みたらし加奈

臨床心理士。私自身の実体験や、日々感じたこと、心の病についての情報を書き記していこうと…

みたらし加奈

臨床心理士。私自身の実体験や、日々感じたこと、心の病についての情報を書き記していこうと思います。instagramにアップした文章も記録用に移行していくつもりです。instagramとTwitterは@mitarashikana で検索してね🔎

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曲がってしまった背中、愛せなかった身体。 #わたしとあなたを愛すること

【注意】性暴力の表現があります。 2020年8月、私は有志のメンバーと共に「mimosas(ミモザ)」というメディアを立ち上げた。mimosasとは専門家チームと一丸となって、性暴力被害や性的同意について発信するメディアであり、”NO means NO”が当たり前になる社会を目指して、日々活動をしている。 mimosasのなかで伝えている1つの大きなメッセージ、「あなたのからだは、あなただけのもの」とか「わたしのからだは、私だけのもの」という言葉は、私自身がずっとずっと言

    • 名もなきリプへの応答文/「性的同意」と冤罪を結びつけて杞憂する人に向けて。

      昨日、私が呟いた下記のツイートには、たくさんの反響が寄せられました。 https://twitter.com/mitarashikana/status/1270350364248698884?s=20 本ツイートはあくまで「私の個人的なTwitterアカウント」であるにも関わらず、わざわざ貴重な時間を割いてまでご自身の意見を述べてくるようなリプライや、 #わたしは伊藤詩織氏を支持します というハッシュタグの中にある一人称を無視したようなリプライに驚愕をすることもありました

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      • 明日死ぬかもしれない私の、「有限」を探す旅。

        「明日、自分が死んだらどうなるのだろう?」 そんなことを考えた経験はないだろうか。私は何度も何度も、その問いについて考えたことがある。事実として、人はいずれ死ぬ。どんなに生きていたって、どんなに素晴らしいことをしたって、寿命は平等に、私たちに分け与えられている。そんなことは誰だって知っているはずだ。しかしながら、「死」について実感を持って感じている人はどれくらいいるだろう。 以前の私は、「自分が死ぬ」ということを容易く想像出来ていた。周囲には私の死によって影響される人とさ

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        • 「フェミニスト」は、男性嫌悪をする女性の代名詞なのか。差別の観点から考えてみる。

          私は昔、「フェミニスト」という言葉を馬鹿にしていた。渋谷駅で女性専用車両を強く訴える人たちを見て「自衛すれば?」とか「誰も興味ないよ」など思っていた。「フェミニスト」という言葉は、感情的で周りが見えていない"男性嫌悪"を持つ女性の代名詞だと大真面目に認識していた。 女には賞味期限があって、馬鹿みたいに振る舞うことが美徳だと本気で思っていた。ごく普通のように、「女は苗字の変わる生き物だから」とか「売れ残らないようにね」と言われて育った。 私は、全ての"常識"みたいなものを信じ

        曲がってしまった背中、愛せなかった身体。 #わたしとあなたを愛すること

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        • 愛について
          2本
        • 心について
          3本
        • 社会について
          1本

        記事

          「死」について考える

          死にたい人、死にたくない人、死ねなかった人、大切な人が亡くなってしまった人。生きている限り、人は必ず「死」と向き合う。「死」を言語化して認識するのは、地球上で人間だけだ。きっと、そこに「意味」を見出すのも人間だけである。 人の身体には莫大なエネルギーが流れている。細胞が分裂し、ホルモンが分泌され、電気信号が流れている。よく「死ぬのは一瞬」と言う人もいるが、それを全て止めてしまうのにも膨大なエネルギーが必要だと思う。しかし、そんなに大変なことなのにも関わらず、命が無くなっ

          「死」について考える

          わたしのからだは、私のもの。幼きあの日の#MeToo

          明けましておめでとうございます。Instagramに書いた文章の反響が大きかったため、投稿したいと思います。 本当に沢山の方からメッセージをいただきました。同じ悩みを抱えた方からの共感の多さに、嬉しい反面、悔しい気持ちも感じました。反響を受け、こちらでは少しだけ文章を変え、少し踏み込んだ内容も付け加えてあります。とても勇気を振り絞ったので、最後まで読んでいただけたら幸いです。 -------------------------------------------------

          わたしのからだは、私のもの。幼きあの日の#MeToo

          愛する人と共に生きたいが、価値観は押し付けたくない。

          こちらも、instagramに掲載した文章になります。杉田論文への小川榮太郎氏の擁護文が話題になっていますね。この文章は、その問題が起こる前、今年の5月6日に書いたものです。愛する人と共に生きたいが、価値観は押し付けたくない。そんな気持ちで書きました。読んで頂ければ幸いです。 ________________________________________ アメリカ全州で同性婚が可決された年、私は、ゲイの友人の言葉を参考にしながらジェンダー論のレポートを書き上げていた。「例

          愛する人と共に生きたいが、価値観は押し付けたくない。

          依存症について

          アルコール依存症(現在はアルコール使用障害に名称変更)や、セックス依存症、薬物依存症という単語は、誰しもが耳にしたことがあると思う。最近ではスマホ依存症、ネットゲーム依存症も出てきており、WHOは正式に"gaming disorder"を精神疾患として認定した。日本においても「スマホ依存外来」を設ける病院は少なくない。 生きていれば当然「我を忘れてのめり込んでしまう」ような経験は起こりうるものだ。人は何故、依存をしてしまうのだろう。 松本(2018)の論文に、興味深い一

          依存症について

          痛いのと、痛くないのと。

          「死にたい」と思う人は多いけれど「あ、死ぬかも」を経験した人ってどれだけいるのだろう。 私が人生で初めて「死ぬかも」と思ったのは、熱性けいれんを出したときだった。(いま思えば小児てんかんだったのかもしれない。) とにかく頭がぼーっとして、ぐらぐらしたまま唾液が止まらなくて、気付いたら銀色の大人に運ばれて、うるさい車に乗せられていた。ピーポーピーポーという音で再び意識が飛んで、目覚めた時には、真っ白な世界。天国かなぁと思った。 その次は、大学4年生のとき。当時、私は1日2

          痛いのと、痛くないのと。