前頭側頭型認知症と言われる
日本では 遺伝は5%以下 海外では30~50%遺伝するというデータが
ある。 人の話が聞けない。異常な行動(浪費 過食 徘徊 暴力など)
頸椎も悪くて 両下腿 麻痺 指先はしびれ 食事介助が必要だった
毎日同じ時間に散歩に行き 転倒を繰り返し 家に帰って来れなくなった。
警察から電話が掛かってきて 迎えにいくと言うことが頻繁にあり
奥さんも腰が悪く 介護負担軽減のために ショートスティを利用したらしい。
初日の夜中 トイレに行くと言って大暴れ どうにも止められなくて
夜中に家族に電話がかかり 迎えに行ったとのこと。

なーさん 利用開始から半年は ディでも大変で 午後から休憩のため
ベッドに臥床 寝てるかと思うと 床に寝ている。
「起きようと思う なんもせんでいい 起きれるから・・」
何度も 床から起こした。「いや 手伝わなくていい 自分で起きるから」
と言って また 大暴れ  スッタフも大変だった 介護拒否が見られ
お断りしようかと思う。
思ったけど 奥さんが大変そうなので もう少し様子をみよう
せめて 定期的にショートスティが使えるようになるまでとスッタフと
頑張ってみた。

なーさんはリハビリが大好きで なんとか食事は自分で食べれるようになった。いつも指先のマッサージをして リハビリを頑張っていた。
手袋をして指先を冷やさないようにしてた
なんとか手袋も自分でできるようになった。
半年を過ぎたころには なーさんも場末のディサービスに慣れ スッタフに
故郷の話をしたり 若い頃 和菓子職人だったとか 小豆の炊き方を教えて
くれたりして 穏やかに過ごせるようになった。

時々トイレに行くという 訴えの時は トイレ介助をした。
足は麻痺があり 一人では立てないので 持ち上げて トイレに座って
もらう 男性にしては小柄だけど 女性の介助ではかなりの負担 
重い・・・腰が・・・痛い。
トイレで便をすれば 落ち着いて過ごせるようになった。

2年目 時々ショートを利用できるようになった。
なーさんは他の利用者さんとおしゃべりもしたり たまにディ周辺を
散歩に行ったりと穏やかに過ごされ、
奥さんの腰痛も少しましになったが 入所が決まった。
家では まだトイレに行くと騒いだりするらしい。

奥さんも高齢なので 入所を娘さんたちが 希望され 決まった。

ショートスティから入所へ向けて 色々あったけれど
ご家族の意向に沿って介護ができてよかった。
せっかく慣れてきたのに 寂しくなる。

お元気にされているだろうか・・・


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