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技術同人誌の執筆を加速させる7つの技術

概要

2018/10/08(月)の技術書典5で「比較して学ぶRxSwift4入門」という技術同人誌を頒布してきました。

この記事は、今回技術同人誌を執筆してみて、次に書くならこの点を意識しよう・・・!と思ったことがいくつかあったので「応募〜入稿まで」にフォーカスしてまとめてみました。

対象読者

・次回のイベントでサークルとして参加しようと思っている方
・これから執筆しようと考えている方

1.最初にターゲットを固める

ターゲット、対象読者を最初にガッチリと固めることで本筋がブレずに執筆できます。
例えば、初心者向けであれば周辺知識やコンポーネントの使い方、ちょっとした応用のみを書く、上級者向けであればそこらへんはすっ飛ばして深いところだけを書くなど。
ターゲットを明確にすることによって上級者の方が誤って初心者向け本を買ってしまって後悔する、もしくはその逆・・・なんてことも防げます。
合わせて、本のタイトルも初心者向けか上級者向けかわかりやすく設定しましょう。特に即売会ではスピードが求められ、中身をチェックするような時間も少ないため、より重要になります。

2.アイデア出しをする

大まかな軸が決まったら、どのような本にしたいかアイデア出しをしましょう。
アイデアを出して章建て、節、タイトル、リード文の決定まで終わらせるのが目的です。技術書典の場合、1ヶ月半前くらいにこれらができてるとだいぶ余裕をもって進めることができます。
また、アイデアとして出たものは必ずどこかへ保存しておきましょう。中盤〜終盤にかけて書くことがなくなったときに役立つかもしれません。

3.下書き段階では1つのファイルに全てを書く

書き方はmarkdown形式をオススメしていますが、入力しなれている方法でも良いです。1つのファイルに全てを集中させることでファイルを切り替えるコストがなくなり、執筆のみに意識を集中できます。
また、ディレクトリはgitで管理しましょう。毎日作業終わりにコミットすることで日々の差分を残せるようになります。それをなにかしらの方法で可視化することで今日はたくさん書いた・全然書けてないというのがわかりやすくなるので良いモチベーションになります。

diff +320 lines「うおお〜今日はめっちゃ書いたわ〜〜」
diff +12 lines「全然書けなかった・・・・4にたい」

モチベーション、めっちゃ大事。

4.Re:VIEWを使う

Re:VIEWとは、書籍を作るためのオープンソースとして公開されているツールで、これを使うと従来より手軽に技術書を作れるようになります。
詳しい仕組みについては、次の技術同人誌で紹介されています。

これめっちゃ役に立ちます。というか僕はほぼこの通りにやったところ、問題なく入稿〜印刷までできました。この場を借りて御礼申し上げます。
ちなみに、下書き➔Re:VIEW記法への移行は下書きが完成してからで良いと思います。
僕の場合、下書き7割で移行して途中からRe:VIEW記法で書いたのですが、なれていないRe:VIEW記法だと構文を調べながらじゃないと執筆ができなく、圧倒的に効率が悪くなってしまいました。慣れてる書き方が1番!

5.CIで自動ビルド&配布する仕組みを構築する

※Re:VIEWを使って執筆する前提
PDFを生成して見た目のチェックをする場合、通常は毎回リポジトリ内で次のようなコマンドを打たないといけません。

$ ./build-in-docker.sh

これでもだいぶ簡略化されていますが、それでもまだひと手間あるので段々と面倒になってくる&積み重なった時間がもったいないです。
なので、masterブランチが更新された際に自動でビルド&配布をしてくれるような仕組みを作ることを推奨します。
僕の場合はCircleCIを使っていて、masterに更新があったら自動ビルド、DropboxへPDFをアップロード、URLをSlackで配信するというような仕組みを構築しました。
おかげで執筆が170%加速しました!(体感)
CircleCIを使った自動配布の仕組みはまた別途記事にするのでここでは割愛します。🙇‍♂️

6.印刷所に紙のサンプルを注文する

できるだけはやめにやりましょう。僕は後悔しました。今回印刷のお願いをした日光企画さんの場合は最大10日ほどかかるみたいです。
入稿するとき、次の画像のように必ず表紙や本文の紙や加工を選ぶ必要があります。

みんな使っているやつでいいや。というひとは印刷所の方に聞いてそれを選択するのでいいと思いますが、何か特別な加工をしたい場合、「エスプリコートSS180kg」「NPホワイト200kg」「シャインフェイスゴールド180kg」と一覧に出ててもサッパリわからないしWeb画像検索ではどんな感じか確認することがほぼできません。必要な方は早めに注文しましょう。
届いたサンプルを実際に触ってみて、最終的に頒布する本をイメージし、モチベーションアップさせましょう!

7.締切を常に意識

いろいろな締切はすぐにやってきます。
技術書典5の場合の締切チェックポイントとして次のものがありました。常に意識しておきましょう。(カレンダーにいれよう!)

※注意: 2018/10/08開催の技術書典5の場合
・応募締め切り:7/19
・当選後のサークル参加費入金締め切り:8/8 
・サークルカット締め切り:8/31
・入稿締め切り:(印刷所によって違う)10/2とか
・見本誌事前提出:イベント当日3日前

締切を意識しておくことで、執筆のスケジュールが立てやすくなります。

おまけ.印刷部数は強気で

在庫を恐れてはいけません・・・・(戒め)(参考資料
印刷部数は被チェック数を目安に決めることがほとんどかと思いますが、イベント直前のブーストも考慮して印刷部数を決めましょう。
僕の場合、入稿した時(イベント2週間前)はチェック数が20くらいで印刷を25部に決めたのですが、イベント直前には144まで上がっていました。
被チェック数が144で実際に売れたのは約110部ほどだったので、イベント2週間前の被チェック数x5倍くらい刷っても良いのではと感じました。(初参加だからまだ肌感掴んでないけど)

まとめ

1.最初にテーマを決める
2.アイデア出し
3.下書きは1つのファイルにまとめる
4.Re:VIEWを使う
5.CI/CDの構築
6.紙のサンプルの注文
7.締切意識

CI/CDの構築の詳細は早めにpublishします!

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