十禅寺梅虎

河岸の歌声

かなり昔のことで、当時の人はもう誰も生きていません。私も伝え聞いた話ですので、かなり脚色されているかもしれません。 互いに知らない人はいないというほど小さな村で...

男と蛇

"法華経普門品(ふもんぼん)第25に「弘誓深如レ海(ぐぜいしんにょかい)、歴劫不思議(りゃっこうふしぎ)」とある。 観世音菩薩が、仏の道によって、生きているものすべて...

紅の袴(はかま)

越前の国(福井県)敦賀(つるが)に裕福な家があった。その家は、夫婦と一人娘の3人暮らしであったが、多くの使用人が働いていて、いつも賑わいがあった。両親は娘を大層...

女と蛇

もう一昔前になりましょうか。 紫野にある雲林院(うりんいん)で、毎年、3月21日に行われる菩提講に詣でる道すがら、大宮から西院(現在の西大路四条周辺)にさしかかるあ...

魂と肉体

平城京、左京の五条六坊に、奈良の岩島と呼ばれた人がいた。岩島は、寺から集めた資金を運用して利潤を得て、それを寺に還元していた。このたび岩島は、越前(福井県)の敦...

文字を求めて

大和(奈良県御所市近郊、金剛山の近く)に、法華経をひたすらに読誦して精神修養していた男がいた。丹治比氏(たじひうじ)の出であった。 その男は才気煥発で、8歳までに...